見出し画像

サッカーは、勝点1から始まるゲームー「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」

サッカーのリーグ戦の試合は、勝ち点1ずつから始まるゲームである。
何を言ってるんだと思う方もいらっしゃるであろうから説明しよう。
単純である。
サッカーの試合は、必ず得点0-0からはじまる。つまり両チームが90分間ピッチ上に突っ立っていて何もしなくても、得点0−0で引き分け、両者勝ち点1、試合は終わる。

この観点から書かれた文章を洋の東西を問わず、私は読んだことがないので、「お小遣い1の仮説」として、ここに発表させていただく。まだ、熟成段階であるが。

子供に「好きに使っていいよ。」とお小遣いを渡したとする。子供はどうするであろうか。まず、考えられるのは、①それを使わないで貯めておく子である。次に考えられるのは、もちろんそれを使う子である。
使う子は、お菓子を買うかもしれないし、ポケモンカードを買うかもしれない。
ここで、ポケカを買った子を想定しよう。ポケカを買った子に、そのカードを持っているか、レアカードなのか聞いてみる。②レアカードでそれを持っていなければ、その子のお買い物は成功したことになる。③既に持っているカードであれば、その子のお買い物は失敗したことになる。

それでは、ここでお小遣いをもらうことによる彼らの利得を計算してみよう(厳密には、人それぞれに効用があるので、以下のような利得計算は間違っている。ここでは、ざっくり分かってもらうために)
①の子は、貯金しているので利得は0。手元には、価値が1残る
②の子は、新しいレアポケカを得たので、利得は2。手元には3。
③の子は、新しいポケカを得る機会費用(あるいは、好きなお菓子を買う機会費用)を失っているので、利得は−1となる。手元には、0。

これをサッカーのリーグ戦に当てはめたのが、「お小遣い1の仮説」である。
すなわち、①は、引き分けたチームで、開始時の勝点1を握りしめていたのである。②は、勝利したチーム、勝点をとるために投資し、成功したのである。③は負けたチーム、勝点をとるために投資したが、失敗したのである

ここからが本題である。
「お小遣い1の仮説」は、置いておく。
ここでは、宇宙人が「Jリーグ」を遠くから見ているとしよう。宇宙人は、長年の観察により、サッカーというのは、得点数が多いチームが勝つというのは分かっている。そして、リーグ戦というシステムも分かっているとしよう。

しかし、どのように人間が勝点を計算しているのかは分からず、順位表だけ見て、勝ったチームに2点、引き分けたチームには0点、負けたチームには−1点、勝点を付与するとうまく順位表が説明できることに気づいた。

すなわち、我々人間の勝点計算から全て1点引くのである。
勝点3は2になり、勝点1はゼロになる。そして、これは非常に重要であるが、負けると勝点−1になるのである。
ここに負けをよく評価できるシステムを宇宙人は作ったのである。
これを「宇宙人の順位表」とよぼう。

では、足早にこのシステムの有用性を説明したい。以下は、Jリーグの14節〜20節までの宇宙人が作った順位表である。現在の上位4チームについて、ハイライトを施した。

Jリーグ 2024年順位表 「宇宙人の順位表」

まず、注目したいのが、G大阪の躍進である。
この間G大阪は、5勝、勝点を10伸ばしている。それに対して、首位にいた神戸は1勝3敗、勝点を1落としている。町田は、3勝1敗で勝点を5伸ばし、鹿島は3勝負けなしで勝点を6伸ばしている。

気付かれた方もいるかもしれないが、この宇宙人の順位表では、引き分けを計算しなくてものいいのである。これがみそである。
勝点が動くのは、勝つか負けるかしたときだけである。

もう一度、ガンバに戻りたい。この順位表で勝点を増やすには、勝つしかない。ガンバは6戦中5戦に勝ったので、勝点を10増やせた。
それに対して、神戸は1勝しかしておらず3敗しているので、勝点は1減っているのである。
町田と鹿島は、ここ2戦勝てておらず、また、引き分けているので、勝点0で停滞していることが分かると思う。

サッカーのように引き分けが多くある、あるいは、延長戦を行わないスポーツは、引き分けに勝点を与え評価する(ラグビー等)。そのため、単純な勝ち負けが表の前面には出てこず、野球のように勝率で順位を決めることがない。

「勝点1が妥当だった」「勝点1を持ち帰った」とか言うが「お小遣い1の仮説」からすれば、そもそもどのチームにも試合開始時に勝点1が与えられているのである。
宇宙人は、それは両チームとも何もしなかったと解釈しているのである。
単に勝点を積み上げていく順位表では分からない、チームの順位変動が、勝ち負けで解析できるシステムを宇宙人は作ったのである。

それでは、上の表から分かる現在のJリーグのトレンドは何か。
それは、上位が勝点を伸ばせない中、中間集団の厚みが増していっている。それに対して、9位以下は全く勝てていない。

優勝を争うのは、町田、鹿島、G大阪であろう。
中位集団は、よほどのことがないと優勝争いには加われないだろう(このことについては後日、考察する。)
残留争いであるが、なぜかこの宇宙人の順位表では、毎年勝点0が分水嶺となる。これについては、また考察するが、今はぼんやりとそう思っておこう。勝点0以下のチームは降格圏内である。

今日は、以上とするが、この「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」は敷衍すると、私も分からないが何か生まれてきそうな気がするので、引き続きこれらについて書いていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?