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僕の音楽体験 Vol.6 カシオペア 朝焼け

僕の音楽体験 Vol.6 カシオペア 朝焼け(順序は限りなくいい加減です)

さて、僕を本格的にインストルメンタルの音楽家へと導いたバンドのお話です。
泣く子も黙る「カシオペア」です。
初めて耳にしたのはおそらくCMでカシオペアの「I Love New York」が流れていた頃ですから中学3年生ぐらいでしょうか。ちょうどイエローマジックオーケストラに夢中になっていたので、歌のないインストルメンタルだけの音楽も受け入れられるようになっていました。
しかしその後、ロック街道を進んでいたためにあまり注目はしていなかったカシオペア。


高校に入って1年生の文化祭を終えた頃でしょうか。突然、自分の中にクロスオーバーブームがやってきました。当時はまだフュージョンという言葉がなく、ジャズとロックが混じりあったものという意味でクロスオーバーという言葉で、こういったサウンドのものは呼ばれていました。

最初はジェフ・ベックというギターの天才のアルバムの限りなくロック寄りな、しかし何かもっと高度な感じのする音楽をインストルメンタルで演奏していたのを聞いたのがきっかけかもしれません。とにかく当時は情報源の少ない時代だったので、ロッキンFという雑誌かヤングギター、そして何よりも楽器屋のお兄ちゃんのいうことがかなりウェイトが重かったように思います。

その楽器屋のお兄ちゃんに勧められて聞いたのがジェフベックで、ベースがあのスタンリー・クラークでした。もう超絶早弾き、なんだこれ、という感じでノックアウト。オーバーオールを履いた楽器屋のお兄ちゃん、ありがとう。

しかし、そこから知識がそんなに増えることもなく、高校二年生になった時に、やはり楽器屋のお兄ちゃんに勧められて買ったのがカシオペアの「Super Flight」というアルバムでした。ちなみにこの楽器屋のお兄ちゃんは別の人で、オーバーオールは履いておらずアフロヘアーでした。

家に帰って早速聞いてみると、あら、あのCMの今日が入っている!
しかし、それよりも何よりも、わかりやすい!口ずさめる!
そしてノリがなんだが今まで聞いてきたロックよりカクカクして、
それがなんだか痒いところをくまなくマッサージしてくれているようで気持ちが良い!
なんなのだこれは!ということで朝から晩まで聞いていました。

よし!おら、このチャカポコした音楽をやるぞ!
というわけで、高校のバンドの友達たちにこれからはこういうのをやるので皆さんもよろしく!と言ってはみたものの誰の賛同も得られず。

困った。

ということで、なんとかこんな音楽を目指している友を探して旅に出ることになりました。旅と言っても他校の友達を探しに、という感じでしたが。

近所の高校で同い年のギタリストのO君がなんだかこの手のものに詳しかったのでまずは連絡を。この頃、メールなどなかったので直接電話したのだと思いますが、今考えると恥ずかしい行為でもあったのですね。「バンドやろうぜ!」って感じだったのでしょうか?

さて、O君は早速、ギターも弾けるがドラムも叩ける凄腕の先輩とのセッションを組んでくれて早速初めてのクロスオーバーを。
ここで、自分の実力の無さに愕然として打ちのめされてスタジオを後にしました。

これは一からやり直しだ!コピーだ!なんだ?誰だ?ジャコパスか?もうなんでも手当たり次第に真似して勉強しました。

そんな姿を同じ高校の先輩たちが見ていて、声をかけてくれたのがコウイチロウさんでした。先輩のバンドに入れてもらってクロスオーバーをやり始めたのが高校2年生の頃でした。

さて、ここで僕的に目指すはカシオペアです。先輩たちを説得しましたが、残念ながらカシオペアは採用されず、先輩たちはリー・リトナーやラリー・カールトンがやりたかったようです。その代わり、学外のメンバーを集めて一緒に結成したのがカシオペアのコピーバンド、その名も「Super Flight」でした。

メンバーはギターが先ほど登場したO君。キーボードに高校の先輩のコウイチロウさん(のちにScoop On Somebodyで有名になる)。ドラムが他校からスカウトしてきた則竹裕之くんでした。

則竹君もカシオペアにぞっこんで、二人でレコードを家に集まり二人でずっと聞いていました。ここでは詳しく述べませんが(渡辺香津美さんの記事で少し詳しく書いてあります)ついに夢見たカシオペアをバンドで演奏できる!ということで興奮したのを覚えています。

そのバンド結成の前にカシオペアが、梅田のライブハウスで演奏するというので、高校生ながら、わが高校から大挙してバンド仲間の先輩後輩が誘い合って行きました。初めてのライブハウス。ドキドキ、ワクワク。
食事はバイキング形式か!これは早い者勝ちだ!
ということで、ここは頼りになるアメリカンフットボール部の先輩ベーシストに登場してもらい、スパゲティを取りに行ってもらうことに!
並み居る大人たちを蹴散らして、スパゲティ10人前をゲットしてきてくれました。
演奏が始まると、あのチャカポコしたリズムが目の前で。
それはもう夢心地でした。
ライブも佳境に達したところで出ました「朝焼け」
すでにカシオペアの人気ナンバーワンの曲になっていましたが
ギターのイントロが始まった時のあの興奮は忘れません。
しかし、欲張って食べ過ぎたために「胸焼け」だったのは内緒です。


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