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新規事業の成功確率をどう上げるか。その秘訣は、大企業にはできない!?当たり前の積み重ね。

新規事業が失敗する理由

1000に3つとも言われる新規事業の成功確率。新規事業が失敗する一般的な理由を5つ挙げてみました。

・タイミングを逃してしまう
・情熱を維持できない
・準備の不足
・経験の不足
・資金の不足

経験者ならどれもうなづけるものでは無いでしょうか。皆さんはどこでつまづきましたか?

理由には理由がある

 少し深堀りすると、5つ中5つとも「時間」が関係しています。

・タイミングを逃してしまう(旬の期間-事業開発時間)
・情熱を維持できない(当初の情熱-事業開発時間)
・準備の不足(時間が足りない、会社が待ってくれない)
・経験の不足(ノウハウをためる時間が足りない、大企業の過信)
・資金の不足(資金調達力-人件費×時間)

 なぜ時間がかかるのでしょうか?実はどの大企業でも新規事業担当部署は少人数なもの。1つのサービスを作るのによくて2.3人、悪いと1人でいくつもの担当をしています。(ちなみに筆者は複数担当するのを勧めています)
 
しかし人数は少なくても、必要な合意形成は大企業そのもの。大規模な市場調査やアンケート調査、資料をロジカルにまとめて綺麗なパワポを作り、エビデンスを揃え、何人もの役員やキーマンと調整していないと稟議は通りません。

社内稟議の文言やドキュメント作成、顧客が一社でもつけばその対応、ホームページを作成し・・・と忙しいのに対し、実績が出るまでは時間がかかるので評価をされていない人も多いのです。

時間がかかり最初の頃は潤沢だった広告宣伝費が縮小になると比例してビジネスはシュリンクしてしまうのです。せっかくついたノウハウも担当者について回るのでモチベーション低下はサービスの質の低下、事業ドロップにすぐにつながるのです。


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時間短縮が命題。事業開発で「やらないこと」の掛け算が格段にスピードアップを生む。

STEP1
 思いっきりスタートダッシュを決めましょう。事業開発初期では市場調査はやらない。アンケートもやらない。
(ちなみにアンケートでいくら購入意欲を確認しても本当に売れるとは限りません。むしろ売れるんじゃ無いか?と間違った認識を生む原因になるうえ、時間もかかります。)

どうしてもエビデンスが必要な時はレッドオーシャンの「当たり前市場」のデータを使って。コスト0で競合に3ヶ月のリーチができると思っていいでしょう。

STEP2
 プロトタイプを作って目の前の1人が喜んでいるか?を大切にスモールビジネスを狙いましょう。大勢に向けたインタビューや体験会、アンケート調査はここでも「やらないこと」です。

周りから聞こえてくる、「それ、他に似たサービスあるよね?」は軽くかわしておきましょう。少数の顧客に密着し、ここに全ての時間と頭を使います。そしてプロトタイプでは「イイね」じゃなく「お金をいただけるか?」を検証するのが必須です。 

今のユーザーはすぐにネットなどで競合を調査し比較して決めますし、ウェブサイトや製品のちょっとした表現の違い、体験の違いで離脱します。「イイね」を沢山集めただけで事業化を勧めた場合「なぜか売れない」「アンケートではイイ評価だったのに」と結局このステップに戻ってくることになります。また、対価をいただくことがメンバーのモチベーションにつながるでしょう。
 
必ず自分で顧客に密着し、競合も、お客様自身もが気づいてない「マネタイズポイント」や「リピーターになるコツ」や「サービスとは別のマネタイズポイント」などを如何にノウハウを獲得するか、サービスに組み混んでおくか。ここでは手戻りを防ぐことでスピードアップし競合にリーチを作ります。

STEP3
 少数の顧客ができたら、セグメントとターゲットを決めます。ここでも大きな市場を狙うのは禁止。なるべく小さく ターゲティングしその中での「市場占有率」を高く狙いましょう。何度も書きますが大事なのは「大きさ」じゃなく「%」です。

 なぜかと言うと、例えば1000個商品を作る能力があり市場規模10万人<全国向けマーケット>で売った場合は最大に売れたとしてシェア1%です。また様々なエリアの要求を満たす商品開発は難しく、よっぽど広告をしないと次の年も1000個が限界でしょう。
 
ですが、市場規模5000人の<○○県限定マーケット>に商品をカスタマイズして1000個売った場合はどうでしょうか?マーケットシェアは20%です。これくらいになると、「あの人もあの人も買ってるらしい」と口コミを生み「私も試してみよう」となります。広告費0で口コミが発生し、さらにシェアが上がるのです。

さらにスピードアップするには意思決定とアクションの高速回転を「チーム」でできるか、にかかっています。

おまけ1.ここは大企業のテクニックを拝借

人に伝えることには手を抜かない。でも時間をかけたくないですよね。
テンプレートは世の中に転がっています。自分のパターンのフレームワークを見つけ、操って提案しリソースを獲得しよう。ポイントは決めたフレームワーク以外使わないと言うことです。

私の会社では新規事業のテンプレートは最初から最後まで決めていて、プロジェクトチーム会議ではテンプレートを使って実際のサービスをモデルにしたワークショップをひたすらやり続けています。


スケールアップは後からできる

そんなニッチなビジネスは夢がないでしょうか?

このやり方ではウイルスのように柔軟にサービスを変異させながら、マーケットを獲得していく科学的アプローチをとることができます。
 
 広告費0で口コミが発生し、さらにシェアが上がると、隣や同じ商圏の県業種など「隣市場」に広げるのが容易になります。そのためにどの市場を優先するか?を決めるのが重要なポイントです。他の市場に影響力のあるセグメントを特定し拡大に合わせて少しずつ「隣の市場」でも常にシェア1位を目ざすことが大切です。こうしてニッチ特性に合わせたサービス開発をしていくことで、計画的にスケールアップがやりやすくなります。

スケール戦略については別の機会で書きたいと思います。

本当にできるのか?

やらないことをいくつも書きましたが、あなたの会社ではできそうでしょうか?そうは言っても。。。と言う方も多いかもしれませんね。
 しかし、それでも「やりぬく覚悟」「ブレない勇気」が必要です。
リーダーの情熱、チームメンバーの役割などさらに成功確率を上げるチームビルディングについては別の機会に書きたいと思います。

長文に付き合ってくださりありがとうございました!




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