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老人ホームを検討する際に最も大切なこと

わたくし、2022年4月から老人ホーム紹介業を始めました。

それまでは、社会福祉法人に8年、医療法人に17年所属して、介護と医療の業界で働いてきました。その中でもどちらかといえば介護業界寄りで長年働いてきました。

今後、可能な限り私のキャリアとノウハウをより多くの方々に役立てていただけたらと思います。

一番最初に結論だけ伝えておきます。

入居する人(例えば母親)の立場になって考えてあげられているかを可能な限り葛藤する!」ということです

それでは、解説したいと思います。

さて、早速ですが、「良い老人ホームとはなんでしょうか?」
ずるい答えですが、「人によって違ってくる」と言わざるを得ません。例えば、経済力、認知症の有無、地域の社会資源にかなりの差があるからです。

老人ホームと一般的に呼んでいるものに多くの種類があることはご存じでしょうか。

そこで本日は、「老人ホームを検討する際の注意点は何か?」のうちで最も大切な視点にのみ絞ってお話ししたいと思います。たくさん注意点がありますが、本日はその本質的なものひとつあげて記入します。どういう老人ホームが良いところかについてはまた後日語ります。

それは・・・

「老人ホームを誰がなんのために選ぶのかをよく理解しておくこと」です。

老人ホームの種類、ホームがある場所、入居にかかる月々のコスト、入居時にかかる一時金など数え上げたら切りがないほど検討するポイントはあります。

おおむね老人ホームを探す主体は、本人以外であることが多いです。例えば生活するのは母親だが探すのは娘であるなど、本人は老人ホームで生活することを望んでいないが、その親族が本人のため、もしくはその親族のために今住んでいる暮らしを断念させて老人ホームを検討するケースです。

親子といえども、老人ホームに入ることに関する目的が相反することがほとんどです。

下記の画像は、日本財団が2021年3月に調査した「人生の最期の迎え方に関する全国調査」という資料です。少し見にくいかもしれませんが、一番最後に「絶対避けたい場所は『子の家』ついで、『介護施設』」となっています。つまり避けたい場所の筆頭が老人ホームなわけです。

つまり、老人ホームに入る人と、老人ホームを検討する人との間にこれほどまでのギャップが生じているのです。

こういう声が聞こえてきそうです・・・。

「そんなこと言われなくってもわかってるわよ。うちの親だって老人ホームに入りたくないことぐらい、私にだって推測できるわよ。でも、仕方がないのよ。一人暮らしだし、ボケてきたし、いつこけて骨折しちゃうかもわからないし…。やむを得ないのよ。」と。

そうなんです。仕方ないんです。本当にやむにやまれず老人ホームという選択肢は選ばざるを得ないから検討するわけです。

けれども、老人ホームを検討する際に「あるある」なのは、「私の住んでいるところに近い方が時々顔を見に行ってあげやすいから実家の近くよりいいわ。」
とか、「本人の年金と預貯金が減っていくとあと15年も生きられたら、こっちが破産しちゃうわ。もっと、安い老人ホームを探さなきゃ。」とかですかーぬ。

上記の言い分は至極当然で否定するつもりは全くありません。
でも、人間立場が違うと親子だろうと兄弟だろうと利益は変わってきます。いくら親が住み慣れた地域で同じ方言で話ができる人たちの間で暮らしたいと思ってもそれがかなわないこともあります。本人の預貯金があると言っても人間の寿命がわからない以上コストを考えて抑えようとするのは当たり前のことです。

私は、娘さんや息子さんが親御さんのことを考えながらも、いろいろと葛藤しながらも結果的に子供の都合で老人ホーム選びをすることになることは、仕方がないことだと思います。そのことで自分達を責めろということでもありません。正しい答えなんか誰にも見つけられないからです。

ただ、老人ホームに入るのはあなたの大切な人であることは間違いありません。老人ホームを検討する人が妥協できることが一つでもあるなら、老人ホームに入る人のことを第一に優先して考えてみてあげてください。どれぐらいその老人ホームで生活することになるかは人によって千差万別です。
1年かもしれないし、10年以上かもしれません。少なくとも車を選んだり、生命保険を選んだりするよりは大切な選択になるのではないでしょうか。

ただし、ほとんどの方が、急いで老人ホームを探さなければならないという状況に立たされます。それについてはまた後日語りたいと思います。

最初に結論を書いた通り、老人ホームを検討する際に最も肝心なことは、大切な人のことを想って、想い続けて老人ホームを検討してあげるということです。「自分の都合で選ぶのではなく、自分が老人ホームに入るとしたら、自分がしてもらいたいと思う基準でホームを選ぶ」ということです。

はっきり言ってこれが一番難しいことです。冒頭にも書きまいたが、老人ホームに入る人と老人ホームを検討する人の利益は部分的に一致する場合もありますが、かなりの確率で一致しない部分の方が多いからです。

もしあなたがその人を愛しているならばその愛は行動で示さなければいけません。

親孝行は死んでからではできませんからね。


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