長下肢装具から短下肢装具へのカットダウンってどうやって判断するのか?2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/31/4/31_248/_pdf/-char/ja
カットダウンの明確な基準はないとしましたが、研究によって段々とわかってきたこともあります。
今回の論文では、
急性期片麻痺患者でAFOを使用して20m以上歩ける14名を対象としています。カットダウンの基準としては、著名な膝折れや反張膝がみられない今後AFOでの歩行が可能と思われる者としています。
14名を2群に分けて検討しています。
①AFOを使用する群
②KAFOを使用する群
理学療法士による20分のリハビリテーションの前後の変化をそれぞれで比較しています。
結果としては
KAFOを使用する群において、
・麻痺側最大荷重量
・歩行速度
・歩幅
が訓練後に増加したとしています。
また、AFO群では訓練前後で有意差は認めなかったとしています。
KAFO群で改善したことの考察として
・膝を固定することで自由度が低下し麻痺側への荷重がしやすくなった。
・麻痺側に荷重をかけることが容易になったため、歩幅増加につながった。
・膝を固定することで、重心が上がりやすくなり、倒立振子運動が機能しやくすなった。
などを改善の理由としてあげています。
今回の研究の限界として、比較はあくまでも即時的効果なので、単純にAFOでの訓練が悪いと言えない。また、効果がいつまで続くのかはなどはまだわからないとしています。
今回の論文から、カットダウンが可能な時期になったとしても、安易にAFOにしてしまうことは注意をしなければならないと思います。
歩容を適時確認しながら適切なタイミングを見極めていきたいですね。
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