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【札幌市内全駅下車】麻生駅・新琴似駅・太平駅・百合が原駅(札幌市営地下鉄南北線・JR札沼線)

久しぶりの投稿です。
バタバタしていた上に天気が悪く、更新が滞ってしまいました。
遅くなってしまい、申し訳ありません。
お詫びと言ってはなんですが、今回は一気に4つの駅をめぐりました。
そこそこのボリュームになるかと思いますので、お楽しみいただければ幸いです。
では、早速始めましょう。

1.麻生駅から新琴似駅へ

麻生駅1番出口

いくつかの仕事に目処が立ち、ようやく出かけられる余裕ができた。
以前友人と太平駅の話になったことがあったため、行ってみようと思い立つ。
せっかくなので、周辺の駅もいくつか一緒にめぐることにした。

まずは札幌市営地下鉄南北線の終着駅、麻生駅に降り立った。
乗降客数は31,706人で、南北線ではさっぽろ駅や大通駅に次ぐ第3位である。
駅前はマンションや商業施設が軒を連ね、特に若い世代が好みそうな店が多い。

JR新琴似駅の方向を示す案内板
麻生駅から新琴似駅へつながる道は大きくカーブしている。かつては札幌市電鉄北線が走った

JR札沼線の新琴似駅は、麻生駅の1番出口から約300mの距離にある。
歩くと5分ほどだが、実はこの道のりに興味深いエピソードがある。

地下鉄が開業する前、札幌市の公共交通の主役は市電だった。
かつて麻生駅付近には札幌市電鉄北線が伸びており、1964(昭和39)年には麻生町〜新琴似駅前間が延伸開業している。

延伸で新たに設けられた停留場は名前こそ「新琴似駅前」だったが、札沼線の新琴似駅から200mほど離れた場所にあった。
一見すると不便に思えるが、なぜこの距離が生まれたのか。
実は札幌市電鉄北線の延伸は国鉄との接続が主目的ではなく、新琴似地区にバスターミナルを設置して市電との乗り継ぎ拠点とし、郊外地区との連絡を図ることに主眼が置かれていたのだ。
新琴似駅前はバスアンドライドの拠点として機能したが、鉄北線は1974(昭和49)年に廃止され、バスターミナルも2年後の1976(昭和51)年に廃止となった。
交通体系の変化を受け、新琴似駅周辺での市電を中心としたバスアンドライドはわずか10年で解消されてしまったのだ。

新琴似駅は2000(平成12)年に高架化工事が行われ、近代的な高架駅となった。
駅前ロータリーにはかつて建っていた倉庫のレンガを活用したモニュメントが立っている。

2.臨時乗降場から駅に昇格した百合が原駅・太平駅

百合が原駅

JR札沼線に乗り、2つ先の百合が原駅で降りる。
当駅は1986(昭和61)年に行われた全国都市緑化フェア「'86さっぽろ花と緑の博覧会」に伴い、臨時乗降場として設置された。
近隣住民から常設要望があり、1987(昭和62)年の国鉄民営化と同時に駅へ昇格している。

百合が原公園の入口

百合が原公園は、当駅から歩いて5分ほどのところにある。
1983(昭和58)年に開業した公園で、敷地面積は25.4ha。
公園の名称にもなっているユリをはじめ、ライラックやバラなど四季折々の花が楽しめる総合公園だ。

百合が原公園の遊覧鉄道「リリートレイン」

百合が原公園には、「リリートレイン」という遊覧鉄道が走っている。
1周1.2kmほどの距離を約12分かけて走るのんびりした路線だが、侮ってはいけない。
線路と枕木は旧国鉄で使用されたものを再利用し、軌間はJRの在来線と同じ1,067mm。
先頭の気動車が5両の客車を引っ張り、複数の踏切も設置されている。

せっかくなので、リリートレインに乗ってみることにした。
料金は高校生から64歳まで350円、小中学生と65歳以上は250円である。
遠足で来たと思われる子どもたちが先頭車両付近に固まっていたため、私は後ろから2両目の車両に乗った。
走行速度は歩くスピードとほとんど変わらないが、歩行者は列車を見ると皆手を振っている。
車内にはスタッフによる見どころや見頃の花を紹介するアナウンスが途切れなく流れ、飽きることはなかった。
季節や曜日によってダイヤが異なり、おおむね20〜30分間隔で運行されている。

リリートレインの駅舎にはレストランが併設されており、ちょうどお昼時だったので味噌ラーメンを食べた。

太平駅

百合が原公園を後にし、太平駅に向かう。
太平駅も百合が原駅と同じく、臨時乗降場として開業した駅である。
国鉄民営化と同時に、駅に昇格した。
なお、新琴似駅まで高架線を進んできた札沼線は、当駅に向かう途中で地上に降りる。

駅前は住宅ばかりで、店舗は少ない。
臨時乗降場が揃って駅に昇格している歴史を見ると、一帯の宅地化が急速に進んだことがよくわかる。

太平駅付近の住宅街は国道231号線、東8丁目篠路通、琴似・栄町通に囲まれるように建っている。
一帯はかつて烈々布(れつれっぷ)という地名だったが、1937(昭和12)年の字名改正で篠路村太平となった。
太平の由来は平坦な地形であること、平和を意味する言葉であることから。
付近を歩いてみたが、たしかに坂はなかった。

大通り沿いにはファミリー向けの飲食チェーンなどが多く、車を持った世帯であれば暮らしやすい街だろう。
ちなみにこの日の最高気温は20℃ほどで、半袖のTシャツ1枚では寒かった。

3.おわりに

駆け足で太平駅周辺を散策し、札沼線に飛び乗った。
20〜30分に1本というダイヤ設定は、首都圏で育った人間にとっては少なく感じる。
こうした時にベンチでゆっくり過ごすのは案外楽しいものだと、再認識することができた。

今回は一気に4駅をめぐった。
次回はどこに出かけようか。

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