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#252 中村 文子、ボブ・パイク『オンライン研修ハンドブック』⑤「90/20/4 の法則」と「EATによる研修デザイン」の活用方法

効果的なオンライン研修をデザインするための「90/20/4 の法則」と「EATによる研修デザイン」の活用方法

オンライン研修をデザインする際には、参加者の集中力を維持し、学習効果を高めるために、「90/20/4 の法則」「EATによる研修デザイン」を活用することが重要です。

「90/20/4 の法則」は、研修の時間配分に関する法則です。 オンライン研修では、対面式の研修よりも参加者の集中力が途切れやすいため、この法則に基づいて、以下の3点を意識して研修をデザインします。

  • 90分ルール: 90分以上研修を行う場合は、少なくとも90分に一度は休憩時間を設ける。

  • 20分ルール: 研修内容を意味のあるまとまりに区切り、その1つひとつを20分にする。 20分が経過したら、次のコンテンツに進む前に、「リビジット」(復習)の時間を設ける。

  • 4 分ルール: 20分のコンテンツ内では、4分講義をしたら、何かしら参加者を巻き込む活動を行う。

「EATによる研修デザイン」は、研修の内容を「経験 (Experience) →気づき (Awareness) →理論 (Theory) 」の順番で構成していくことです。 この方法を採用することで、参加者は自身の経験に基づいて理論を学ぶことができ、理解度や納得度が高まります。 オンライン研修では、2つのパターンでデザインできます。

  1. 「過去の経験や知識を活用したデザイン」: 参加者が研修前に持っている知識や経験を活用する。

  2. 「研修の場で実際に体験してもらうデザイン」: 研修の中で、ロールプレイングなどの疑似体験を通じて学んでもらう。

これらの法則やデザイン手法を組み合わせることで、参加者にとってより効果的なオンライン研修をデザインできます。具体的には、以下の手順でデザインします。

  1. 研修の目的を設定する: 誰に対して、どのようなスキルを習得させたいのかを明確にする。

  2. EATの構成に沿って、研修のコンテンツを設計する: 経験、気づき、理論の順番で、どのような内容を盛り込むかを検討する。

  3. 「90/20/4 の法則」に基づいて、時間配分を決める: 休憩時間やリビジットの時間を考慮しながら、20分単位でコンテンツを区切っていく。

  4. 参加者を巻き込むアクティビティを盛り込む: 4分ごとに、質問を投げかけたり、チャット機能を活用したりするなど、参加者が受け身にならないような工夫をする。

  5. 使用するツールや資料を準備する: チャット、投票機能、画面共有など、研修で使用するツールを決定し、事前に動作確認を行う。

  6. リハーサルを実施する: 特に大人数で研修を行う場合は、事前にリハーサルを行い、機材トラブルなどを防ぐ。

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