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長期入院してしまったフリーランス

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2019年夏、感染性心内膜炎で入院・手術をした記録です。
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#映像制作

長期入院してしまったフリーランス | #15 働き方、生き方

退院して12週間くらい経ちました。 うだるような暑さを冷房の効いた部屋からじっと眺めていたはずなのに、気づけば外もすっかり冷え込む季節になりました。 日常生活はなんの問題なく送れるようになり、手術からは3ヶ月以上が経過したので胸骨の心配もほぼなくなりました。比較的軽い仕事は徐々に再開しています。 動悸そんな先日、久しぶりにほぼ24時間通しの撮影現場に参加しました。徐々にそういった現場にも身体を慣らしていかないとという焦る気持ちがあり、正直に言うともう問題なくこなせるとだろ

長期入院してしまったフリーランス | #11 入院生活のしおり

入院してもう6週間が経とうとしています。25年の人生の中で住んだ期間の長さトップ5に病院がランクインしてしまいました。 ある日突然入院する、ということは誰にでも起こり得ます。そこで、突然の入院生活が始まっても困らないよう、必要なものや準備など参考になればと思い記しておきます。 入院に備えて今回病院を受診してそのまま強制入院となってしまいました。ほぼ手ぶらでした。仮に僕と同じ病気でなくとも、例えば事故に合えば同じような状況になると思います。必要なものは家族や友人に自分の部屋

長期入院してしまったフリーランス | #10 高額療養費制度

術後の経過も良好で、手術を行なった大学病院から家の近くの病院へと転院になりました。 というわけで一旦大学病院での会計を行なったわけですが、領収書と診療明細書をもらったので、興味本位で本来ならいくら治療費が掛かっていたかを計算してみました。 その額にして¥4,959,320。 心臓が止まっちゃうかと思いました。 が、ちゃんと健康保険や高額療養費制度などの救済措置があったので一安心です。今日も心臓は元気に動いてます。 まずは健康保険は言わずもがな、治療費3割負担となります。

長期入院してしまったフリーランス |#8 からだが動くということ

今日、入院以来初めて屋外の空気に触れることができました。 暑い暑いという話は聞いていましたが、こんなに暑いとは思いませんでした。ただ、ちゃんと夏を肌で感じることが出来てなんだかホットしました。hotだけに。すみません。 手術が終わってあっという間に10日ほど経過しました。この10日間での少しづつ身体の機能を取り戻す過程は、ある意味生まれ直しているような感覚も覚えました。 最初はベッドから動くことができず、声が出せるようになり、おかゆはご飯になり、体を起こせるようになり、立ち

長期入院してしまったフリーランス |#7 血液サラサラ

今日、体内に残っていたペースメーカーのワイヤーも抜き取ることができました。正確には引き抜ききれなかったので先端だけ切って1本体内に残ったままです。ワイヤーの先端は心臓についてるので、無理に引き抜くと傷つけてしまう恐れがあるとのことで、体内に残っていても特に問題ないそうです。医療ってすごい。 残っているのは腕に刺した点滴のみとなりました。 "感染性心内膜炎"の厄介な点で、心臓部の大きな菌の塊は切除しましたが、血液内にもまだ菌は残っているためそれを抗生剤で殺しきる必要がありま

長期入院してしまったフリーランス |#6 手術が終わって

こんばんは、スミです。 とりあえず心臓、ちゃんと動いてます。明日はジャンプの発売日なので手術から早いものでもう1週間が経過したようです。noteもちゃんと続きました。よかったよかった。 たくさんの方にご心配いただきました。ご報告が遅れて申し訳ありません。 この1週間、最初はベッドの上でもまともに動けなかったのに今ではある程度自由に歩き回っている自身の姿を見て、人間って強いなとひしひしと感じます。同時に、医師や看護師、病院スタッフの方々の働く姿を間近で見て、命を救うその格好よ

長期入院してしまったフリーランス | #3 生死を分ける歯磨き

急遽入院することとなったその診断名は、"感染性心内膜炎"でした。 心臓には血液の逆流を防ぐ弁がありますが、その弁に細菌がくっついて増殖し塊となり、血液を送り出すたびにひらひらと揺れている状態で、もしその細菌の塊がなんらかのきっかけで(あるいはきっかけがなくとも)血管内に飛んでしまった場合、脳梗塞や全身の塞栓症など重篤な合併症を引き起こしかねず、命に関わる非常に危険な状態、とのことでした。 正確な病状などについては以下のサイトをご参照ください。 この日病院に行かなければお

長期入院してしまったフリーランス | #2 病気の発覚

#1 は前書きのようなものでしたが、今回は病気が発覚するまでの経緯を。 まずは簡単に自己紹介をしますと僕は、福岡県は北九州出身の25歳、現在はフリーランスとして東京を拠点に映像制作の仕事に携わっています。 北九州のヒーロー・キタキュウマンのPVを撮ったり。北九州は決して危険な場所ではないです、はい。 主に撮影部としてカメラ周りのことをあれやこれややっています。 映像制作の仕事は比較的ハードで、早朝集合深夜解散も珍しくありません。また、現場では大抵お弁当などが支給される

長期入院してしまったフリーランス | #1 前書き

はじめまして。フリーランスで映像制作をやっている、スミと申します。 先週病院を受診したところ、心臓の病気が発覚し何の準備もなく突然の長期入院が始まりました。フリーランスなのに。数ヶ月無収入が決まりました。困った。 いざ入院してみると点滴と検査以外はひたすらベッドの上で、こんなに時間があるのも久しぶりです。仕事やら治療費やら、フリーランスという立場での長期入院はどうなっちゃうのか?また、"感染性心内膜炎”と診断されたこの病気はは珍しくも誰もがなりうるそうなので、今後ささやかで