InDesign 「パッケージで孫リンクの画像まで収集できる」 スクリプト

今回は、ＸでInDesignスクリプト作成のリクエストをいただきました。
「InDesignのパッケージで、孫リンクの画像まで収集したい！」というわけで、早速、作成してみました。

孫リンクとは？

例えば、InDesignドキュメントにリンクしているIllustrator画像（子リンク）があったとします。このIllustratorドキュメントにさらにリンクしているPhotoshopなどの画像があった場合、InDesignドキュメントから見ればそれはリンクのリンクになるというわけで、孫リンクとなります。この孫リンクのPhotoshopなどの画像ですが、InDesignのデフォルトのパッケージ機能では収集されません。
なお、孫リンクの親となる子リンクですが、Illustratorの画像（.ai、.eps、.pdf）に限定しています。もしこれ以外の画像に孫リンクがあったとしても、それは収集されません。

使い方はInDesignのパッケージと同じ

InDesignでパッケージしたいドキュメントを開いて、スクリプトを実行します。するとInDesignのパッケージと同じ過程で、現在開いているドキュメントのパッケージが作成されます。
唯一、InDesignのパッケージと違う点は、パッケージ後のフォルダ名の末尾に「～フォルダー」と付きません。現在開いているドキュメントと同じ名前のフォルダが作成されます。そのため、ダイアログで指定された「保存先」に同じ名前のフォルダがすでに存在している場合、「同名のフォルダがすでに存在しているので、処理を中止します。ダイアログの保存先で、違うディレクトリ（階層）を選んでください」というアラートが表示されます。このアラートが表示された場合は、再びスクリプトを実行して表示されるダイアログの「保存先」から「フォルダ選択…」をクリック、別の場所を選んでから再び「パッケージ」を実行してください。

Illustrator上で、孫リンク（Photoshopなどの画像）がリンク切れを起こしていると、正しく収集されません

ですので、もしスクリプトで作成したパッケージフォルダ内のLinksフォルダの中に孫リンクのPhotoshopなどの画像が無かった場合、このリンク切れを疑ってください。その場合は、Illustrator上で正しく再リンクされると、スクリプトの再実行で孫リンクも正しく収集されます。

パッケージ後、Illustratorファイル（子リンク）とPhotoshopなどのファイル（孫リンク）のリンクパスが正しく更新できていないが…

Illustratorで、パッケージ後のIllustratorファイル（子リンク）を開いて、リンクされているPhotoshopなどの画像（孫リンク）のパスを調べてみると、孫リンクのパスが、パッケージ前の元の位置のままになっています。
これを更新する手立ては無いのですが、でもこれが不思議なことに元のリンクが切れると、近場の同名ファイルと自動的に再リンクされます。だから、他のパソコンにパッケージを移した場合などは、正常なリンクのパス（パッケージの中のLinksフォルダのパス）に自動的に再リンクされるので、これで良しとしました。

孫リンクに同名のファイルが存在する場合は？

パッケージの実行途中で「ファイル “＊＊＊＊＊” は既に存在します。上書きしますか？」とアラートが表示されます。ただ「上書きしますか？」と聞かれても、どっちを残すのかわからないと思うので、一度パッケージをあきらめて、Illustratorで全ての孫リンク画像のファイル名が重複しないようにファイル名を付け直すのが得策です。

オプション「プリフライトのエラーを無視」について

このオプションにチェックが入っていると、プリフライトでエラーが出ていてもパッケージが実行されます。元々プリフライトでエラーが出ていない場合は、このオプションにチェックが入っていても、チェックが入っていなくても同じ動作をしますので、通常はチェックを入れたままにしておいてください。
他のオプションは、InDesignのパッケージのデフォルトと同じものなので、機能の詳細がわからない場合は、Googleなどで検索してください。

オプション「出力仕様書の作成」について

このオプションにチェックを入れても、InDesignのデフォルトのパッケージ機能のように、会社名や電話番号、電子メールの入力を促す画面は表示されません（スクリプトでそれを実現する方法がわかりませんでした。わかり次第、バージョンアップで対応します）
ただパッケージ後のフォルダ内に出力仕様書自体は作成されるので、もし会社名や電話番号、電子メールなどを書き加えたければ、その出力仕様書をテキストエディタで開いて、適宜必要事項を書き加えてください。

「孫ファイルの保存先」について

ダイアログ最下段にある「孫ファイルの保存先」ですが、「Linksフォルダ」を選ぶと、パッケージフォルダ → Linksフォルダ内に、子リンクファイルに混ざって孫リンクファイルも保存されます。一方「Links/Linksフォルダ」を選ぶと、パッケージフォルダ → Linksフォルダの中にさらにLinksフォルダが作成されて、孫リンクファイルは全てそこに保存されます。

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