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キャリアにおけるゴール設定

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

いまは、転職などを考え始めている方向けに、
「ずらし転職」(ワニブックス)
から、実践できる内容をピックアップし、お届けしてまいります。

キャリアを重ねていく過程での検討・検証方法として、野村総研で学んだ仕事の型である、GISOV(ゴール、イシュー、ソリューション、オペレーション、バリューの略称。これらを一気通貫で考え、行動することが大事)をお伝えしてきました。

今回からはGISOVの各要素の説明と、キャリアにおける活用の仕方をお伝えしていきます。

仕事においてもゴールの確認は欠けがち

意外と、本当にゴールはそこでいいのかという視点が抜けがちです。

世間でよくいわれている、「2つ上の役職の視点で物事を考えよう」という考え方は実際とても大切です。課長が困っていることをサポートしたときに、課長からするとありがたいことだが、部長からしてみると「そもそも、それではなくて……」と思っていたりすることがあったりします。部長の視点で考えて「課長、この仕事をしておいたので、部長に渡しておいてください」といったとき、部長もうれしい気持ちになりますよね。

仕事を始める時点から課長と共に部長の期待に応えることを一緒に考えたいと伝えたら課長の活躍にも貢献することになり、すると上司ではなく、一緒に目標を達成する〝戦友〟となります。

一歩引いて、一体何に本当に困っているのかというゴールの設定をし直
すのは大事です。ただいわれたことだけをやっていても、なんの変化も生まれません。ゴールの設定を見直すということは、次の節でお話しする「解決策」とも連動してきます。

ゴール設定の見直しをすることで、
「10日かかると想定していたが、3日でできる」
となることもあるからです。

すると、浮いた時間で色々なことができるので、よい影響をもたらします。

かつてソーシャルゲーム企業で、組織のカスタマーサポートセンターを外部移管したプロジェクトがありました。

外部企業への移管の理由のひとつに当然コスト削減という目的があります。しかし、コストを主眼に置きすぎると、「外注をいかに買いたたくか」「どこが安いか」という検討の方向性になりがちです。

ですが、本当に大切なのは、カスタマーサポートセンターがその先のお客さまに対して、「丁寧な対応をしてくれてありがとう」といわれるような対応をしてくれるかどうかです。

問合せの品質やスピードが上がり、結果として問合せの往復数が減ったり、満足度が上がり商品がさらに売れたりすれば、相対的にコストは下がっていきます。つまり、結果としてコストは安くなればよいのです。

なので、私は外部企業を選定するときに、相手側に無理な値下げを要求するのではなく、とにかく丁寧に、必要な情報は全部開示するという選択をとりました。

すると、担当者が積極的にがんばってくれるようになり、ただの値下げではなく投資対効果がよくなる提案をしてくれました。「とにかく安いところを選んだ結果、後々トラブルになった」ということもなく、外部企業にうまく任せることが出来たのです。

キャリアにおけるゴール設定の重要性

仕事においてはもちろんのこと、キャリアにおいてもゴールをある程度固めておかないと、何が課題になるのかわからなくなることがあります。

しかし、「30年後に○○領域のマーケティングをしたい」といっても、そのころには時代遅れの化石になっている可能性もあります。そのため、数十年後の目標に固執するのではなく「新しいことに挑戦し続ける」人生の在り方がよいでしょう。

一方で、たとえば、「3年でどこまでいく」といったゴール設定はとてもよいと思います。

そういった明確なゴール設定は、キャリアにおける掛け算の要素の数字が1になるのか、0・8になるのか、0・2になるのかという点にかかわってくる重要なポイントです。掛け算の要素を高めるという点では、「自分で目標を立てた」ということも重要です。

他人からいわれたからやる仕事と、自分からのめりこんでやる仕事では、結果が大きく変わってきます。

リクルートやサイバーエージェントでは、若い人たちが活躍している会社では、本人たちが、「何年で執行役員になる」「何年で独立する」といったことを決めている方たちがゴロゴロといます。

だからこそ、その時期はさらにがむしゃらにがんばって集中できて、そこで突き抜けて結果を残せるのです。

3年後の目標(ゴール)を決める

「3年後」というのは近すぎるように思うかもしれませんが、目標としてはちょうどよいラインだと思います。

5年となると、意外と世の中が大きく変わっていたりします。多くの人が、5年前にここまでユーチューバーが大量に登場していることや、シェアリングサービスがここまで使われるとは想像がつかなかったでしょう。

「次のトレンド」が見えてくるのが、感覚的に3年に1度くらいと思われ、新たな時代の変化も見据えながら、新しい波に乗っていくには、つまり3年が丁度よいのです。

ただ一方で、3年後の目標を設定したうえでの課題の乗りこえ方は、仕事によって違ってきます。

一番考えてもらいたいのは、そのゴールを達成しようと思ったときに、何が一番「壁」になるかということです。最大の壁から逆算して、解決策を考えていきます。

たとえば、「最初の3年で大手クライアント案件の実績を積みたい」という話になったとします。ただ、その会社では通常は3年目社員が大手クライアント案件に関わることは通例上なかったとします。

すると、一瞬超えられない壁のように思えます。そういったときは、意図的に小さなクライアントで仕事を受けて結果を残してから、大手を担当している営業の先輩に同行をお願いして、「共同提案」として大きなクライアントを任せてもらう、といったかたちをとることができます。

このように、正面突破するのではなくて、いかに脇道からスルスルッと抜きでるかを考えることも大事です。ただ、そのためにはいったん「壁」を設定しなければいけないので、ゴールの設定、課題の発見は重要なのです。

キャリア戦略は文字通り「いかに戦いを略するか」です。同期と同じ形で、同じやり方で、同じ物量でやっていても、なかなか花は開きません。

一方で、過去の同期や後輩を見ていて突き抜ける人材は、ある特徴があります。先ほどの戦略の話と一見矛盾するように思えますが、自分の得意技になるまで、ある領域を徹底的に反復して繰り返して磨き続け、圧倒的な成長を遂げています。掛け算の話にも通じますが、ほかの人よりも早く1・0を超えることで、掛け算効果が早く生まれ、同期や少し上の先輩では「勝負にならない」という状態をつくる人もいます。

どのやり方が正解ということはないので、過去の「壁を突破した経験」から自身の行動の特徴を人の協力も仰ぎながら抽出していき、自分が向くスタイルを選択するのが良いと思います。

出展:ずらし転職(ワニブックス)

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