Yosyan

趣味で小説を書いています。基本はシリーズ物なので順次公開していく予定です。

Yosyan

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マガジン

  • ツーリング日和

    コトリとユッキーが突然始めたバイク・ツーリング。そのために買ったバイクがなんと125CCの原付二種。非力ですし、高速を走れないデメリットをミサキは心配します。  それとあの二人ならいきなりのロング・ツーリングをやりかねないとミサキは見ていましたが、慎重にステップ・アップするのに逆に感心します。  あれこれとツーリングを重ねてた末に二人が目指したのが、しまなみ海道。楽しいツーリングを続ける二入の前にタチの悪い走り屋集団が現れます。  その場にたまたま居合わせたモトブロガーの杉田は、その走りを見て驚きを越えて呆れてしまいます。あまりにも常識外れの走りの謎をモトブロガー仲間の加藤と共に追いかけます。  ついにたどり着いたバイクの秘密は・・・

  • 運命の恋

    転勤族の一人っ子として育ち、余所者イジメの辛酸を舐め尽くし、さらには両親がW不倫で離婚し、親にも事実上見捨てられた氷室の恋と青春の物語です。

  • 恵梨香の幸せ

    康太と結ばれ結婚した恵梨香は幸せ一杯の新婚生活をスタートさせます。それは恵梨香にとって夢のような生活です。経済的にも余裕がありますし、旦那の康太も理解があるどころか積極的に新婚家庭を築き上げるのに協力してくれます。  なにより恵梨香が嬉しいのは間違いなく愛してくれている事。これは言葉にもしてくれますし、態度でも行動でも示してくれます。これ以上はない幸せを恵梨香は手に入れたと毎日感謝するぐらいです。  そんな恵梨香の唯一の不安は、あまりにも愛されていること。愛されることに不満などないはずですが、なぜか不安を感じてしまいます。そうなると恵梨香が気になるのが、どうして恵梨香が再婚相手に選ばれたかです。  そんな時に康太の学生時代を知る者と巡り合っていくようになります。そこには康太が恵梨香にさえ伏せていた物語があったのです。

  • 黄昏交差点

    平穏な結婚生活を送っていた康太の日常は突然崩れ去ります。それはよもやの妻の浮気。その現場に居合わせ離婚になります。親権も譲った康太はアラフォーで突然独身になってしまったのです。  結婚なんてコリゴリと思う一方で、はるか初恋の思い出が蘇ってきます。まだ人を恋し、愛することがなんであるかをよく知らなかった、甘酸っぱい青かった恋の思い出です。  それは懐かしむことは出来ても、二度と同じ時間を過ごせない相手です。ところが康太の離婚をキッカケにするように、あの時のあの時間が動き出します。

  • 謎のレポート

    戦略情報本部が探り出した一遍のレポート。出どころは怖ろしいほど強固なセキュリティに守られた新興教団の本部サーバーです。ですが内容はエロ小説なのか体験談なのか得体の知れないもの。  そこには死んだはずの死刑囚が助け出されるわ、その死刑囚がほぼ完全な性転換を受けるわ、さらにマゾ女奴隷に仕立てるために過激なほどに厳しく調教される様子が赤裸々に描かれています。  あまりの荒唐無稽さにコトリもユッキーも信憑性を疑いますが、シノブがある見方をすれば、これは女神の事件になりうる事を示唆します。  神が関与する可能性がある事件となれば話は変わります。そこから推理を重ねた末にたどり着いた先に知る真相とは。

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天使と女神シリーズ 登場人物紹介

 このシリーズは延々と長いので、主要登場人物だけ紹介しておきます。まず女神は不死ではありませんが、人としての寿命が尽きると他の人に意識と記憶を持って移り代わり、…

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 脱線してしまったが今の関心は謎のバイクで、その解明のカギになるロータリー・エンジンだ。ロータリー・エンジンで感心したのはメカニズムがシンプルな点だ。これはレシ…

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 オレは小さな頃からバイクが好きで、好きが昂じてレースにも出ている。まあプライベーターだが、それなりの成績ぐらいと思ってもらえば良い。あれは石鎚スカイラインに行…

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Yosyan
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天使と女神シリーズ 登場人物紹介

天使と女神シリーズ 登場人物紹介

 このシリーズは延々と長いので、主要登場人物だけ紹介しておきます。まず女神は不死ではありませんが、人としての寿命が尽きると他の人に意識と記憶を持って移り代わり、その記憶は5000年を遡ります。

 主女神:シオリ
 首座の女神:ユッキー
 次座の女神:コトリ
 三座の女神:ミサキ
 四座の女神:シノブ

 五人の女神のうち首座と次座の女神のみが5000年前からの記憶を持っています。女神の普段の生活

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ツーリング日和(第27話)ケニーロード

ツーリング日和(第27話)ケニーロード

 バリ伝で巨摩郡がフレディ・スペンサーになぞられ、ライバルのラルフ・アンダーソンがケニー・ロバーツになぞられたのは有名だ。

「ラルフのラッキーストライク・ヤマハの監督なんか、モロのケニー・ロバーツやからな」
「HRCの梅田も福井威夫だろう。こっちはそれほど有名人じゃないから忘れられてるが」

 脇役のライダーも実名がゴロゴロで、エディ・ローソン、ワイン・ガードナー、ランディ・マモラ、ロン・ハスラ

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ツーリング日和(第26話)バリ伝

ツーリング日和(第26話)バリ伝

 オレのユーチューブの番組はバイクがメインだが、バイクに関連していれば幅は広い。これは言い方が悪いな。狭い分野に特化していたのでは、いずれネタにつまり、飽きられるのがユーチューバーの側面でもある。

 そんな一環で過去の名ライダーや、名勝負の懐古特集もシリーズとしてやっている。基本は現在から過去に遡っていくスタイルだ。誰を取り上げ、どのレースをピックアップするかはオレの好みだ。

「杉田、ついにキ

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ツーリング日和(第25話)やりやがったな

ツーリング日和(第25話)やりやがったな

 エレギオンHDの肩書上の序列は、

 社長 → 副社長 → 専務 → 常務

 こうなっています。コトリ社長とユッキー副社長が代表取締役で、シノブ専務とミサキが取締役です。実は取締役もこの四人しかおらず、常務もミサキだけです。かつては取締役常務も複数おり、社外取締役もおられました。

 これが四人体制になったのはツバル戦の後です。あの時は大学院生であったユッキー副社長がコトリ社長の不在をカバーす

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ツーリング日和(第24話)旅行の計画

ツーリング日和(第24話)旅行の計画

「奥琵琶湖おもしろかったね」
「帰りに変なんがおったけど」

 キャンプ場から出てしばらくしたら、荷物をテンコモリ積んだ大型バイクが追い付いて来たんよ。そしたら後ろに付いたまま抜きよらへんねん。海津大崎回ってるうちはともかく高島のバイパスに入ってもや。

「あんなストーカーがホンマにおるんやな」
「仕方ないよ、わたしが可愛すぎるから」
「メット被っとるのにわかるかい」

 小浜まで付いてくるからガ

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ツーリング日和(第23話)加速力の謎

ツーリング日和(第23話)加速力の謎

 今日はオレの家で加藤とキャンプ番組のビデオ編集。だが話題は謎のバイクに。

「杉田、あのバイクやけどタダのバイクやない」

 当たり前だ。オレのバイクを振り切る化物だぞ、

「そうやねんけど、不思議過ぎると思わんか」

 加藤の疑問は素朴だが、あれだけの加速を出来るのが不思議でしようがないとした。

「超軽量でハイパワーだからあれだけの加速が出来るのはわかるけんど、なんで出来るんや」

 言われ

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ツーリング日和(第22話)男のキャンプ

ツーリング日和(第22話)男のキャンプ

 ユーチューバーで成功するカギは人気を集めること。当たり前だが、これが食べれるレベルとなると甘くない。番組の出来が悪くなればPVは伸びず、チャンネル登録者数も減り収入が落ちる。

 だから常に新しい企画を考えておく必要がある。もちろん人気を集めてるユーチューバーのトレンドのチェックも怠れない。これは他もやるから、ヒット企画があると一斉に飛びつく傾向がある。オレも他人のことを言えないがな。

 オレ

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ツーリング日和(第21話)幻のエンジン

ツーリング日和(第21話)幻のエンジン

 脱線してしまったが今の関心は謎のバイクで、その解明のカギになるロータリー・エンジンだ。ロータリー・エンジンで感心したのはメカニズムがシンプルな点だ。これはレシプロとは大違いだ。

 レシプロはピストンによる往復運動だから、クランク・シャフトがが上下運動を回転運動に変える。これに対しロータリーは、元が回転運動だからエキセントリック・シャフトを回すだけでレシプロのクランク・シャフトに較べる遥かに構造

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ツーリング日和(第20話)ロータリー哀歌

ツーリング日和(第20話)ロータリー哀歌

 松山に帰ってしばらくしてから加藤のところで話を聞いた。ガソリン・エンジンと言えばピストンが往復運動するレシプロ・エンジンが常識だが、かつてロータリー・エンジンなるものが存在していたそうだ。小型高出力の夢のエンジンとされたそうで、エンジンの模式図も見せてくれたが、

「繭型のハウジングの中を、おむすび型のローターがグルグル回るエンジンだ」
「なるほど。グルグル回るのがローターと言うからロータリー・

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ツーリング日和(第19話)謎のエンジン音

ツーリング日和(第19話)謎のエンジン音

 超が付くほどの軽量化と、この世に存在するとは思えない超小型の高出力エンジンだが、エンジンだけはかすかだが手がかりがある。加藤も言っていたが、

「なんかちゃうのやろな」

 そうだ、あれは普通のエンジン音ではない。エンジン音が違えば、普通のエンジンと何かが違うはずだ。それが謎のバイクのエンジンの秘密のはずだが、なんのエンジン音かは見当も付かなかった。

「ガス・タービン・エンジンじゃないものな」

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ツーリング日和(第18話)ありえない能力

ツーリング日和(第18話)ありえない能力

 オレはレーサーもやっているモト・ブロガーだから、ライディング・テクニックの番組も作っている。よくある質問として公道とサーキットでは走りの何が違うかはある。走りの基本は広い意味では同じだが、レベルが違うぐらいが説明になる。

 それと意外に思われるかもしれないが、高速道路よりサーキットの方が走りにくい。サーキットは高速を出しにくい構造になっている。たとえばストーレートだが、大昔は六キロなんて化物が

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ツーリング日和(第17話)取材

ツーリング日和(第17話)取材

 オレは松山市、加藤は東温市だから松山駅で落ち合った。広島大だが広島市にあるわけではない、元は七つの学校が統合されて新制広島大になっているが、散らばっていたキャンパスが東広島市に集められている。

 松山からなら御薗宇バイパスで今治に出てしまなみ海道を渡り、西瀬戸自動車道、山陽道で百六十キロぐらいで、ほとんど高速だから楽勝だ。西条ICを下りた時点で連絡を取りサイゼリアで落ち合うことになった。駐車場

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ツーリング日和(第16話)手がかり

ツーリング日和(第16話)手がかり

 オレだって仕事があるから、謎のバイクばかりを追いかけていられない。それでもヒマがあったらあの日の前後のSNSやブログを読んで回っていた。加藤だけじゃなく、モト・ブロガー仲間にも協力してもらっている。

 だが雲をつかむような話で、探しても、探しても見つからなかった。残念だが、たったこれだけの手がかりじゃ無理があったかとあきらめかけていた。そんな頃に加藤から連絡があった。

「これ怪しいぞ」

 

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ツーリング日和(第15話)幻を追って

ツーリング日和(第15話)幻を追って

 謎のバイクの特定だが手がかりが少ない。ビデオを何度も見直したがナンバープレートの文字や数字は読み取れなかった。情けない話だが追い抜かれた後も距離を詰めるなんて無理だったからだ。原付のナンバー・プレートは小さいしな。今日も加藤と一緒だが、

「土小屋テラスでも撮れてへんな」

 土小屋テラスの時はライダーの方を見てたからな。だがナンバー・プレートのデザインに特徴があり、神戸ナンバーであることだけは

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ツーリング日和(第14話)謎のバイク

ツーリング日和(第14話)謎のバイク

 オレは小さな頃からバイクが好きで、好きが昂じてレースにも出ている。まあプライベーターだが、それなりの成績ぐらいと思ってもらえば良い。あれは石鎚スカイラインに行った日のことだ。クルマがいない時を狙って早朝に出かけたのだが、

「杉田さん、おはようございます」
「またやってるのか。エエ加減にしておけよ」

 あいつらも懲りないやつらだ。鳥居を潜って、長尾尾根展望台まで走って休憩した。あそこで御来光の

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ツーリング日和(第13話)旅の終わり

ツーリング日和(第13話)旅の終わり

 コトリたちは執念深く温泉に入ってから宿を出たんよ。まず口の宮本社にお参りして、今度は石鎚山ロープーウェイがある下谷駅に走って行ったんや。そこから十分ぐらいで成就駅に到着。ここには中宮の成就社がある。

「役の行者が苦労したとこやな」
「やっと山頂を極めてここまで下りてきて、吾願い成就せりって叫んだから成就社なんだよね」

 ここまでは楽やねんけど、ここからが今日のメイン・イベントや。ここまで来た

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