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【9253:スローガン】2023年2月期 第3四半期決算説明会(書き起こし)

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今回の決算説明会におけるハイライト

  • 創業者である伊藤氏は、2023 年2月期定時株主総会の終結の時をもって任期満了で退任予定。2023年3月からは、新たに現COOの仁平氏が代表取締役社長に、現CFOの北川氏が取締役副社長に就任予定

  • なお、伊藤氏は退任後、会長職や取締役に就任する予定はなく、顧問やアドバイザー等としてもスローガンに関与しない予定

  • このサクセッションプランは7〜8年前から準備されていたものであり、徐々に権限委譲を進めていたことから、事業運営に与える影響は限定的

  • また、新経営体制のもとで短期的に大きく戦略を変える予定はない

  • Goodfind Careerが大幅に減収となったため、キャリアサービス分野における第3四半期累計期間の売上高は前年同期比で△4.4%の減収となったものの、FastGrowの販売戦略の見直しによる販売単価及び社数の伸長により、メディア・SaaS分野における第3四半期累計期間の売上高は前年同期比+39.7%の増収となった

 

北川 裕憲氏(以下、北川):それでは、スローガン株式会社の2023年2月期第3四半期決算説明会を開催させていただきます。本日の流れについて私の方からご説明いたします。

まず、昨年11月に発表させていただいた、この3月から開始する新経営体制についてご説明させていただきます。
続いて、当社の概要と第3四半期の業績ハイライトについてご説明いたします。
最後にQ&Aを設けております。説明の途中でもQ&Aのボタンから質問をいただいて問題ございませんので、随時投げていただければと思います。質問は回答しきるまでご対応させていただきますので、8時を超える可能性もありますが、その点ご了承いただければと思います。

新経営体制について

では、当社の代表取締役伊藤から、新しい経営体制についてご説明したいと思います。

伊藤 豊氏(以下、伊藤):皆さんこんばんは。スローガン代表取締役社長の伊藤です。すでに発表している通り、2023年2月末で私が社長を退任しまして、3月以降は現COOである仁平が代表取締役となり、それにともなって現CFOの北川も取締役副社長という形となり、新しい経営体制としてやっていくことになっております。
この経営体制の変更については、適時開示の中でも背景等を記載しておりますが、改めて口頭で簡単にご説明いたします。

元々スローガンという会社は、「人の可能性を引き出す」ということをミッションの冒頭で謳っている会社なので、創業者である私自身が次世代の経営人材の可能性を引き出していく、それによってバトンタッチをしていくことで世代を跨いだ経営をやっていくことが、ミッションを体現することに繋がるだろうということを、およそ7〜8年前から考えて準備をしてきました。
そういう意味では、本件は7〜8年かけて準備・計画をしてきたことであり、徐々に事業運営に関する私個人への依存度を下げるために権限委譲も進めてきましたので、実際の事業運営の面では影響を小さく抑えられているのではないかと認識しております。
また、ファウンダーとして会長職や取締役という形で残るという選択肢もありましたが、現在必要な変革を進めていくタイミングでもありますので、私がいない方が寧ろ進めやすい変革もあるだろうと考え、完全に取締役を退任するという決断をいたしました。
退任後も、顧問などという形でも一切残りません。ただ、株主としては引き続きサポートできることはしていきたいと考えております。

また、私個人及び資産管理会社で所有している株式に関しては、退任に伴って売却する予定はございません。今後も長期で継続保有していこうという方針でおります。
なお、昨年12月23日に適時開示を行なっていますが、新しい経営陣2名に対して、私が所有する株式の1割弱にあたる6万2,000株を贈与する発表もしております。これは少し珍しい形かもしれませんが、新しい経営陣の持株比率を上げて中長期での株価向上を目指すことへのインセンティブとして効果的だろうと考え、私個人の発案で実施するものでございます。
ちなみに、これは贈与税が発生する話ではありますので、事前に仁平と北川には確認しておりまして、納税資金の工面もできることを確認した上での実施となります。そのため、贈与した分がすぐに納税のために売却されることはないということも併せてお伝えさせていただきたいと思います。

この後、新社長となる仁平からも、株主の皆様の前で始めてお話しすることになるかと思うので自己紹介があるのですが、簡単に私の方からもご紹介させてください。

仁平は、創業3期目のときに長期インターンとして当社に入社して、2年近く働いてくれた後にDeNAに入社しています。インターン時代のときから学生とは思えないような大活躍をしておりまして、過去に当社で採用した長期インターンの中でも本当に抜群に優秀だと思っておりましたので、卒業後も毎年声をかけて、「転職するのであればスローガンに戻ってきてほしい」ということを伝え続けて、7年越しで来てもらった人材です。

DeNAにおいても、2年目から社長室配属となり、最終的には「オセロニア」という大ヒットゲームのプロデューサーとしても活躍し、20代で部長職まで務めていた人間です。
スローガン入社後も大活躍し、現場のマネージャーから入って事業責任者、COOとなりました。社内での信頼も厚く、リーダーシップを発揮してくれていると考えており、経営者としての必要な経験も積んできていると考えております。

仁平は私よりも達成志向が強く、かつリーダーシップも強い人間ですが、その上で、柔軟に状況に合わせて学習し、変容していくという能力も高い者です。私個人としては、仁平に任せてそれが伸びないのであれば、誰がやってもダメなんじゃないかと思えるくらいです。

今回、そのように思える人間に引き継ぐことができたと考えております。それでは、実際に仁平本人からも自己紹介、挨拶をしていただければと思います。

仁平 理斗氏(以下、仁平):皆さん、改めまして、スローガンの仁平理斗と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
伊藤の方から少々話しにくい紹介をいただいたなと思うのですが、私からはもう少し、私自身の人となりですとか、私の視点から見たスローガンとの出会い、思いが繋がっている部分といった点を中心にお話しさせていただければなと思っております。

改めて、スローガンが3期目の2008年のときに、スローガンに出会いました。今は学生さんとも色々お話する機会が多いんですけれど、恥ずかしながら、私自身は大学3年のときはあまり深く思考せずに就職活動をし、キャリアについてもそこまでリテラシーがない中、やや安易な気持ちで「報道の政治部の記者として何かやっていこうかな」と考えていました。
その中で内定をいただき、既に就職活動を終えていたんですが、そんな折にスローガン、Goodfindと出会ったのが入社するきっかけとなっています。そんな経緯ですので、当然当時はスローガンで働くことになるとは思っていませんでしたし、1社目としてDeNAのような会社を選ぶということも想像していませんでした。

ただ、その後のスローガンでの経験を通じて、「こうも知らない世界が世の中には広がっているのか」ということを思うと同時に、今後の日本社会の人口構造や産業の状態、グローバルで見た時の日本の競争力の低下みたいな事実を、ビジネスというアプローチを通じて目の当たりにしました。

その頃から、まだ市場はそこまでなかったと記憶しているのですが、若いタレント人材と新産業領域のベンチャーとのマッチングを通じて、次の産業を生み出さないと日本としては難しいのではないかと思うようになりました。
かつ、優秀な若い人材の視点に立ったときにも、アップサイドのある環境に飛び込むことで切り拓かれていく機会やキャリアというものがあるのではないかと。そういったことに、スローガンのインターン含む社員含めメンバーが強い志を持って取り組んでいたことをすごく記憶しています。
その中で、私自身も自分のキャリア観の浅はかさや社会に対する洞察の浅さみたいなところを反省すると同時に、自分自身も、今後の社会を捉えたときにそういった新産業領域に飛び込み、そこに貢献することで社会に何か返していけるのではないかと考えるようになりました。そんな出会いから180度方向転換し、1社目のDeNAに入社することになっています。

今お伝えしたところからも、私自身そのときの出会いによって自分自身の可能性や選択肢がすごく広がったということを強く原体験として思っておりまして、かつ、伊藤さんはじめスローガン、Goodfindに深く感謝しているというのが、私とスローガンが深く繋がった最初の接点でございます。

その後社会に出てからも、先ほどあった通り伊藤からしつこく誘われることもあったのですが、1社目のDeNAでもまさに1つのうねりが起きた時代に働けていたということで、面白さもあり、役割も広がっていったため、なかなかスローガンに戻るタイミングが合わないまま約7年が経過しました。
私も前職で1つ役割に区切りがつき、30代を迎えていくにあたって改めて自分が「次の人生何に時間を割いていくのか、社会への貢献をビジネスを通じてどのように実現していくのか」といったことを考えたときに、まずスローガンというところが浮かんできましたし、スローガンが掲げているミッションに全力で向き合っていくということを決めたのが、2016年のことでございます。
繰り返しにはなりますが、伊藤からはその頃から、もちろん確定ではないものの、ミッションを体現するという観点でサクセッションプランを考えているですとか、その候補として仁平に期待をしているという言葉もいただいておりました。
そういった意味でも、今に至るまでの伊藤の姿勢や一貫性は強く感じておりますし、まさか自分も本当にこういった形になっていくとは正直思っていなかった部分もあるので、運命というか繋がりを感じている次第です。

入社した後の私自身の視点で申し上げますと、元々スローガンとはそんな経緯から想いの共感もありますし、中のメンバーも知っている人が多かったので、雰囲気やカルチャーみたいなところも理解はしていたんですが、改めて入社をし、今後の世の中を考えたときに、やはり非常に重要になってくるテーマだな思いますし、実際中にいるメンバーやお客様、ユーザー様等、非常に強いアセットを積み上げてきているなと思います。

ただ、得られるはずの機会や広がっている市場に鑑みると、非常にまだ小さな存在で、かつ色んな事業やアプローチを組み合わせることで実現していくミッションなんだろうなと感じたというのが、入社してから思ってきたことです。
ですので、私自身スローガンで時を重ねるにつれて、共感はもちろんですが、スローガン自体が世の中に必要不可欠な、かつインパクトの出せる企業にしていけるのではないかというところは、自身の覚悟と共に強まってきているという経緯でございます。

今後のスローガンの具体的な方針についてはまた追ってお伝えさせていただきたいと思っているのですが、改めて、適時開示にも書かせていただいた通り、若いタレント人材と成長企業の経営者、人事の皆様といったところに強みの起点があるとともに、今後の社会においてもそこが非常に価値が高まっていくところだと思っておりますので、まずは現在の既存事業がそこを体現する手段になると理解をしております。
なので、当たり前ではありますが、ここで今一度高収益・高成長のサイクルに乗せていく、そしてそのための課題を取り除き実行していくということを愚直にやっていくということが、足元でやっていくことだと思っております。

改めまして、新体制になりますが、北川とも協力して株主の皆様からの期待に応えられるよう尽力してまいりますので、今後とも改めてよろしくお願いいたします。私からのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

北川:ありがとうございました。株主の皆様をはじめ、新しい経営体制における今後の向かうべき先、経営方針、戦略等についてはかなり強い関心事かと思いますが、こちらの詳細については、今後4月に予定している決算説明会、その後実施される5月の定時株主総会、経営体制のアップデートに伴う成長可能性資料の更新等のタイミングでより具体的な戦略や施策に関する説明とともに皆様ともコミュニケーションさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

会社概要

では、ここからは会社概要及び業績ハイライトについて、私の方からご説明いたします。

まず会社概要です。
改めまして、当社は「人の可能性を引き出し 才能を最適化することで 新産業を創出し続ける」というミッションを掲げております。

このミッションを分解しますと、「人的資本投資×新産業領域」という掛け合わせになっておりまして、人の可能性を引き出す、そしてそれを通じて新産業領域の創出・成長を支援していくことが、当社のミッションであり、社会的にも重要なテーマとなっているポイントです。

この「人的資本×新産業領域」というテーマは、現行の岸田政権が掲げるテーマである「新しい資本主義」とも合致しており、スタートアップ・ベンチャー企業への人的資本投資に関するサービスを提供する当社の事業領域は、政府の重点投資分野とも合致するものと理解しています。

こういった社会的使命を持ち、未来社会に必要なイノベーションの源泉たる人材創出に取り組んでいます。
ミッションをもう一段ブレイクダウンしますと、成長分野の人材移動と労働市場の健全な流動化、そして若い経営人材を社会に増やすことで経営層におけるダイバーシティの実現を推進するということを、当社は社会的使命を持って取り組んでおります。

人材、特に若い優秀な人材ですけれども、ブランド力や知名度によって就職先を選択するようなところから、キャリアの選択肢として大企業とスタートアップ・ベンチャーをフラットに見た上で新卒からスタートアップ・ベンチャーへ挑戦する人材を増やす流れを作っていくことで、今後の未来社会に対して貢献していけると考えています。

ビジネスモデルは、大きくはキャリアサービス分野とメディア・SaaS分野と書かれていますが、先ほど申し上げた通り、「成長分野への人材移動」と「人の可能性を引き出す」ということを軸にしながら、新産業を応援していくようなビジネスになっています。

キャリアサービス分野の事業としては、新卒向けのところでは主力事業としてGoodfind、長期インターンのサービスとしてIntern Street、社会人向けのところではGoodfind Career、そして昨年1月にローンチしたG3があります。

メディア・SaaS分野におきましては、ビジネスメディアのFastGrow、1on1を支援するようなSaaS、TeamUpを展開しています。
このような形で、幅広く事業を展開しながらも、Goodfindを軸にしながら新産業への人材移動を進めているところでございます。

マネタイズモデルとしては、基本的位には顧客企業の皆様からお金をいただくような形になっておりまして、個人ユーザーの皆様は基本的に無料でご利用いただけるようになっています。

こちらは当社のサービス一覧になります。右の売上高構成比をご確認いただくと、学生向けサービスが72%となっていることが分かるかと思います。その中でも主力の事業となっているのが、Goodfindという新卒採用のサービスになっています。

こちらはGoodfindのビジネスモデルと競争優位性ですが、しっかりとこの競争優位性を磨き込んでいくことが今後の成長のキーになると考えております。
当社が一番注力しているのは、学生とベンチャー企業をマッチングさせる、繋いでいくところでございます。そこが、Goodfindがこれまで市場創造していきながら、他社が参入しづらい領域として築いてきたものであると理解しています。
通常の人材紹介事業では、基本的には顕在化しているニーズのマッチングを行っています。学生として「こういった企業へ行きたい」というところと、企業として「こういう学生がほしい」というところをしっかりマッチングさせるという点が特徴になっていると思います。

ただ、顕在化したものだけをマッチングしていくと、当然まだ知名度がなかったり、ブランド力や採用力がないスタートアップ・ベンチャー、新興成長企業の皆様は、学生をなかなか惹き付けられなかったり、学生にとってもそういった企業を知る機会がないので目を向けてくれないということが起こります。
その中でGoodfindが介在することで学生を惹きつけたり、ベンチャー企業の魅力を引き出すことで、本来は生まれないようなマッチングをしっかりとマーケットに生み出していくというところが、まさに付加価値の源泉になるかなと思います。

こういったビジネスを展開するにあたって、優良な顧客企業を目利きしていくところであったり、学生さんがそういった企業に目を向けて行動変容を生み出す力を備えるところ、そしてそこを繋いでいくマッチング力を磨き込むところ。この3つのケイパビリティが備わっていることで、このモデルが成立しているかと思っています。

業績ハイライト

これらを踏まえて、現状の第3四半期累計までの業績ハイライトについてご説明いたします。

まず、第3四半期の売上高及び営業損益は昨年10月に修正予想を出しましたが、予想通り推移いたしました。少しコストの節減もあり、営業利益が修正予想を達成するような形で着地いたしました。
これまでの業績の説明にもあった通り、Goodfind Careerが前年同期比で大幅な減収となりました。ただ、FastGrowが昨年から販売戦略の見直しに取り組んでおり、ここはしっかり伸長して売上成長に貢献してきました。

コストサイドについては、引き続き人的資本への投資は継続しておりまして、今年4月の新卒入社者は11名となっています。

具体的な業績の数字は、こちらのスライドの通りです。
第3四半期累計期間で見ますと、売上高は前年同期比2%のプラス、業績予想でも達成率は99.5%になっております。

一方で営業損益ベースの予想達成率が102.6%というところで、前年同期比では減益になっておりますが、当初予想したところに対してはプラスに動いています。一番大きなところはやはり売上高の増減のところになりますが、こちらは冒頭申し上げた通り、社会人向けサービスのところが前年同期比でマイナス41%になっておりまして、ここがまずGoodfind Careerの減収によるものです。
社会人向けサービスにはG3という新規サービスも含まれているのですが、こちらはしっかりと立ち上がり、予想通りの成長で推移してきておりまして、新規事業の立ち上がりとしては堅調に推移しております。

一方で、メディア・SaaS分野につきましては39.7%の増加ということで、主にFastGrowがしっかりと販売単価、社数ともにしっかりと成長したところになっております。販売戦略の見直しを行い、お客様との取り組み方を、1回当たりの記事を作成して終わりではなく、年間を通じてお客様に深く入り込んで提供価値を出せるような形に変えていったことが、単価と社数が伸長した背景となっております。

こちらは四半期会計期間の連結売上高の推移となります。
当社は、前提として、第1四半期に新卒採用の人材紹介手数料が入社日基準で計上されるので、第1四半期に売上利益ともに偏重する傾向になっております。

一方で第2四半期から第4四半期の推移につきましては、季節性というよりはその時々のお客様のニーズに従って少し増減するような傾向になっています。その中で、会計期間としては、第3四半期は売上高についてはマイナス13.5%ということで、主にGoodfind Careerのマイナスが大きく響いている状況となっています。

一方で、累計ではプラス2.0%となっておりますが、これは冒頭申し上げたFastGrowの成長というところが一番大きく寄与しておりまして、ここがGoodfind Careerの減益をカバーする形となっております。

Goodfind Careerのエージェント育成の遅延と集客力不足という点につきましては、修正予想の開示の際に、23年2月期第2四半期の決算説明のところで詳細をご説明しておりますので、適宜そちらをご参照いただければと思います。

続いて売上高の分解になりますが、当社の売上高を顧客数と客単価という形で分解していくと、第3四半期の累計期間を3期間並べておりますが、毎年しっかりと成長はしてきております。
Goodfindの成長が横ばいとなっている部分と、Goodfind Careerが大きく減収している部分を含めても、全体としてはしっかりと成長基調は保っている状態となっております。
顧客数が今現在421社で、顧客単価が約271万円となっており、連結としては11億4,200万円の売上高となっております。

続いて販売費および一般管理費の四半期会計期間の推移になります。
こちらのグラフを見ていただくと分かる通り、濃いハイライトしている部分が人的資本投資で、給料や諸手当等の人件費周りになっております。当社のコストのほとんどがこちらの人的資本投資となっておりまして、大体今2億円超で推移しているような状況です。
前期の第4四半期は成長投資を一時的に行なったため、一時的な増加が見られておりますが、今後も構成比は1Q~3Qと同様の形で推移していくことになるかと思います。
その他のところは、システム開発や業務委託料、DX推進などのIT関連投資の増加により増加しています。前期から人的資本投資額が増えているのは、新卒採用の入社を迎える中で、社員数が増えたことが背景となっております。

競争力の源泉となる人的資本の状況ですが、現状の職種別の構成比でいくと約2割がエンジニアデザイナー等のクリエイティブ職、ビジネス職が残りの8割を占めている状況です。
当社としては、新卒採用を中心とした人材獲得戦略を掲げておりまして、新卒採用により、持続可能な成長に資する人材をしっかり獲得していきたいと考えております。
この第3四半期のところでも、入社人数が合計20名おりましたが、そのうち新卒社員は9名が入社しています。今年の4月入社の新卒社員も、ビジネス職6名、エンジニア3名、デザイナー2名といったように、バランスよく採用が進捗しているような状況となっています。
こういったデザイナーとエンジニアを強化しているのは、中長期戦略でもあるプラットフォーム型・プロダクト型の強化というところで、開発力・開発体制もしっかり強化しながらサービスをしっかり伸ばしていきたいという考えに基づいております。

新卒社員から若手の経営人材も過去に創出してきておりまして、子会社であるTeamUpを運営する者は入社5年目から現職に就く新卒社員であり、一番主力であるGoodFind事業の責任者は2020年3月に執行役に就任しておりますが、2015年に新卒で当社に入社した社員となっています。

最後に四半期の営業損益の推移を記載させていただいております。
まず四半期単位で見ますと、第1四半期に偏重する傾向は前期から続いておりますが、第2、第3、第4という傾向については、安定的に伸びて計上されていくというよりは、売上高の増減に合わせて損失を出すような時期もあるというような状況となっています。

コスト構造自体は、昨年と大きく変わっている部分はございませんので、主にトップラインの伸び悩みというところ、特にGoodfind Careerの減収が寄与したことで、全体としての連結の営業損益に影響を与えている状況となっています。

参考までに、冒頭でご説明した業績の季節変動でありますが、第1四半期のみ新卒の成功報酬が入社日基準で計上されていくので、どうしてもそこに業績が偏重するという傾向にございます。

最後に、改めて通期業績予想についてですが、前期は8.2%の売上成長のところ、今期の着地は9.5%の売上成長、営業利益率は16.8%、営業利益額で2.6%の成長を着地として目指していきたいと思っております。
こちらの数字は22年10月に公表した修正予想のものとなっております。

以上で業績ハイライト含めてご説明が終わりましたので、ここからはQ&Aに入らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

質疑応答

質問1:来期の成長戦略について

来期の成長戦略について教えてください。四季報で言及されている売上18億、営業利益3億は変わりませんでしょうか。

北川:こちらは、来期の業績予想の発表が4月の決算発表と同時に行われますので、そこでしっかりと成長戦略を含めて皆様とコミュニケーションしたいと考えております。
今回の新経営体制に関するコメントのところでもございましたが、特に今はGoodfind Careerの減収、そしてGoodfindの成長が前期比で伸び悩んでいるところが気になられているところかと思いますが、当社としてもここをまず強く成長させていくところを推進していきたいと考えております。


質問2:伊藤社長の退任後のスローガンとの関わりについて

伊藤さんの退任後のスローガンとの関わりについて教えてください。代表権のない会長に就任されたりする可能性はありますでしょうか?

伊藤:そういったことも選択肢としては検討したんですけども、取締役として残ったり、顧問ですとかアドバイザー等の何らかのポジションを持ってスローガンに残り続けるということ自体が、新しい変革を進める中でのやりづらさに繋がったり、二重のディレクションになってしまう可能性もあるので、そういったことを避けるために私は完全に引くということを決めております。

ただ、これは仁平、北川、そして事業部の他のメンバーとも話してるとこではあるんですけども、我々が展開しているGoodfindやFastGrowというサービスでは学生さん向け、社会人の方向けにイベントをオンラインでやったりしているのですが、そこで登壇をしたり、ファシリテーター・モデレーターとして経営者の方と対談したりすることはこれまでもやってきたので、必要に応じて登壇したりすることがあるかもしれません。
が、やはり経営に影響を与えるようなポジションで何かしら残り続けるとかはないと考えております。

質問3:学生側の需要喚起の改善状況について

前回の決算時にご説明があった学生側の需要を取り逃しているという件は改善されているのでしょうか?

北川:こちらは私からも説明しながら、まさに今仁平も強く取り組んでいる部分ですので少し仁平からもコメントいただければと思うのですが、今学生側の需要喚起という意味でいくと、オフラインの環境も含めて、色々な施策を動かしております。
これから4月、5月にかけて、特に2024年卒の学生の就職活動がピークを迎えていく中で、それに向けて今手前のところで色んなイベントであったり、学生向けの会員獲得の施策をしっかりと動かしているのですが、少しずつ成果も含めて手応えを掴みかけている部分があります。
特に学生の行動が一番盛んになるこの4月5月あたりに結果がしっかりと出てくるところもあると思うので、それに向けて今仕組みをしっかりつくっている状況です。
仁平さんからも何かあればコメントいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

仁平:ありがとうございます。北川と重複する部分もあるかもしれませんが、24年卒と25年卒が同時に動き始めている時期ではございますが、それぞれ推進の体制、目標の設定、KPIの分解というところを、一段強めて推進をしているという最中でございます。
その中で必要な施策ですとか、人員の追加なども含めて経営も一丸となって取り組んでいるところでございますので、分かりやすく数字が改善してるというところは今後共有できればと思ってるんですけれども、そこの推進を強めているという中で、現場も含めて手応えを感じ始めてるところもあると私も認識をしております。

質問4:人的資本投資について

今後も人的資本への投資は積極的に行う予定でしょうか?中途採用より、やはり新卒採用をメインにお考えでしょうか?

北川:人的資本への投資は積極的に行っていきたいと考えておりますが、当社の財務比率である増収増益をしっかりと維持する上で、いたずらに赤字を掘ってまで人的資本投資をやっていくことまでは考えておりません。人的資本については投資をしながらも、労働生産性を同時に磨き高めていくことで、人的資本へのROIを高めていきたいと考えます。

中途採用よりも新卒採用がメインですかという部分ですが、やはり新卒採用をしっかりと強めていくところは今後も継続して取り組んでいきたいテーマでありますし、当社自身がミッションとして「人の可能性を引き出し」ということを掲げて新産業領域でGoodfindを展開しているところもあるので、そういったポジションの良さというところもしっかりと活かしながら、若い人材を成長させ、可能性を広げていくという観点でも、やはり新卒採用を着実に進めるところは重要になると考えています。
ただ当然、事業を進めていく上で必要な人材を中途で獲得していくところも柔軟に検討していきたいと考えています。

質問5:SaaSプロダクトについて

2月よりローンチ予定のSaaSプロダクトについて、説明資料では具体性が低いため、もう少し解像度高くご説明いただけないでしょうか

北川:こちらはまだ具体的な中身が公表前というところもあるので、解像度高くご説明いただきたいというところにお答えしづらいところもあります。その前提でお聞きいただければと思いますが、今まさに、SaaSプロダクトを磨き込んで、2月のローンチに向けて開発を追い込んでいるタイミングでございます。こちらは是非、ローンチ後のタイミングで詳細な部分をお伝えできるかと思いますので、そちらでご認識いただければと思っております。
こちらは開示のタイミングもありますし、機密情報に関わるところでもありますので、ご了承いただけますと幸いです。

質問6:新体制への移行による成長戦略の変更について

新体制に変わって、成長戦略が大幅に変更される可能性もありますか?

北川:大幅な変更は考えておりません。当社自身、このミッションを引き続き大事にしていきたいという思いと、この根幹の部分は今回のサクセッションにあたって仁平と私もしっかりとバトンを受け取っている部分となります。
戦略の部分も、今活動している事業の中でいくと、やはりGoodfindの強い成長、新卒×スタートアップというところをしっかりと磨き上げることが非常に重要であると考えておりますので、今動いている戦略と大きく変わるというよりは、それをさらに具体化したり、より戦略の筋の良さを追求したアップデートをしたいと考えているところなので、急にこれまでと全く違うような戦略を掲げることによって、ビジネスモデルやサービス構成が大きく変わるようなことは現時点では想定しておりませんので、ご安心いただければと思います。

質問7:事業のPDCAサイクルについて

Q1が繁忙期である中で、どこまでQ2~Q4の間にオペレーションの改善や人材育成などを行えるかについてコメントをお願いします。一年スパンでしかPDCAを回せない場合、業績回復に時間がかかってしまわないのでしょうか?

北川:Goodfindに関するご質問かと推察いたしますが、まず、新卒採用のサービス提供自体が、大体1年半ぐらいをかけて行われていくようなモデルになっています。
例えば、今年の4月に入社する方たちはいわゆる2023年卒となるわけですが、この方々の内定承諾に向けたオペレーションが去年の3月から始まって、7月、9月という形で進んでいきます。
その後すぐ、サマーインターンが明けた9月10月頃から、2024年卒の本選考に向けた活動がスタートしていきます。
さらに12月くらいから、まさに今スタートしていますが、2025年卒に向けたサービス提供もスタートしているという構造になっています。

そのため、確かにQ1は(業績の季節的変動による偏重があるという観点で)繁忙期と位置付けられているものの常に2つの卒年度、ないし最大3つの卒年度を同時並行で扱いながら進めていく形にはなっています。

ただ、オペレーションとしては全く同じことをずっとやっているわけではありませんので、そういった意味では改善するサイクルはおっしゃる通り1年スパンでしか回せないとも言えるので、改善に時間がかかってしまうのではないかというご懸念はあるかと思います。
ですが、例えば会員獲得であるとか、それなりに1つのオペレーションの中でPDCAを回していくことはできるとは思っていますので、ビジネスサイクルとしては1年スパンであるものの、手前の施策ベースでのPDCAを常に現場でも回しながらやっていくことで、業績回復に努めていきたいと考えております。

質問8:IR・広報に関する戦略と配当について

今後の展開に期待しております。
目先の株価の推移はなかなか厳しいものがあるのですが、流動性という意味では出来高が少ないと感じています。
そういう意味でのIR戦略や広報戦略について何か検討していますか?CMを打ったりなど。
また、中長期での話になるかもしれませんが、配当は検討されていたりしますか?

北川:おっしゃる通り、今の目先の株価はなかなか厳しく、出来高の少なさも認識しております。大々的にCMを打ったり、広報にリソースをかけると当然ながら一定コストがかかってきますので、今現時点でそういう大規模な広告投資を行うことで、IRの強化等の戦略を打っていくことは検討していません。

とにかく、しっかりと業績を伸ばしていくことが中長期の株価にも大きく影響が出るところだと思いますので、現状、やはり予想数値に対して満たなかったところや減益になりかけているところについては、会社として増収増益基調を継続できるような力をしっかり貯め込んで、それを実績として出していくことが一番のポイントになってくるかなと思います。

ただ一方で、IRの観点でいきますと、そういった活動を皆様にタイムリーに透明性高く伝えながらコミュニケーションしていくということも非常に重要だと思っていますので、事業を伸ばしていくところを優先順位として持ちながらも、IRの観点では皆さんとのコミュニケーション機会をしっかりと設けていくことは意識して進めたいと思っております。

配当についても、以前配当方針を出させていただいた通り、事業の成長を軸にしながらも、自社株買いや配当という形で株主の皆様への還元を考えているところではあります。
まさにここから期末に差し掛かる部分にはなっていますが、当社としてはもう18年継続していますし、予想には満たないながらもしっかりと利益剰余金が積み上げられている部分もありますので、フラットに配当も検討して、株主の皆様にも報いられるような会社にしていきたいと考えております。

質問9:学生集客の改善について

足元で学生集客がビジネスのボトルネック(エージェントの稼働率低下)になっていると認識しておりますが、他社との送客アライアンスなど販管費を過度にかけない形での改善を模索する可能性はないでしょうか?

北川:事業の中身の話でもありますので、仁平の方からもコメントいただければと思いますけれども、学生集客の課題に対してどういうアプローチをとっているのかという質問かと思います。
この点は、学生を集客するだけではなく、学生にしっかりGoodfindを使ってもらい、スタートアップや成長分野への行動変容を生み出していくことが重要だと思っています。そういった意味で、セミナーやイベント等、学生接点を持つ施策があったり、当社の場合ですと各大学のインターン生を雇用しながら学生の集客をやってきたという経緯がありますので、今のアセットを活かしながらここの学生集客については努力していきたいと考えております。

仁平:コメントにもご記載いただいている通り、コストをかけて数を集めればいいのかというと、やはり収益性の観点からは、1IDあたりの獲得コストが1IDあたりの売上を下回る形で量を増やしていくということが非常に重要になってきます。
送客アライアンスなども含め、様々なチャネルごとに収益性が異なってくるので、登録後のアクティビティ、ID起点でのマネタイズというところもしっかりと注視をしながらPDCAを回し続けることが重要だと認識しております。
直接的な回答にはなっていないかもしれませんが、そのような考え方のもと、ID起点の集客量と収益性を改善している最中でございます。

伊藤社長からのメッセージ

最後、今後のところも含めて、現社長の伊藤から一言いただいて、本日の決算説明会を終われればと思っております。伊藤さん、よろしくお願いいたします。

伊藤:皆さん、ご視聴いただきありがとうございました。スローガンとしても新たな経営体制で変革を進めていこうとしているタイミングで、まさに今来期に向けて色々と仕込みをしているところではありますので、成果として表れるのに少し時間かかるかもしれないですが、改めて、当社が手がけている領域や取り組んでるテーマに関しては、間違いなく伸び代があると思ってますので、そこがしっかりと業績に表れる形となるよう新しい経営陣で取り組んで参りますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

北川:新しい経営体制へ変わる中で、仁平と北川がバトンを受け取っていくことになりますが、引き続き、来期の3月以降、そして4月以降も含めて、改めて皆様ともさらにコミュニケーションをとらせていただきながら、しっかりと事業、業績を伸ばしていくところも更に強く推進していきたいと思っておりますので、ぜひ引き続き、ご指導ご鞭撻をお願いできればと思います。
本日はお忙しいところ、スローガンの決算説明会をご視聴いただき、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。