見出し画像

「読み手」視点で書くためのヒント

文章の難しさは、書き手になった瞬間、読み手の意識が急激に薄れがちになることだ。

たとえば誰かから「この記事を読んでみて感想を聞かせて」と言われたときには「ここの説明が少しわかりづらかった」「結論から先に書いた方がいいかも」など読み手としてあれこれ指摘できるのに、書き手になった途端、まさに読み手の自分が指摘するような過ちを、書き手の自分が犯してしまう。

他人の欠点は見えるのに、自分の欠点が見えなくなる。

自分の力で文章を客観的にチェックできるかどうかが、日本語表現うんぬんよりも大切な気がしている。

ぼく自身、昔は読み手のことなどまるで頭になく、主観MAXで突っ走るような文章をたびたび書いていたのだけど、読み手視点で制御されていない文章ではプロとは言えない。

ただ、旅行情報誌の編集を担当するなかで、時間はかかったがだいぶマシになってきた。何をしたのか。

書いた原稿を、一度プリントアウトをして、赤ペン片手に自分で校正していた。

すると不思議なことに、画面上で読み直すよりも、客観的に見ることができる。ぼくは毎日毎日、書いた原稿を印刷しては、読者の立場になったつもりで赤字を入れていた。

そういう訓練を繰り返していくと、徐々に「客観性」を持ちながら書けるようになっていく。主観と客観を切り替えながら書けるような感覚だ。だから努力次第で乗り越えられる問題だと思う。

お読みいただきありがとうございます! 記事のシェアやサポートをしていただけたら嬉しいです! 執筆時のスタバ代に使わせていただきます。