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「型」、「フレームワーク」、「テンプレート」

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

これまで、GISOVという型をお伝えしてきましたが、それはフレームワークやテンプレートと何が違うのか?という疑問に対してお答えしていきます。

「フレームワーク」・「テンプレート」は先人の知恵

私は、自著にて野村総研で学んだ「GISOV」のことをあえて「型」と呼びました。

「フレームワーク」「テンプレート」といった一般的に使われている表現を避けました。「GISOV」は、流れ作業的に仕事が楽になるという単純なものではなく、活用することを通じて「仕事の本質」を徐々に学ぶことができ、自らが成長できるものと考えているからです。

かといって、私は「フレームワーク」「テンプレート」を否定しません。

むしろ、上質のものがあれば、どんどん使うべきだと思っています。いったん、仕事の例を外して、たとえば数学の方程式を考えてみましょう。二次方程式を解くためには、

・因数分解をする
・だめなら、解の公式を使う

といった解くための枠組み、すなわち「フレームワーク」があります。

因数分解のパターンや「解の公式」を知っていて使い慣れていると、早く解にたどり着くことができます。こうした情報をなしに問題を解こうとしても、時間がかかります。計算を間違う確率も上がるでしょう。

つまり、因数分解という「フレームワーク」を知っていることで、効率がはるかによくなるわけです。これは、いわば先人の知恵です。

先人の知恵とは、たくさんの人が長年かけて見つけ出した、いちばん効率のよい解決方法です。ある問題が起きたときに、「これはあれを活用すればすぐに答えが出るな」と気がついたのなら、迷わず先人の知恵を使うべきです。早くてムダがないからです。少なくとも仕事や日常の生活において、「車輪の再発明」をする必要はまずないでしょう。

ビジネスにおける「フレームワーク」といえば、たとえば「SWOT分析」や「3C分析」などが有名です。情報を分析して、何らかの方向性を見出すための「フレームワーク」がすでにあるのですから、使わない手はありません。また、多くの会社では、資料作成用のパワーポイント、エクセルの定型フォーマットを共有しています。必要な情報を埋めていけば完成する、すでにデザインされた「テンプレート」です。

それらの「テンプレート」は、先人・先輩たちが試行錯誤の末に磨き上げたもの。「こういう見せ方の資料がわかりやすい」という結果なのです。それは大いに使うべきです。

型を繰り返すことで基礎が固まる

「フレームワーク」「テンプレート」の特徴は、誰が使っても一定のものができる、ということです。見栄えのいい資料作成や、初歩的な市場分析であれば、作業が効率化できます。また、品質も保証されています。
先ほど少し触れましたが、私は「フレームワーク」「テンプレート」と「型」は、少し意味が違うと考えています。

たとえば先ほど例に挙げた二次方程式の解法。因数分解の「フレームワーク」を使いこなせば、早く、確実に解を求められるでしょう。しかし、それだけでは二次方程式そのものの本質をつかむことはできません。

解の求め方だけではなく、グラフ化してみたり、文章題を解いたりすることを繰り返すうちに、ようやく「ああ、こういうことか」と関数を理解することに繋がるのです。

仕事においても同様です。「フレームワーク」「テンプレート」はあくまでもツールにすぎません。確かに便利なのですが、それだけで、付加価値の高い仕事が出来るとは限りません。

提案がまさにそうです。「フレームワーク」に事例をあてはめただけの提案なら、「誰でも」できます。「フレームワーク」とはそういうものです。

しかし、「誰でも」できるような提案に価値はあるのでしょうか。そのレベルの提案なら、誰かがすでにやっているはずでしょう。

一方、フレームワークを通じて、「意味合い」を抽出していく過程には経験や熟練度の違いが大きく表れるでしょう。その人が、その付加価値を生み出していく過程の基本パターンこそが「型」とも言えるでしょう。

よい提案をすることは、仕事の本質に近づくということです。そこには個人の成長も含まれています。私が「GISOV」を「フレームワーク」ではなく「型」と呼ぶのは、そこに違いがあるからです。

出展:どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」

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