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介護職員が病院受診に付き添う時、必要なこと

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私は特別養護老人ホームに勤めています。施設にいる職種は介護職、事務職、看護職です。サテライト施設なので栄養士や機能訓練指導員などは本体施設との兼務なので普段はいません。介護支援専門員と生活相談員(以下「相談員」とする)は介護職員が兼務しています。

病院受診を得意とする介護職員は私の施設にはいません。みんなできれば「誰かがやってくれればいい」と思っています。

私も得意な方ではありません。医師とのやりとりは毎回緊張します。特に「初めまして」の医師は余計に緊張します。

同じ会社の系列施設は病院受診には『相談員と看護職員』のペアで行くことが多いです。介護職員はほとんど付き添いません。なので介護職員が行くことにはまだまだ抵抗があります。

介護職員のみんなが少しでも病院受診が得意になるよう、私が病院受診の時に”準備”していることをシェアしていきます。

1.既往歴、現病歴を把握する     

①既往歴

・相談記録、診断書、診療情報提供書

②現病歴

①と重複することが多いです。入居後に新たに病気が追加されることあります。介護記録を遡って「いつ、どの病院で、どんな検査し、診断名、処方された薬、経過はどうか」を把握します。看護職員は独自で『看護記録』を残していることあります。医療職の視点から記録しているので同じ医療職である医師に対して有効な情報が眠っていることが”よく”あります。

2.ご家族はどう思っているのか

ご家族もそれぞれ。心配で心配で仕方がない方いらっしゃいます。反面、「高齢だから」と積極的ではない方もいらっしゃいます。

どちらが正解とかではなく、私たちはご家族が選択したことを全力で実現できるようにサポートするだけなのです。

ご家族は「私たちに決めろと言われても知識ないしどうしたらいいかわかりません」となるともしばしば。

そんな時は“道“を示します。

例えば食事が食べれなくなってきて心配だから病院で診てもらいたい。
①点滴だけして施設に戻ってくる

②精密検査し薬が処方され施設での生活が継続できる

③入院したまま施設には戻ってこれなくなる

①②はご家族でも予想がつきます。③は「まさか」と思うかもしれません。

③の場合、食事が食べれなくなると点滴か経管栄養(鼻腔、胃瘻)となります。医療行為が多くなります。私のいる特別養護老人ホームは看護職員がいますが24時間、365日施設にいるわけではありません。医療行為が必要な方を受け入れたくても環境が整っていないので、やすやすと「点滴も経管栄養の方も受け入れできます!」とは言えません。

ご家族には③の可能性があることを話した上で「食事食べれなくなってきています。病院に受診して診てもらうことできます。ただ、①②③のような選択が受診の先にあります」とお伝えします。なるべく、専門用語は使わずに誰もがわかる言葉を選んで。

1.2.の準備ができれば医師を前にしても緊張せずに話せるかなと思います。

私は「出来れば病院受診は付き添いたくない。誰かやってくれ」と思っていました。年々嫌な業務はまわってきます。経験があるからという理由だけで。「苦手だから」と逃げていても進みません。失敗して恥をかいたことたくさんありました。

結局は”数を重ねること”です。

入居者さん、ご家族が納得した選択できるようにサポートしていきたいですよね。

一緒に頑張りましょう。





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