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企業研究『Skillz(ゲーム開発プラットフォーム)』

決算書から企業の強みや市場の可能性を読み解き、自分なりの仮説をもって事業の動向をとらえられるようになるのを目指して、お気に入りの動画等から学んだ「決算書のポイント」を「おすすめのコンテンツ」と共にまとめたノートです。決算書の勘どころをつかめるようになりたいという方に役立つ内容です。今後の決算でも加筆する予定です。
※今回は米国のS-1(日本の上場目論見書/有価証券報告書)に基づく内容

1.企業の強み

Skillzの業界における特長
◆他社との差別化
・eスポーツに特化したスマホゲームのプラットフォーム
 現状はパズルやカードゲームなどカジュアルゲームが中心
・ゲーム大会の収益がデベロッパーとユーザー双方にメリットを生む
 従来はアプリ内広告やアプリ内課金が収益源
 デベロッパー:自分のゲームのトーナメントやリーグ戦を開催する
 ユーザー:ゲームの大会に参加して賞金やゲーム内通貨を稼ぐ
◆事業の成長性
 売上は$162.4M(Q3までの累計)、YoY+91%(ほぼ倍)
 営業利益が-$56M(赤字)
 成長のスピードが速い
◆ビジネスモデルの特徴
 ゲーマーから受け取る大会参加費の合計がGMV(流通取引総額)で、そのうち14%を手数料として徴収(テイクレート14%)
・2人のゲーマーがそれぞれ60円ずつ支払って大会に参加
・その120円分(取扱高)のうち104円が開発者への支払いや賞金
・残りの16円がSkillzへの手数料(売上として計上)
・その16円(売上)から決済手数料等を引いた15円が売上総利益
・その15円(売上総利益)のうち11円が営業費用
・残り4円が利益(売上の25%)

2.市場の可能性

Skillzの業界を取巻く環境と市場の可能性
◆バーチャルのイベント
 コロナ禍でリアルのイベント開催が難しい
 バーチャルにシフトせざるを得ない企業と提携の可能性が広がる
◆スポーツの大会
 賞金や賞品が魅力的であればユーザーが集まる
 賭博や不祥事が起こらないようにするのが大事
◆今後の注目ポイント
 日本を含むアジアへの海外展開(アジア圏のゲーム市場は大きい)
 知名度があるブランドとの提携

3.数字を読む着眼点

他の決算書でも使える数字のとらえ方
◆売上総利益率は95%
 ベンチマーク企業のグロースマージンは45%~70%なので、95%は高い
 粗利が高いのはAppleとGoogleを経由せずにユーザー獲得しているから
◆テイクレートが14%
 物を売り買いするコマースと比べると14%は高い
 原価のないデジタルコンテンツとして見ると14%は高くない
 ロングタームでは20%まで引き上げるのが目標
◆時価総額が$14.7B
 売上が$225M(2020年通期の予測)なので、PSR(株価売上高倍率:時価総額÷売上高)は65.4倍、相対的に高い

4.上場目論見書

米国のS-1(日本の上場目論見書/有価証券報告書)https://sec.report/Document/0001104659-21-016167/tm211844-1_s1.htm

5.おすすめコンテンツ

(1)決算解説

決算書のポイントを理解するならコレ、おすすめの動画「シバタナオキの決算実況」と文字起こし記事「決算が読めるようになるノート」です。

(2)指標

指標の意味を確認するために活用したサイト

6.関連する記事

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