自由と選択肢は負債だと気付いたのでダイエットした
6月7日(月)晴れ
いつの間にかTシャツだけで過ごせる季節になっていた。
去年古くなったTシャツをけっこう捨てたので、博多に買いにいった。
数年前から僕は黒のVネックしか着ていない。今回もユニクロで黒のVネックを買い足した。
僕のクローゼットには7着ほど、ほぼ同じ形状の黒Tが並んでおり、左端のものから着ていって、洗濯したものは右端に置いていく、工場のような単純作業の繰り返しである。
いわゆるミニマリストを意識しているわけでも、マーク・ザッカーバーグのように「仕事以外の決断の数を減らすため」というイケてる経営者的な自負もない。
率直にいえば選ぶことが苦しいのだ。
選択肢があると、どうしても考えてしまう。昔は白いTシャツも持っていたが、起きてから今日は白を着るべきか、黒を切るべきか、クローゼットの前で考えてしまう。服を見ながらいつまでも腕組みして立っている自分を自分で滑稽に思ったりもするが、どうしてもやめられない。
僕は考えることが好きだ。それは作品を作るような作業には向いていると我ながら思うが、逆にいえば考えすぎるクセが自分を不自由にさせ、取捨選択を素早く行うような作業が、人よりだいぶ不得手であることも自覚している。
ゆえに即決即断が迫られる仕事は避けること、そして今日着る服を決めるようなことに、無用な思考と労力をかけないよう選択肢を減らすことが、自分のQOL(Quality of Life)に大変重要なことに気付いた。
主体的に生きられる自由な世界は素晴らしい。しかし多すぎる選択肢は資産ではなく負債なんじゃないだろうか。そしてそのことを皆が気付き始めた結果、「ミニマリスト」や、「ときめき片付け」が世界中でウケているのではないか、なんて思ったりする。
モノを減らすことの本質は「選択肢ダイエット」だ。ダイエットは肉体のみならず、脳内を軽くすることも現代社会をよりよく生きるには必須のたしなみなのかもしれない。
そしてうまくダイエットできればこれだけ生きやすい時代もない。今回僕が買った黒Tは、ユニクロで3枚1500円。生活費もだいぶダイエットできて一石二鳥である。