◯ すみません、先生。貴方を殺したのは〇〇です。 何処にでもある高校の、何処にでも居るような一人の女性教諭が亡くなった。疑いを掛けられたのは、嫌疑がかけられたのはその女性教諭が受け持っていたクラスの生徒14人。 学校に訪れた一人の刑事。一人一人に事情聴取をした一部始終の記録である。 それは、刑事故の懐疑心か。はたまた一人の当事者としての猜疑心か。 心は伝染る。呪いのように…。 ◯ 一人目 一【にのまえ】。 なんだよ、いきなり生徒指導に呼ばれた
その山を取り囲むように、その山だけを避けて通る様に四方八方が燃えている。そう、焼けている。 読んで字の如く、焼け野原とその上に横たわる戦人の死体。その数、百では収まらず、千を遠に超え、何万と広がっていた。さながら地獄絵図という言葉が合うも合ったり、更に言わせてもらうとするなら地獄みたいと言うより地獄そのものと言った光景だった。 地に刺さる日本刀。血濡れの手に握られた重藤弓。鏃が穿たれ砕けた兜。 いつ来るかもわからない天下泰平への想いのもと散っていったであろう何万も
さて、今から語る纏屋に纏わる六章目の物語に行き着いた。否、連れ去られた男の話を物語の基礎として基盤である所の起承転結の"起"。そう起こりとして綴って差し上げようと思う次第です。 この地の文を語っている私の事は言うまでもなく。否、言うべくもなく。知る必要すらも無い。読み手である所に何者でもない君たちが座しているように、紡ぎ手である所に当てられた私も何者でもないしもしや、よもや人間ですら……無いのかも知れないのだから。 ◯ 始めまして。窃盗犯です。 なんてそん
おぉ、ちょいちょい。 フリック・クリックで早々に別のとこ開こうとしないで、聞いてくださいな今見てるお人?御仁?姉さん?兄さん?兄弟… まぁなんだっていいんですけどね、少しばかり見慣れた生まれ国の文字を目で走らせるだけじゃないですか。 旦那、、、いや女将? 小さいことはおいておきましょっか。 たかが男か女かの、とんでもなく小さい事なんですから。 まぁね,今日ついさっきお仕事と言う名の お勤めを終えて、まぁお勤めなんて言うと なんとなしにエッチな響きで書いてる今
後ろ髪を引かれる。 なんて言葉がこの日の本には昔からあるようで、改めて紹介する事でもない程に一度は聞いた事のある言葉だ。 実の意味合いとしては、後ろめたいことがある、悪気があった訳ではないけれどもしかして、私があの時……なんて言う悔恨や自責と言った念を含み纏った言葉ではあるがこれは言葉。そう、ただの言葉だ。 漢字とひらがなを主に使った表現の1つ、残酷なほど徹底して表現であり、顕現なんて偶像にして妄想な程、ただただ表明の為の一手段だ。 けれど、だけれど今から話すそ
其の最終処分場。 今は使われず廃墟となったが数年後。別の名称で名所として名が上がる。 時は昭和前期。発展途上で上場の日の本で都市に、蔓延り始めた伝説に混じりその名称は陰りを落とす。 お通りゃんせの孵り道。(おとおりゃんせのかえりみち) 今から紡ぎそして語られるのはその廃墟となった廃棄場で起こった悲惨的で凄惨的なとある母子の惨劇である。 見出しにして乱し。起。 この私、轡田詩織は今から我が子を捨てに行く。そして捨てて行く。 此処だけを読むと酷く、そして冷