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黒船到来|スケボーの記憶 #6

前回の投稿から2週間近く空いてしまいました。飽きたわけではありません。ちょっと小休憩ということで。

「スケボーの記憶」は、中学時代を過ごしたサイパンにてスケボーに夢中だった頃を、34歳になってから振り返っている不定期投稿シリーズです。
過去投稿はマガジンからどうぞ

前回は、キックフリップという技がいかに「ほんとにできるん!?」という都市伝説的なものだったかをお話しました。ビデオの中でしか見たことがなかったのですが、友達が成功した途端「できるんだ!」とみんな成功しだしたのです。

今回のテーマは「黒船」です。なんだか「すごいやつが来たのか」という雰囲気が感じられるかもしれませんが、そんな感じです。サイパンでスケボーしていたら、レベルが違うスケーターがやってきた...というお話です。

そのスケーターはどこからやってきたかというと、グアムです。サイパンの近くの島であり、飛行機で10分の距離。

サイパンはとても小さい島で、端から端まで車で30分くらいで移動できます。人口は約6万人、サイズは石垣島の半分くらいなイメージでしょうか。まぁとにかく小さくて、村みたいな感じで口コミはあっという間に広がります。

一方でグアムのサイズはサイパンの5倍、街の発達具合もぜんぜん違います。サイパンは「南国だなぁ」って感じですが、グアムは「アメリカだなぁ」という感じがしたように記憶しています。サイパンからグアムに行くと、地方から東京にでてきたみたいな差があります。たぶん。

そんな場所からやってきたスケーターの名前は、スコットです。彼は歌もドラムもギターもめちゃくちゃうまいのですが、スケボーもめっちゃうまかった。(hey Scotty what's up bro🤙🏻)

​スコットがサイパンにやってきたときの当時のぼくのスケボースキルというと、FS BS 180オーリー、キックフリップ、50-50 5-0グラインド、ボードスライドくらいな感じだった気がします。そこに180フリップとか360フリップとかも練習していたような。中級って感じですかね。

そんなぼくの前に360フリップから50-50グラインドかけちゃうスケーターが現れるわけですね。360フリップというのは、板を横に360度、縦に一回転入れる技で、スケボーを知らない人が見ても一番派手にみえる豪快なトリックです。

ちょっとスケボーの技名だとわからない人もいるかもしれません。イメージとしては、普段ぼくががんばってやっている技を、スコットは「おれは目隠ししながら左手でできるよ」みたいに言われた気分だったわけです。(伝わってるかなぁ...笑)

とにかく、ちょっとレベルが違いすぎてびっくりしたんですね。ほんと「黒船きた...」って感じでした。「ライバルの存在って大事だよね」という話はまた別の投稿でしようとは思っていますが、スコットはライバルとも思えないレベルでした。

今までは、サイパンのスケーターといえば僕の友達くらい。そうした小さいコミュニティ内での切磋琢磨だったのが、スコットがグアムから到来したことで別次元の世界を見せつけられました。

たしか当時ステア(階段)もぼくは飛んでいたのですが、最高でも5〜6段だったと思います。スコットは「10段をキックフリップした」とか言い出します。ちょっと言っていることがよくわかりませんでした。

「ものすごい刺激」「圧倒」「レベチ」「別次元」など、いろいろと表現できるかもしれませんが、スコットという存在に出会うことで自分のレベルを相対的にみることができたし、ショックもうけたし、悔しいとも思いました。そうやってみんながんばっていくんでしょうか。たぶん、ぼくもそうやって練習量をブーストした気がします。

今回はちょっと短めということで、この辺で終わりにします。ではまた。

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