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音楽とお笑いの1ヶ月

2月は、個人事業主にとって憂鬱な月の一つだ。
確定申告をしなければならない。
1年間の結果と嫌でも向き合う必要があるし、現実を見て今後どうしていくかを考えていかざるをえない時期でもある。
そういった憂鬱を少しでも晴らすためなのか、たまたまなのか…今月は二つのドームに行った。
音楽とお笑いは、私にとって重要な気分転換ツールである。
今回は2つのカルチャーについて、体験を交えながら話してみたい。


1.Queen+Adam Lambert(札幌ドーム)

私がクイーンを知ったのは、中学生の頃だった。
NHKで放送されていた氷川きよしさんの冠番組「きよしとこの夜」に、テノール歌手の錦織健さんが出演された回を見たのがきっかけである。
この回では学生時代クイーンに熱中していた錦織さんと氷川さん、グッチ祐三さんの3人で「Crazy Little Thing Called Love」、「I Was Born To Love You」を熱唱。
この2曲がきっかけで、私はクイーンに興味を持つことになる。
10代の頃から、クイーンは私にとって特別なバンドだったのだ。

そんなクイーンが2024年2月に来日するという知らせは、私を熱狂させた。
42年ぶりという札幌公演のチケットを取り、2月10日を待ったのである。

札幌ドーム公演のみスペシャルゲストとして地元出身であるGLAYが登場することとなっており、会場にはGLAYのファンも多かった。
30周年を迎えるベテランだけあって、盛り上げが非常に上手い。
初めてライブを鑑賞したが、素晴らしかった。

メインのクイーン。
セットリストは往年の名曲を多く含んだ豪華なもので、ちょうど発売40周年を迎える「The Works」からの選曲が多かった。
アダム・ランバートのボーカルは2020年の来日時にも聴いているはずだが、その圧倒的なパフォーマンスにさらに磨きがかかっているように感じられた。
アダムが華やかなバイクに乗って「Bicycle Race」を歌うと、会場もヒートアップする。
「Is This The World We Created?」などバラードナンバーで見られた繊細な歌声も非常に美しく、声の使い分けが絶妙だった。

もちろんオリジナルメンバーの魅力も健在だ。
ブライアンもロジャーも、声に衰えを感じさせない。
70歳を超えるとは思えない行動力とステージ上でのバイタリティには脱帽してしまう。
ブライアンのハンドメイドギター「レッド・スペシャル」から奏でられる大音量の図太いサウンドは、クイーンがクイーンたるために欠かせないものであることを痛感させられる。
不変の長いカールヘアと優しい人柄が垣間見える丸い歌声は、今回も日本への愛で溢れていた。
バックボーカルを取るロジャーのスタイルは全盛時とまったく変わらず、毎回惚れ惚れするハイトーンを披露している。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」以来なぜかネタ曲のような扱いになっている「I'm In Love With My Car」では、パワフルにリードボーカルを歌い上げてくれた。

ブライアンとロジャーの年齢を考えると、クイーンの来日は今回で最後かもしれない。
会場に着く前からそんな感情も頭をよぎっており、一曲一曲を噛み締めて聴いた。

2.オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム(東京ドーム)

仕事をする上で、ラジオは欠かせない。
働きながら耳を傾けると、不思議と捗るのだ。
その中でも助けられているのが、「オードリーのオールナイトニッポン」である。

そんな書き出しをしておきながら、実はリスナー歴は浅い。
YouTubeのおすすめに彼らの東京ドームイベント開催までの道のりを記録するチャンネルが出てきたことをきっかけに、ラジオを聴くようになった。

チケットの先行抽選はすべて外れて諦めムードだったが、東京の知人がチケットを確保してくれたため、現地で体感できることに。
新千歳から羽田に飛び、東京ドームを目指した。

水道橋駅に降り立つと、「リトルトゥース」と書かれたTシャツやグッズのユニフォームを着た人がたくさん歩いている。
想像していたより、若い人が多い。
「ここにいる人はみんな、あのラジオを聴いているのか」と思うと、不思議な感情が湧き立った。

ラジオと聴く時間というのは、えてして孤独なものだと思う。
私のように働きながら聴く人もいれば、移動中や寝る前に聴く人もいるだろう。
しかし、基本的にラジオを誰かと同じ空間で聴く人は少ない。
そんなラジオ番組を東京ドームを満員にできる以上の人数が聴いているという事実に、否が応でも直面することになったのである。
たくさん話しかけていろんな人と友達になろうと思うくらい嬉しかったが、実行すると怪しいおじさんになってしまうと思ったのでやめた。

内容について詳しく言及するのは避けるが、あっという間の3時間半だった。
スペシャルゲストも多く、彼らが登場する度に会場は盛り上がった。
来る前までは配信で見た方が良かったのかもしれないと思っていたが、あの瞬間を東京ドームで体感できたことには大きな意味があったと思う。

3.癒しを胸に

自分自身の機嫌を取ることは大事なことだ。
私も上手くできる時とできない時があるが、今回は上手にできたと思う。
今後も憂鬱な時間はたくさんやってくるだろうが、そんな時はこれまでの楽しい経験やウキウキの未来を想像して、なんとか乗り越えていきたい。
今年はどれくらい、楽しい体験ができるだろうか。

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