はじめに
前回書いたような経緯で、昨年末に司法試験の勉強を始めたときから、僕には第一次資料としての「判例」に強いこだわりがありました。
商法は別として、最初に民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法と読んできたのは、学習の早い段階で判例集に目を通したいという欲求もあったからでした。
そして今、通常のテキストを読む傍ら、判例集の地裁判決に目を通し、気付いたことを片っ端からメモしつつ、判決書の文章に馴染む作業を取り入れています。20ページを超える判例も多くあり、効率が良い勉強法には思えませんが、訴訟法や行政法のテキストで学んだ原理・原則や各種規定が実際働いている様を感じ取ることができたり、裁判官の書いた文章での判例の引用の仕方、事案を要約した味わい深い文章など、参考になることは多いです。
ただ、長々と続く原告・被告の争点の項は、読んでいてかなり面倒臭いです。
ところで、冒頭の「対象事件」の項目で、気になる記号があるのに気付きました。
ん・・「行ウ」って何? もしかして、判例には公式の分類記号があるってことやろうかと思い、裁判所の「各判例について」というページを見てみたところ、「符号の説明」というセクションがあって、記号に対応する事件の種類が表になってまとめてありました。
「行ウ」とは、地方裁判所の事件のうち、行政訴訟事件を示すそうです。
ただ、この表、最高裁判所判例集、高等裁判所判例集、下級裁判所裁判例速報、行政事件、労働事件、知的財産裁判例集ごとにそれぞれ表が挙げられており、並び順もバラバラだったので、自分で見やすいように表を作り直してみました。(末尾)
行 = 行政事件
秩 = 法廷等の秩序維持に関する法律違反事件
・・みたいに、記号から意味が想像できるものもありますが、大半はいろはにほへと等、作成順序を示すだけの無意味な記号みたいです。係属裁判所や審級といった、訴訟法上どういった位置づけの裁判かという観点から分けられている印象です。
医療過誤や詐欺とか、殺人といった、事件の内容ごとに分類されていると思っていましたが、そうではないようです。
分類する手間を考えれば当然ですが、少しがっかり。
判例の分類記号:事件名でソート
判例の分類記号:記号でソート