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流星セレナーデ あとがき

 これで実に十一作目です。十一作も書いているとわかってくるのですが、小説には登場人物が必要で、登場人物にはキャラ付けが必要になります。あれこれ考えて作り上げていくのですが、これが結構手間ヒマかかります。それが楽しみである半面、そうそう新たなキャラ付けのタネが尽きてくるのと、キャラ付けのための長いエピソードが必要になります。

 結果的に連作になってしまっているのは、前作でキャラ付した登場人物を使い回す方がラクな点に尽きます。エピソードもそうで、新作のエピソードに前作のエピソードが絡ませる方が話に厚みをもたせやすくなります。舞台設定も同じで、天使のコトリの時に登場させたクレイエールを延々と使い回せる便利さがあります。

 今回の作品の位置づけは天使と女神の外伝であった氷姫の恋の続編的な位置にあり、見ようによっては女神伝説の続編的なものです。色合いとしては外伝的な要素が濃くて、天使のコトリの時に登場させた『天使』のルーツ編的なものです。

 女神伝説で天使とはエレギオンの女神としていますが、このエレギオンの女神がどこから生まれたかの解説編てなところでしょうか。これについても女神伝説第三部でユダが異星人説を出していましたので、これを思いっきり膨らましています。

 異星人説となるとSF仕立てになるのですが、念頭に置いたのはアシモフです。とくに銀河帝国の興亡を念頭に置いています。アシモフは多彩な作品を書いていますが、一つの流儀としてミステリー仕立てというのがあります。舞台が宇宙と言うだけで、推理劇が展開されるぐらいでしょうか。

 大きな危機が出現するのですが、これが大炎上するのでなく、収束して問題が解決してしまうぐらいの展開です。今回の作品の場合は、定番の宇宙人来襲は使いましたが、正面からのドンパチをやらせると、ユッキーにしろコトリにしろスーパーマンにしないと話が収まらなくなります。

 実はそういうストーリーの構想もあったのです。その辺があちこちに残滓のように残っているのですが、フィルこそアラがそのための小道具でした。作中でもコトリとアラは結ばれていますが、アラの真の姿を知ったコトリが命を懸けてこれを守り抜くみたいな展開です。この辺は何回か構想変更があり、今回の話に落ち着いています。

 最後に毎度のボヤキなんですが、今回はとくにそうで作中経過時間が実に二十年です。お蔭で連作の登場人物の高齢化が大問題になっています。せっかく女神伝説第四部で若返らせたコトリさえ寿命が近づいています。四女神のうちで最後に登場させたミサキでさえ六十二歳で、シオリや山本となると喜寿です。

 だから最後はああしたというか、ああせざるを得なくなったのですが、それでも次回作をどうするかは頭の痛いところです。これも構想だけはあるのですが、その構想で十二作目を書けるかどうかは、予定は未定であって決定でないとさせて頂きます。

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