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メタルのライブにいった話

僕たちはその日パンクのライブに行くつもりでイベントを検索していた。
実はその前の週もパンクのライブに行ったがベルリンでは人気らしく並んだ挙句に入れなかった。ということでリベンジだ。その日は10件ほどパンク系のイベントが開催されていた。
パンクって言っても幅広い。しかしパンクを聴きにいくってどういうことなんだ?と検索しながら ? が浮かんでた。
その晩は2件面白そうなイベントがあった。どちらもイベントの詳細がのっていない。ただ日付と場所だけ書かれていてあとは何も書かれていない。場所をみるとどうやらパンク系のライブハウスらしい。行こう。

黒くて長い人の群れ

ライブハウスは工業地帯にあった。ベルリンには10年住んでるがその駅に降り立つのは初めてだった。駅から大通りを歩いてライブハウスに着いた。
工場を改造したような場所で入り口に黒いカーテンがかかっていた。カーテンを開けて中に入ると、中にいる面子も黒い。髪も長い。そう。これはあれだ。絶対にメタル。パンクじゃないメタルだ。
実は僕は音楽は何でも楽しめるんだけど、メタルだけがどうも好きになれない音楽なんだ。前一緒にやってたバンドメンバーがメタルが好きで教えてもらったけどやっぱりどうも合わない。Animals as Leaders も上手いと思うけど不自然に断絶されたリズムが好きになれない。メタルは僕にとって人工的すぎる(僕の趣味、好みの話でメタルを大いにリスペクトしてるけど)。
でも価値観がひっくり返るのがライブ。ということでメタルの渦の中に飛び込んだ。

僕は会場の真ん中にいたのだけれど、ライブが始まるとみんなグルグル回り始める。僕は真ん中にいたので渦の中心にいた。前を見てるとヘッドバンキングをしながらグルグルと僕の前を通過するわけだ。この視覚的エフェクトは凄かった。その後ライブが激しくなるにつれ激しくぶつかる感じになり、ゴリラの中の日本猿状態だった僕は渦の外に出ることを余儀なくされた。
筋肉系メタル人の体つきはすごい。まさしくゴリラ。

気付いたけどメタルキッズには大きく分けて2種類いる。筋肉系メタル人とギーク黒眼鏡メタル人だ。プログラマーってメタル好きな人多い。メタルとプログラミング、テクノ。そういえば会場にいる人 Aphex Twin みたいな風貌の人多かった。Aphex Twin って根本はメタルの精神な気がする。

一曲が終わると会場から『faster!!  Schneller!! (もっと速く!)』という声が上がった。もっと速く、より良く、より強く。
どこに向かってるんだ。

華麗なヘッドバンキング

獅子舞のようなヘッドバンキングを見れたことも嬉しかった。

メタル。そのシーンを含めて楽しい夜であった。知らない扉はいつも楽しい。


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