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「うまい、やすい、はやい」なSaaS x Fintech企業でありたい。

タイトルを見て、「マネーフォワードは牛丼屋でも始めるのか?」と驚かせてしまったとしたら、すみません。
牛丼ではなく、ITサービスづくりの話です。

今回は、僕たちのサービスの現在地と未来について話をしたいと思っています。

4月の2022年11月期の1Q決算で、下記内容を発表させていただきました。

売上高は43%成長、特にBusinessドメインの法人向けARRは+46%、法人のお客様数は前年同期比で31.3%増と大きく伸ばすことができました。

また、主力プロダクトの一つである『マネーフォワード クラウド』の導入企業様も、スタートアップから中堅、大企業までより裾野を広げることができました

個人的に非常に感慨深く嬉しかったのは、ここ1〜2年で大規模会計事務所様への導入が加速したことです。

辻・本郷 税理士法人様、税理士法人TOTAL様、ベンチャーサポート税理士法人様といった、従業員数1,000人以上、2,000社以上の顧客を抱える、日本を代表する大規模事務所様が大きく導入を決めてくださったことは、日本全国の中小企業のバックオフィスをアップデートする上で、とてもインパクトの大きい取り組みだと思っています。

創業期から何度も何度も訪問させていただき、課題感やニーズをお伺いしながら、地道にコツコツとサービスを向上させて、という愚直な繰り返しを11年間続けてきました。

最初は、機能もまだまだ十分でなく、また「クラウドってちょっと怖いよ。。」というご意見が多かったのですが、世の中全体のクラウド化がどんどん進み、会計事務所様が新規顧客を開拓する上でもクラウド会計への対応は不可欠となってきたなあと感じています。インボイス制度対応も、システム無しでは、大変な労力がかかってしまいます。

まだまだ課題は多くありますが、会計事務所様のような、会計のプロフェッショナルの方々に安心して使っていただける複式簿記の形式にこだわりながら地道に開発を続け、サービスレベルをあげてきたことが、プロの方にも徐々にご評価いただけてきていることに繋がっていると思います。

現在、Businessドメインの顧客数は26万以上。法人向けプロダクトの数は30を超えました。まだまだ途上ですが、ユーザーの裾野が広がり、ユーザー基盤も以前よりはだいぶ広がってきました。今後、さらにより良いサービスを開発し、届けていくことに注力していきます。

そして、ここからさらにプロダクトの提供価値を向上させていくための取り組みとして、「SaaS×Fintech」サービスの開発に注力していきたいと考えています。

具体的には、3つの方針を今回の決算で発表させていただきました。

1 SaaS顧客基盤を活かしたFintechサービス顧客基盤の拡大
2 Fintechサービス拡充と優位性の構築
3 SaaS×Fintechのデータ連携による、サービスレベル及びUX向上

 

「SaaS×Fintech」という言葉自体、業界用語なので、わかりづらいですが、
一言で言うと、「うまい、やすい、はやい」を実現したい、ということかなと思っています。

飲食業界のイノベーティブ企業、吉野家さんが確立したバリュー「うまい、やすい、はやい」を我々の業界にも展開し、個人や法人の方々の日々の生活をもっともっと便利に、効率よく、安くしていきたいと考えています。

まず、「SaaS×Fintech」サービスにおける「うまい」は、感覚的に使える、圧倒的に便利なUXの実現、利便性の向上です。

次に、「やすい」はサービス開発、運用に関わるコストを、デジタル化によってできるだけ削減、最小化することにより、ユーザーさんに提供する価格を大胆に抑えることを実現したいと考えています。

そして、最後の「はやい」は、データがリアルタイムで連携したり、クラウド上でいつでもどこでもアクセスすることが可能になるので、これまで確認まで1カ月かかっていた数字が瞬時に見ることができるし、次のアクションをすぐに取れるようにしていくこと。例えば、今まで数ステップもかかっていた支払い業務をクリック一つで完了できる。わざわざ出社しなくても、手元のスマホで数字を確認することができるようになるといったことです。

こうした「うまい、やすい、はやい」を「SaaS×Fintech」サービスで実現したいと考えています。

会計や請求書などの各種SaaSサービスとの連携により、新しい便利なFintechサービスの実現が可能となる未来をつくっていきたいと思っています。

「300万円の売上が立ったが、入金予定は2カ月先、というのが今までの商慣習。しかし、『マネーフォワード アーリーペイメント』を使えば、手数料を差し引いた295万円が“前払い”で数日後には入金される。このお金を使って、必要な資材を購入できて、ビジネスを早く進められた」

「創業間もないスタートアップで与信が心配だったが、『マネーフォワード ビジネスカード』のあと払い機能を使えば、『マネーフォワード クラウド会計』のデータから与信額が最短10秒で確定。最大5,000万円まで使えるから、顧客獲得への思い切った投資、マーケティング活動ができた」

こういった事例は現在すでに実現しています。

会社設立も、『マネーフォワード クラウド会社設立』サービスを使っていただくと、非常に簡単に、すぐにできるようになりました。正直、僕自身が創業当初に欲しかったサービスです。(会社設立のために、本を何冊も買い込んで、申請しては間違えて、、を繰り返した記憶が。。)

eコマースの世界ではすでに「当たり前」になっている、ワンクリックで決済が終わる利便性が、ビジネスの支払いや融資などでも実現すれば、企業活動のスピードは加速し、社会は大きく前に進むはず。まさに、僕たちが掲げている「Society Forward」の実現に一歩近づきます。

「SaaS」も「Fintech」も、僕たちが創業した11年前にはあまり聞かれなかった言葉です。

創業から10年以上、いろいろなサービス、事業という種をまいては基盤を広げ、杭を打って根を張ってきました。一つひとつ作ってきたパーツが、ようやく繋がっていて、便利な世界がもっとひろがっていく…そんな感覚に、今ワクワクしています。

こんなふうに書くと、まるで周到に計画していたみたいですが、実は全然そんなことはありません。

せっかく種をまいたのに、咲かなかった花は数知れずあります。「この仮説、いけるかな」「こっちは大丈夫そうだな」「でも、あっちは間違ったな」と、試行錯誤し、頭をぶつけながらも前に進み続けて、うまくいったものが、ようやく有機的につながり始めました。ただ、足りないパーツはまだまだ多くありますし、「SaaS×Fintech」によって実現可能なインパクトの1%もまだ実現できていないと焦ってもいます。

これから数年かけて取り組みたいと考えている新しい事業プランも温めているところです。詳しくはまだオープンにできませんが、 かつての「Fintech」と同じく、“まだ名前のない領域”かもしれません。

僕は、起業家として今はまだないサービスを作り、ユーザーに届けて喜んでいただくことに、最も喜びを感じるタイプだなあと改めて実感しています。

よりべんりに! よりやすく! よりはやく!

10年の種まきの期間を経て、これからよりいいサービス、社会を前に進むことができるようなサービスを作り、お届けすることができるのではないかとワクワクしています。

今までの10年より、これからの10年で成し遂げることのほうが遥かに社会にとって、前向きな大きなインパクトがあると思っています。ようやく本番を迎えようとするマネーフォワードを、引き続きご支援いただけると幸いです。

今晩は、「うまい、やすい、はやい」を肌で感じるために汁だく大盛りの牛丼を食べてきたいと思います!!

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