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企業公式Twitterの成果を数値化する方法<正解無いけど納得感を作る>

そもそもSNSの成果とは何か。業種や運用の目的、ビジネスモデルで全く異なるのでみんな違ってみんないい。マスメディアとして活用したい、ECサイトに誘引したい、などの目的であればインプレッション数やURLのクリック数を確認すれば、計画値と比べてどうとか、他メディアと比べての良し悪しもわかりやすいですよね。一方で企業公式アカウントってリアル店舗の客数増には効いているのでしょうか?

はじめに

先日開催した外食チェーンのTwitter担当者ミートアップでお話したテーマの中で、今回は目標管理について書きます。対象の業種としては飲食店など店舗をもったサービスを想定しており、かつ「もちろんゴールは売上や客数だけど、SNSってそればっかりじゃないし、もっとこう・・・あるだろ・・・」的な気持ちをもっている同志の参考になれば嬉しいです。

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効果を考える上で一番大事なこと

冒頭から過激なことを言いますが、SNSがもたらすリアル店舗の来店効果を計測するのは不可能です。そういったソリューションもありますが、実際に使ってみた個人の感想ですが、精度に大きな不安を感じます。まずは大切な前提条件を3つ書きだします。

【効果測定の前提条件】
・事実は絶対にわからない(令和2年現在)
・わからないことをどうやって調査するか考えても時間もったいない
・わかる数字だけでがんばる

つまり効果の真実はわからないが、アナリティクスなどで見える数字を活用して、自分自身や上司が納得できるロジックを組み立てることが最善だと考えます。なので効果測定ではなく、タイトルは「成果を数値化する方法」としました。

成果を強引に数式で出してみる

Twitter以外にもほかのプラットフォームやメディアで広告を出していると思います。自社でもっている色々な数字を引っ張り出して考えてみましょう。

◆Twitterで確認できる数値
フォロワー数、インプレッション数、いいね数、RT数、引用RT数、リプライ数、プロフィールのクリック数、リンクのクリック数、エンゲージ数、エンゲージ率、UGC数
◆それ以外で持っている数値(各社さんで異なります)
客数、客単価、売上高、クーポンの利用率(ポスティング、折込チラシ、店頭配布、アプリ、メルマガ、そのほか)、TVCMの来店効果(放映有り無しエリア比較、PrePost比較など)、デジタル広告CTR、動画広告再生数・再生単価、自社サイトPV、デジタル広告来店率、ブランドリフト調査、来店者アンケート、商品販売数

オンラインからオフラインへ。デジタルからリアル店舗への実績がわからないのが今の課題ですが、わかる数字を組み合わせてみましょう。業種や社風、経営陣の考え方、あるいはSNS運用の目的によって目指すところは変わりますが、今回は式の左辺は「ツイッターによる来店客数」で置きます。いくつかパターンを考えてみました。

①クーポンの利用率で試算する
クーポン配布の分母(紙なら配布母数、デジタルならリーチ数など)が異なりますがそれらを平均した利用率を当ててみてはいかがでしょう。

来店客数=他媒体のクーポン利用率×ツイッターエンゲージメント数×調整率

インプレッション数だと数値が大きすぎるので、何かしら関心を持った人に絞ってエンゲージ数がおすすめです。調整率は、他媒体のクーポンは店舗周辺にエリアセグメントしていること、クーポン利用はディスカウントによる来店であり通常投稿(値引きなし)での利用の方が来店率は少なくなるであろう分を調整します。

②デジタル広告のストアビジットで試算する
リアル店舗の来店コンバージョンを確認できるソリューションはすでにあり、一定の精度の高さを私個人としては感じています。その来店率を用います。

来店客数=GDNインプレッション数×GDN来店コンバージョン率×ツイッターインプレッション数×調整率

バナー広告を見て(表示されて)お店に来た人の率が0.05%(これは実績)、ツイッターのインプレッション数が100,000人なら、ツイッターの来店見込み客数は50人と試算できます。スマホに表示されるバナー広告のインプとツイッター投稿のインプが持っている来店誘因力っておおよそ近しいかなと思ったのがヒントになりました。
しかしGDNは店舗立地に合わせてエリアターゲティングをするケースがほとんどだと思うので、それができないツイッターオーガニック投稿で試算する場合は調整率で加減してもよいと思います。

また、客単価や商材によってはインプレッションではなくエンゲージで計算もできますね。GDN側もクリックに対してのコンバージョンも取れます。

試算の答え合わせもしてみました

Google広告での来店コンバージョンの数字があれば(もしくはこれから活用の予定があれば)②の計算方法がよりリアルだと思います。
公式SNSの運用開始からずっとGDNの来店コンバージョンを使った式でレポーティング・目標管理をしていますが、3年目のよい機会なのでインテージさんのMMM(マーケティングミックスモデリング)で確かめ算をしてみました。

MMMとは平たくいうと、一定期間の客数実績や天気、媒体別広告費、投資エリア、実施キャンペーンなどをもとに媒体の広告効果を分析します。媒体毎のROIがアウトプットされるので次のアクションを考えたり、今の戦略の正誤を確かめられます。

そこで確認できたツイッターの媒体効果と②の試算した来店率が近しい数値になりました。これはちょっと驚きましたが2つの数字の差はたった100分の2ポイントでした。

KPIに使う数値

整理しましょう。KGIとして目指す数値は来店客数です。ただそれは実績の証明ができないので、KPIで目標管理します。つまりKPIがクリアできていればKGIが達成できているとみなします。

来店客数=GDNインプレッション数×GDN来店コンバージョン率×ツイッターインプレッション数×調整率

なので、重要KPIはツイッターインプレッション数ですね。目標あるいは計画の客数に対してどれだけのインプレッション数かを計算し、年次、月次、週次で管理すれば日々の運用においても打ち手や投稿数を考えやすくなります。

インプレッションの内容や質は見ていない

そうです。インプレッションにも色々あって、キャンペーン告知など来店につながりやすい投稿もあれば、天気の話など会話ツイートもあると思います。さらにはフォロー&RTキャンペーンも、インセンティブ目当てによるRTが多いので来店に寄与しない、という声もよく聞きます。

駅前を歩いて看板を見つけてランチするお店を選んだ体験はありませんか?ツイッターでも同じで、訴求内容だけでなくオーガニック投稿のロゴアイコン(プロフィール画像)が目に触れるだけでも思い出すきっかけになると考えています。↓の記事が詳しいです。

予算の獲得やレポーティングの方法についてはまた次回にします。数値化よりも社内への理解を深めたい方は、前回のnoteを見ていただけると嬉しいです。

  \いつもはツイッターにいます!/


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