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初めてのオーリー|スケボーの記憶 #3

こんにちは。この前久しぶりに『メッセージ』という映画を見たら、ラストでうるっときてしまいました。あれは名作ですね。

さて、前回はスケボーを入手するまでのお話でした。北斗の拳的なグラフィックの安物スケボーをゲットして、ついにスケボーに乗りはじめた僕です。

今回は「初めてのオーリー」ということで、その練習の様子を思い出してみます。

あとこのシリーズでは、ちょこちょこ解説的なことも書いていきます。Youtubeで何十本と解説動画をつくってきたのもあるので、「スケボーしたことないんだけど」という人を想定しつつ、できるだけわかりやすく、スケボーの日々を書いていくつもりです。記憶をたどったり、間に解説を入れたり、というイメージです。

〜〜〜解説入ります〜〜〜

いきなりオーリーということになっていますが、スケボー練習においては、その目的が「技がしたい!」であっても「移動を楽しみたい!」であっても、まずは"滑る"ことに慣れることが先決です。なのでこうして書いていると、ぼくがあたかもスケボーデビューから数日でオーリーに着手した、みたいなイメージになっていますが、最初はしばらく滑る練習、ターン(左右に曲がる)、チックタック(左右に振って遠心力で進む)などをある程度やっていたと思います。これらが完璧にできるようになってからオーリーに移行した、とまでは言いませんが、オーリーの前にそこそこやっていたはずです。はず。

なんでこれが大事かというと、スケボーの技を練習するときにでてくるステップとして「止まってやる」と「滑ってやる」があるからです。オーリーにおいても最初は止まって練習なのですが、本番は滑ってやる状態です。止まってのステップは大切ですが、それはあくまで自転車の補助輪をつけている状態だと理解ください。

それでいよいよ本番だ!ということで滑ってやってみると次元が違うんですね。別の技なんじゃないかと思うくらいに違う。だから、この時点でそもそもスケボーで滑ることに慣れていないと、バランスをとることに余計な集中力がとられてしまい、なかなかうまくいきません。そういう意味で、技の練習をする前にまずは滑りに慣れることが大事、というお話です。

ただ、当時のぼくはなんといっても中学生ですので、今でこそこうやって説明はできますが、もしかしたら、そこまで滑るのに慣れていないのにオーリーの練習に移行したかもしれません。そこはあまり覚えていない。

「オーリー」という技は、聞いたことがある人は多いかもしれませんが、簡単にいってしまうと「ジャンプ」です。スケボーの板に乗って、パーン!と地面を叩いて、板と一緒にジャンプする。知らない人からすると「どういう原理!?」と驚く技です。気になる方はYoutubeで「オーリー」と検索すればたくさん出てきますので、チェックしてみてください。インスタでもいいと思います。

これはどのスケボーの技でもそうなのですが、練習するなかで最終的に大事になってくるのは、各動作のタイミングです。ぼくはプロでもなんでもないので、あくまでその程度のスキルにおいての解説にはなりますが、例えばオーリーでいうと「後ろ足でテールを弾く」「体でジャンプする」「前足を擦る」「前足でノーズを押す」「空中で待つ」「着地」みたいな動作に分解できたりします。

それで最初はもちろんぜんぶできないので、それぞれの動作をひとつずつ練習していくわけです。テールを弾く強さはこんな感じか、前足の擦りはこれくらいか、とかってそれぞれの動作の力具合をつかんでいきます。そうやって練習していくと「あとはやってみるだけだ」となります。覚えた各動作を総動員してぜんぶやってみる。でもうまくいかない。

うまくいかない理由というのは人それぞれなのでなんとも言えないですが、スケボーは体を使うものなので、理屈ではない。最初は理屈で「こうか」と脳で理解するわけですが、それを何十回と繰り返して筋肉に覚えさせていかないといけない。マッスルメモリーってやつですね。

各動作ができていてもタイミングがずれるとうまくいかないので、それは脳をつかって「次はこれやって」と考えていても間に合わない。だから無意識レベルに最終的には落とし込む必要があります。瞬間的に力を入れて、あとはリラックス、そしてタイミングが命です。最初は理屈から入るけど最後には無意識レベルに落とし込む。

〜〜〜解説おわり〜〜〜

スケボーの技を練習するってどういうことなのか、というイメージをつかんでもらいたかったので、ちょいと、いや、ちょっと多めに解説を入れました。あくまでぼくのイメージなので、スケーターによって違うし、もっと細かい意識があったりしますが、あくまでイメージとしてご想像ください。

ちょっともう2000字いきそうなので、これはさすがにサブタイトルを入れます。今回は特別です。

オーリーの練習

ロビン大先生にオーリーを教わったわけですが、鮮明に覚えているのが止まっての練習です。たしか、家の前あたりのゆるやかな坂で練習していた記憶があります。ヒロくんも一緒に練習していました。

家の前で初めてのオーリーをメイク(スケボーでの成功をこう呼びます)した僕ですが、初心者からするとオーリーって成功したかどうかの境界線がわかりずらい技でもあるんです。

教える側からすると、ちょっとでも両輪(4つのタイヤ)が浮いたら「いまオーリーだよ!できたじゃん!」と言っちゃう、要するにメイクだよ!という感じなのですが、練習している本人からすると「え?いま飛んだの?」という感じ。当時はスマホなんてなかったですが、もし動画が撮れるんなら、そこで確認してみて「お!飛んでる!」とわかるレベル。

オーリーってやっぱり「空中でボードが平行になる」ことが成功、みたいなイメージがあって。これは完成度の問題で、最初は斜めに浮いて、そこはすでにメイクだとして、それで完成度を高めていって綺麗にしていく、という感じ。

だから当時のオーリー練習においては、「ぬおー!できた!」という成功感情というのはそこまで残っていません。ロビン先生に「できたじゃん!」と言われたことで「できたんだ」と認識していった感じかもしれません。

ということで「初めてのオーリー」というタイトルをつけておきながら、そこまで思い出せる量の記憶がない、、、、という。いや、もちろん当時めっちゃ練習していただろうし、毎日とか。いよいよ滑ってオーリー練習するときに「なんだよこれ!ぜんぜんちがうじゃん!むず!」ってなっていたのだろうと思います。ただ、その辺の記憶はあまり鮮明ではない。

というか、ぼくは未だにオーリーに苦労しています。34歳になっても。基本ではありますが、深い。オーリーの調子が悪いと、他の技にも影響する。それくらい深い技ではあるから、「オーリーできた!」なんて思うことは一生ないとさえ思います。

そしてこうやって思い出してみると、はじまりは、家の前の坂だった。そのときは「え、これできてるの?」という感じからはじまって、その後の2年間のスケボーの日々で、毎日ちょっとずつ完成度を高めていったんだろうなと思います。

今回はこのへんで。ではまた。

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