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「正解」を書かされた小学校の作文:反対意見を聞くのは大変だけど大事なこと

小学生のころ、作文が嫌いだった。
書くことがないのに作文用紙を埋めたから。
いや、正確には「自分の書きたいことを書けなかった」から。

ある日、運動会の感想文を書くことになった。
ただ、運動音痴で内気な私にとって運動会は最も苦手なイベント。

ビリで走り、観客から「がんばれー」と応援されるのが恥ずかしかった短距離走。
1位、2位、3位が旗の下で誇らしげにしてる横で、何もない砂場に座る屈辱感。
振り付けを覚えられず、同級生に馬鹿にされた全員参加の応援ダンス。

そんな気持ちから「運動会は何一つ楽しくない」と正直に書いたら見事に再提出。
どうやら子ども全員が「運動会は楽しい!」と思わなきゃダメらしい。
運動会が嫌いな私は居残りで「楽しい思い出」を創り出し、何とか提出した。

そんな経験から、ずっと作文が苦手と思い込んでいた。
幸いにして大学のレポートや会社の報告書を作成し続けることで、いつしか作文への苦手意識は無くなった。
それでも、先生が子どもに与える影響って大きいなと今も感じている。

大人になって分かる「反対意見」に耳を傾ける大変さ

上の人に意見を言ってくれるのがありがたい

話を現在に戻してみる。
今の私には部下が10人くらいいる。
上司の発言や態度が部下に与える影響は大きい。

もちろん、上司と部下は学校の先生と生徒とは異なる関係だ。
お互いに大人だし、部下の方が優れてる点はたくさんある。
(先生と生徒でも生徒が優れてるところもあるけど)

それでも上司の私の発言が部下に与える影響は無視できない。
だからこそ、部下から意見を聞くときの態度や反応には気をつけている。

特に部下から反対意見をもらったときは要注意。
多かれ少なかれ、自分の意見を否定されるとイヤなもの。
ただ、機嫌の悪さを言動に表したら部下はもう意見を上げてくれないだろう。

振り返ると当時の先生は私の作文が予想外だったのかもしれない。
運動会を運営した立場なのに「楽しくなかった」と書かれたら腹が立つのも当然かもしれない。
今、部下から反発されることもある立場になり、反対意見を聞く大変さがわかってきた。

とはいっても、立場的に優位な人が反対意見を押しつぶすと多様な意見は上がりにくくなる。
反対意見もまずは聞いてみる、その上で受け入れるかどうか判断する。
今でも修行中です。


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