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　鬼ごっこでは鬼に追われる者がまた鬼であり、かくれんぼでは隠れる者がまた探し出す者である。呼ぶ者は応える者であり、まなざす者はまなざされる者であった。
　あなたは羽ばたきながらわたしの元にやって来て眠るわたしを見て微笑んだ。その頃川辺で釣りをしていた私は誤って鈎針をのどに刺してしまって、苦しさでもがき苦しんでいる内にびくの中へ収められた、わたしが目を覚ますとあなたはたった今釣り上げて来た大きな鱒を見せてくれたので早速わたしたちは腹を裂いて腑(はらわた)を取り出すとよく塩をもみ込んで戸棚へしまい込んだ。明日の婚礼の御馳走になるのだった。
「肉もほしいね」とわたしがあなたに言うので、あなたたちは勢い良く羽ばたくと山へ駆け上がっていって、崖を登っていた山羊を見つけると連れていた二匹の仔を射貫き、めいめい背負って山を下りた。首を切られ、逆さまに吊るされたわたしたちは腹を裂いて腑を取り出されるとそのまま翌朝の婚礼までぐっすりと睡(ねむ)りました。
　婚礼はとても盛大に行われたので、あなたと、あなたたちのために召し上がられるわたしたちも感激のあまり大皿の上で踊りを踊りました。わたしたちはニコニコとそれを見ていた。年寄りが厳かな言葉を長く長く唱えると、二人はもう赤子のようになって、つやつやとした頬をいっそう赤くつやつやとさせて、ふっくらとした手をパチパチと叩いて笑いました。そしてこれが翌日行われるすべてのことでした。