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精霊と物理

ヨーロッパで、重力や慣性の法則が定式化する前の時代。手の石を離すと地面に落ちるのは、人間が家から離れても結局家に帰るように、そこが石の本来の場所だからと考えた。星とか空をクルクル回って説明がつかないものは、精霊(アニマ)の力だ。と説明した。物理法則を知らない子供の時、僕もやっぱりそう思っていた気がする。今は多少物理学を勉強したので、石が手から地面に落ちても精霊の存在を感じない。でも、大人でも物理の勉強しなかった人は、アニマが動かしてる。と思うのか?と考えたが、今まで会った人で重力を知らない人はいなかった。が、あえてその話を持ち出したこともなかったし、もっと野生的に過ごす文化圏であればそう思ってる人も沢山いるだろう。

芸術では数字で表せない感性や、アニマの存在を感じるようなことはよくある。コンサートで、時空が裂けたり、ブラックマターが現れて巨大化する。絵の周りの空間が歪んでるような、漫画で強いキャラの周りの空間が歪む表現はよくあるけれど、そういった表現が一般化してるのは対象は違えどやっぱりみんな感じていることなんだろう。

量子力学にはよくわからない、説明がつかないことがある。それをスピリチュアルに語られることがあるが、そういったことは特別な力を感じる何かの原因なんだろうか、今のところ説明できない物理的な力が働いているのだろうか?それがあの独特の力を生んでるんだろうか?

もしそういった感覚にも物理学のような、何かしらの力学が働いているのなら、ゆくゆくは設計出来るようになる。と想像したらなんだかすごく面白い未来が想像できた。コンサートに行けば、常に世紀の演奏が聴けて、設計されたように書けば世紀の名画が。そして空間の歪むような激しいオーラを放ちながら歩くおじさんが道を歩き、と想像したが設計出来てもやるのが人間だったら直線はひけない。じゃあ、やっぱり美しい揺らぎを作れる人が、芸術家なのか。でも揺らぎも機械が書けるようになるんじゃないか?揺らぎを作るのは精霊か。精霊も作れるようになるのか?と無駄なことを考えて夜は更けるのであった。そして最後に、精霊はいるのか?というと、いて欲しいなと思う。

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