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#251 中村 文子、ボブ・パイク『オンライン研修ハンドブック』④参加者間のレベル差への対応、オンライン研修を効果的に行うための重要な三つの法則

オンライン研修における参加者間のレベル差への対応


非同期型の学びを活用することで、参加者のレベル差に対応できます。非同期型の学びでは、参加者一人ひとりが自分のペースで学習を進めることができるため、知識やスキルの習得度に差がある場合でも、それぞれのレベルに合わせて学習を進めることができます。

例えば、事前に提供される動画教材やオンラインテキストを使って、参加者は自分のペースで繰り返し学習したり、自分のレベルに合った箇所を集中的に学習したりすることが可能です。

この非同期型の学びを研修前に取り入れることで、参加者間のレベル差を埋めることができます。

非同期型と同期型の組み合わせ

研修全体のプロセスをデザインする際に、非同期型の学びと同期型の学び(オンライン研修)を組み合わせることで、参加者全員が同じレベルの理解度を持って研修に参加できるようになり、研修の効果を高めることができます。

オンライン研修を効果的に行うための重要な三つの法則


1. 人は自分が口にしたことは受け入れやすい

  研修で講師が一方的に「○○しましょう」「△△をしてはいけません」と伝えるよりも、参加者が自分の考えや意見を自分の言葉で話せるようにすることで、実践につながりやすくなります。
・例: コンプライアンス研修で、よくあるケースを提示し、参加者にどう行動すべきか、それはなぜかを考えさせてから、講師が重要なポイントを強調したり、不足している視点を補ったりすると効果的です。

2. 習得はいかに楽しく学ぶかに比例する

笑いやポジティブな感情は、学習内容を長期記憶に定着させやすくします。オンライン研修では、ユーモアやゲーム感覚を取り入れて、楽しく学べる工夫が大切です。
・オンライン研修は、パソコンやスマートフォンなど、「内職」の誘惑が多い環境で行われることが多いため、楽しくないと参加者の集中力が途切れてしまいます。

3.人は自分に関係があることしか記憶に残らない

研修で重要なのは、知識やスキルの習得だけでなく、研修後に参加者の行動がどう変わるかです。参加者の行動変容を目的とした研修をデザインするために、事前学習、同期学習(研修)、事後学習を組み合わせた学習プロセスを設計することが重要です。
・オンライン研修は、対面での研修よりも、効率を高めて短時間に凝縮してデザインすることが多いため、実践的な内容に絞り込む必要があります。
・情報量の多い研修の場合、重要な項目に絞って進行し、補足情報や参考資料はワークブックに掲載したり、参考になる図書やウェブサイトなどを紹介したりする工夫が考えられます。

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