フランスの旅(7)オペラ・ガルニエの衝撃
フランスの旅、7日目。戻ってきたパリでは、「The People Paris Marais」というゲストハウスに泊まってる。ここも1泊7000円くらい。ドミトリーだけど、パリでは破格の安さ。
今朝は宿から1分のところにあるパン屋さん「Boulangerie Terroirs d'Avenir」を訪ねた。おいしそうなパンが並んでいた。パン・オ・ショコラとアップルパイを購入し、店内で食べる。おいしかった。2つで4ユーロ。
宿に戻り、キッチンでコーヒーを淹れて飲んでいると、後ろから「Good Morning!」と声をかけられた。どこかで見た顔。あ、昨日コインランドリーで助けてくれた韓国人のキムくん! なんと同じ宿に泊まっていたとは。
彼は今日チェックアウトして、鉄道でアルザス州のストラスブールへ行くそう。ぼくは添乗員時代に45日間ストラスブールに滞在した経験があるから、いつかまた再訪したい大好きな街だ。少し雑談してからキムくんと別れてきた。Have a nice day!
メトロのOpera駅で降り、10時30分から予約していたオペラ・ガルニエ(パリ・オペラ座)の見学をした。見学は15ユーロ。
口コミでオーディオガイドが絶賛されていたので、追加で8ユーロ払って利用することに。これが優れものだったので、見学者には強く推奨する。日本語でこの施設のことが隅々まで理解できる仕組みになっている。
もともと、オペラ・ガルニエには行く予定がなかった。「名前は知っているけど、言うてもオペラ座でしょ?オペラを観劇する人が行くところでしょ?」と思っていたから、そもそも見学ツアーがあることさえ知らなかった。
だが、フランスに短期留学していたスタバの店員さん(ミュージアムパスを教えてくれたのも彼女)が、オペラ・ガルニエを大絶賛していたのだ。それで、「せっかくだし行ってみるか」という気になった。けれども、それでもまだ、内心あまり期待していなかった。ぼくはかつて、オペラ劇場として有名なドレスデン国立歌劇場などにも行っているから、なんとなく知った気になってしまっていた。劇場内のシャガールの天井画が楽しみだな、くらいに思ってた。
だけど実際に来てみて、最初の「大階段」の時点で衝撃を受けた。あまりの美しさ、迫力にビックリした。
しかしこれもまだ序の口で、言葉を失ったのは「グラン・フォワイエ」と呼ばれる大広間。ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」をモデルにしたという場所で、この豪華絢爛さにしばらく呆然と立ち尽くしてしまった。
1時間くらいで出るつもりが、結局2時間も見学していた。もちろんシャガールの天井画も美しく、素晴らしかった。
今回でパリは3回目だけど、このオペラ・ガルニエが最も感動した。パリ観光ではマストの訪問地だ。凱旋門やエッフェル塔よりも、ここへ来ないといけない。ルーヴル美術館は誰もが訪ねるだろうけど、このオペラ・ガルニエも絶対に訪ねてほしい。
フランスに来て一週間。正直8割くらいは「マジで物価高いし不便なことばかりで、日本で過ごす方が全然快適でいいな」と感じているけど、このオペラ・ガルニエのように、残りの2割で「やっぱすげえなパリ」「これは来ないとわからないわ」と感じさせるものがある。そしてこの2割の要素のみで「来て良かった」と思わせてしまう。
今度は老舗高級百貨店の「ギャラリー・ラファイエット」を訪ねる。クリスマスイルミネーションと丸天井は見事だった。
ランチはパン屋で、大きなバゲッドのサンドイッチを食べた。ツナとトマト。5.5ユーロ。
その後、こちらもスタバ店員さんおすすめの「スターバックス・オペラ店」。天井画があり、スタバとは思えない美しい空間だった。
ちなみにフランスのスタバでは、ショートサイズがなく、トールサイズが最小。アメリカーノをグランデサイズで頼んだら、マグカップで出てきた。グランデサイズのマグカップが存在するのかと驚いた。日本では見たことがない。ものすごい量で、飲むのに1時間半もかかってしまった。トールサイズで十分だった。けれどここも来られて良かった。スタバの店員さんに感謝。
そして、パリで行ってみたかったパサージュ巡りをした。パサージュは、19世紀の古き良きパリを感じられるレトロなショッピングアーケード。
まず、3連続で繋がっている「パサージュ・ヴェルドー」「パサージュ・ジュフロワ」「パサージュ・デ・パノラマ」を順に訪ねた。
それぞれ趣が異なる。個人的に真ん中のジュフロワが好きだった。アートのお店がたくさんあり、眺めているのが楽しかったから。
さらに少し歩いて、「ギャラリー・ヴィヴィエンヌ」へ。ここも雰囲気がある。床のモザイクが良かった。
最後に立ち寄ったのは、日本人の方が経営しているチーズ屋さんの「フロマージュ・ヒサダ」。今回の旅にもご支援くださった神門(耳ツボ)活動家の飯島敬一さんが、「ぜひ訪ねてみてください」と店主の久田惠理さんとつないでくださったのだ。
久田さんは、以前NHKの「世界はほしいモノにあふれてる」にも出演された、チーズのプロフェッショナル。お母様の早苗さんが、日本人として最初のチーズ熟成士(本場フランスで最高称号を授与)で、惠理さんはその二代目。フランス各地の優れたチーズを仕入れ、さらにお店で熟成や加工をし、斬新な商品としても販売している。フランスには日本と比べ物にならないくらいチーズ好きが多いが、その愛好家たちをも唸らせる本物のクオリティのチーズを提供しているという。
見たこともないチーズばかりで、素人のぼくでも魅了された。いろんなものを試してみたくなる。うちの母がチーズが好きで、当初はスーパーのチーズをお土産に買えばいいかなと思っていたのだけど、久田さんのお話に引き込まれて、ここで買わないともったいないと強く感じた。日本で買うよりも遥かに安く、最高品質のチーズが手に入る。試食したコンテチーズも、味噌のような、驚きの旨味!
今日はご挨拶だけして、また帰国前日に伺うことにした。ひとつだけ買って帰った柚子のチーズもデザート代わりに食べておいしかった。久田さん、ありがとうございました!
これは後日談だけど、久田さんから「日本ではエシレが人気ですけど、フランスでエシレは『給食のバター』と呼ばれているんです。このパンプリ社の発酵バターはエシレの倍おいしいですよ」と言われてひとつ母にお土産で買ってみたところ、「感激のおいしさ。バターだけで少しずつ食べたい」と連絡があった。
宿に戻り、コインランドリーへ洗濯しに行った。洗剤の買い方がわからず困っていると、中にいたフランス人のカップルが買い方を教えてくれた。一見怖そうだったけど、やさしい。
洗濯している間、マレ地区のユニクロを見に行った。すごいカッコ良かった。もともと貴金属を精製する工場として使われていた場所だそうで、レンガ造りの大きな煙突が残されている。
マネキンのコーディネートも、心なしか日本よりもおしゃれに感じた。色彩感覚が良い?
でも値段は日本より遥かに高かった。たとえば「シームレスダウンジャケット」は2万6000円くらい(159.9ユーロ)して、日本の倍近い。衝撃だった。
衣類を乾燥機に移し替える。洗濯機5ユーロ、乾燥機16分2ユーロ、洗剤1ユーロで、計8ユーロかかった。
その間にスーパーで水、チーズ、ポテトチップスを買った。さっきチーズ屋さんに行ったからスーパーのチーズも試しに食べてみたいと思い、ゴーダチーズを2ユーロで買ってみた。多分、これも日本よりかなり安い。結構ボリュームあったけど、宿で食べ切った。これはこれで、普通においしい。
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