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お茶から学ぶ集中力トレーニング

喫茶喫飯という言葉をご存知でしょうか。仏教の言葉です。

意味は、「お茶を飲むときは真剣に。ご飯を食べる時にも一心不乱に食べる」ということ。シングルタスクを身につける練習方法として、おすすめしたい方法です。

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出会いは、大学時代に読んだ一冊のコミックです。三宅乱丈さんの「ぶっせん」潰れる寸前のお寺が、資金集めに弟子を募集し四苦八苦。コメディタッチのストーリーです。

「50単位で悟りだ」というパワーワードが、当時大学生として単位取得に励んでいた私に刺さりました。

そんな存亡の危機にあるお寺で、先生役のお坊さんが呟いたのが、「喫茶喫飯」でした。物語上大事な言葉ではありません。お茶を飲みながら仏教用語を使うことで、場の雰囲気を作ろう。そういった作者の意図だったかもしれません。ですが、私はこの言葉がずっと心に残っています。

喫茶という当たり前の言葉が入っていたからかもしれません。コーヒーを飲む場所を、喫茶店と読んでいる。でも意味を聞かれても「お茶を飲むこと?」くらいしか答えられませんでした。

このエピソードを読んだことで、飲み方を意識することも含まれるのだ、と知ったのです。

ただお茶をのむだけでも、意識の向け方は人によって違う。ただ喉を潤すために、ながら作業で飲む人もいれば、一口一口味わいながら飲む人もいます。仏教では、後者。つまり飲むことに一心に務めることを求める。お寺では、お茶一杯にいたるまで1つのことに集中する練習なのです。

このトレーニングは、「ながら作業」を改めるよい方法です。マルチタスクは、記憶力・決断力・頭切り替えが低下につながると言われており、生産性に寄与するどころか、むしろ悪化させる一因です。

その改善のためにどうするか。そんなときに目の前のコーヒーが役に立つと知ると、とても面白く感じます。

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お寺から学んだ言葉でシングルタスクを身につける。頭の活性化にいかがでしょうか。



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