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馬主になるには②(実は馬主要件が緩和されていた…!)

先日記事にした「馬主になるには」が好評だったので、その続きを書いてみる。

前回の記事の振り返り

前回の記事で、個人馬主になるための経済的な条件として、

1.過去2年間の所得金額が1,700万円以上
2.保有資産が7,500万円以上

の2つを満たす必要があると書いた。
これらの条件を満たすのは開業医、東証1部2部の役員などが該当するが、働いている人の約0.5%かなりハードルが高い

しかし、調べていくと「ちゃんと」この条件を満たさなくてもよいことがわかった。

緩和された条件

実は平成25年(2013年)に次のように緩和されている。

1.総資産のうち、流動資産の10分の1を所得に換算することができる(ただし、最低所得額は500万円)。
2.直近2ヵ年の低いほうの所得から基準額を差し引いた額の3倍の金額を資産に換算することができる。

条件をクリアできるのは例えばこんなケースだ。
ケース1:所得700万円、流動資産1億円
ケース2:所得3,000万円、資産3,600万円

計算過程を書いてみるとわかりやすい。
ケース1の場合

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ケース2の場合

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いかがだろうか。
当初よりも条件が緩和されている(ハードルが低くなっている)のがわかるだろう。

どうやって緩和された条件をクリアするか

それではどうやってケース1の条件を目指すかを考える。
(ケース2はかなり限定的だと思われるので割愛する)

所得金額700万円の壁

仮に給与だけで目指すとすると、給与収入で約900万円必要になる。
例えば、不動産営業、金融営業、SE、大学教授、記者などが挙げられ、働いている人の約6.7%が該当する。
(ちなみに、商社、コンサル、外資系企業、監査法人、病院勤務の医師、弁護士などは給与収入が約1,100万円のようだ)

保有資産1億円の壁

現実的な方法として①資産運用②ストックオプションの2つが考えられる。

まず資産運用について、金融庁のHPで複利シュミレーションをしてみると、毎月12.5万円を積み立て、年利5%で運用すると30年で1億円を達成できる。
生活資金がそれなりにあり、12.5万円を投資に回す余裕があれば、時間を味方にして1億円を達成できる。
(改めて複利のすごさを実感する)

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もう一つのストックオプションは、時価総額と付与された割合によって資産を計算できる。
例えば、時価総額が1,000億円の会社で、株式全体の0.1%のストックオプションを持っていたら、1,000億円 × 0.1% = 1億円となる。
Yahooファイナンスで直近5年間に上場した会社を調べると、1,000億円を超えているのは519社中39社約8%)だった。

(参考:直近5年間に上場した会社の時価総額(現在)と会社数。筆者調べ)

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つまり、スジがいいベンチャー企業に入りストックオプションを付与されれば、資産1億円の可能性があるということだ。
(ただし、ベンチャーに行くということはそれなりのマインドが必要であるし、ストックオプションが付与されるかは会社による。また、0.1%というと少なく見えるが、おそらく部課長レベルでないと難しいと思われる)

ちなみに、不動産(土地、建物など)は流動資産ではないため、10%ルールを適用できないことに注意したい。

まとめ

個人馬主になるためのハードルは高いが、前回の記事より少し現実的な気がしてきた(手触り感が出てきた)。
実はJRAのHPにも緩和基準は公表されておらず、意外と知らない人も多かったのではないか。
もっと調べてみるといろんな発見がありそうなので、次回も楽しみにしてほしい!

参考情報

馬主になるための要件(JRA)
・年収の分布(国税庁) https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf
中央競馬の個人馬主登録の要件(社台グループオーナーズ)

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