絵画の線は音楽でのメロディーと思う

今、僕は今度のコンサートに向け電子音楽の制作をしている。

大雑把なコンセプトは Paul Klee の絵画を元に音楽の制作をするつもりで、今そのためにクレーの絵を見たり、カンディンスキーの『点と線から面へ』を読んだり色々考えている。しかも電子音楽で制作するなら楽器では不可能なことをやりたいし、しっかりとコンポジションもしたいので Max/MSP の勉強を始めたが、なかなかそちらも手こずっている。といってもそこまで複雑なプログラムは必要としていないのだけれど、それでも最初は大変だ。

僕はクレーの絵から電子音楽を作ると言っているが、逆にクレーは音楽の理解が深く彼の絵画からは確かに音楽性が感じられる。また実際、「ポリフォニー」や「赤のフーガ」といった音楽用語が用いられているものもある。


"Polyphony"「ポリフォニー」
1932年|キャンバス テンペラ|66.5 x 106 cm|バーゼル市立美術館蔵|Basler Kunstmuseum

そして本題の話だけれど、例えば上の絵「ポリフォニー」にはメロディーは無くて、全体的な音の色合い、響きなどが聴こえる。

そして下の絵は同じく抽象画だけれど、メロディーがある(とおもう)。図形楽譜なんてあるけど、線が書いてあったら演奏者はほぼメロディーというか、線の動きを弾く、まず和音を弾こうとは思わない。なので線はメロディーと言うのは、すごく当たり前のこと。

Paul Klee, This Star Teaches Bending

, 1940, 344, coloured paste on paper on cardboard, 37,8 x 41,3 cm, Zentrum Paul Klee, Bern, Donation Livia Klee  https://www.zpk.org/

和音は情景を写す程度に留まるけど(上のポリフォニーは和音でのボンヤリとした構図)、メロディーや点の響き、区切りのある図形は構図をはっきりと決める力がある。

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