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人にもイルカにも、壁のない、自由で、幸せな場を創ります!

僕は昔から、動物全般、飼育すること自体、あまり好きではありません。
特に飼われているイルカを見るのが本当にかわいそうで、悲しくて、嫌いでした。

でも、そんな僕がイルカの飼育施設を再生することになりました。
飼うと決まった以上は、せめてこの目の前のイルカたちを幸せにしたい。
イルカパークを日本で最も幸せな環境にしてあげたい、と思ってこれまでやってきています。

ある時、イギリスのなんか綺麗な記念コインの写真をニュースで見ました。
LGBTQのプライド運動の記念コインで、僕は正直この運動もよく知らないし、全然わからないけどなんか目に留まり、気になり、記事を読みました。

レインボーのモチーフに、5つの単語が書かれたコイン。
PRIDE, PROTEST, UNITY, VISIBILITY, EQUALITY
なんかグッときた。そして、すぐにイルカが思い浮かんだ。

イルカにはそもそも偏見なんてないし、生命に関わる危機管理以外で心のバリアも存在しない。

いつも好奇心旺盛で、ニュートラルで、オープンで、自由に生きている存在(であるはずと思ってる)

そんな素敵な存在であるはずのイルカが飼育されてしまって、なんか不自然で、幸せそうじゃなくなってる。

野生の動物を、人間が飼育し、管理しようとするから、不自然なことが多くなり、僕が嫌いな「違和感」が増えているんだろうな、と思った。そして、イルカは人間みたいにこういう活動も一切できないし、自分の考えを主張しようにも、そのやり方は、自身の命をかけた抗議しかできないんです。(攻撃する、餌をボイコットするなど)

だからこそ、僕ら飼う側はこの見えない感情をしっかりと見極め、気づき、対応していくこと。できることなら、お客さまにも飼育の裏側を全てオープンに可視化して、イルカの気持ち、飼育の本質を見てもらいたいな、と思いました。
<以下、Facebook からの続き>

イルカの寿命としあわせ

イルカの寿命はわかりません。
でも、日本のイルカの平均飼育年数は10−15年。世界では20-30年と言われています。(これも動物の生死や理由を非公開にしている施設が多く、不明な部分が多いです。そんなに短くない!と怒る施設の方々もいらっしゃいますよね、ごめんなさい)

さて、この違いはなんでしょう?
この世界に入って、僕から見えた違いは、「買えるか買えないか」の違いです。40数年前に一切の野生個体の捕獲と売買を禁止したアメリカ。今もなお、購入できる日本。

死んだら「絶対に」代わりを手に入れることのできないアメリカ
 =一頭たりとも殺せない。

死んでも代わりを手に入れることができる日本
 =死んでも一応平気。

この差って、とてつもなく大きい気がしませんか?

結局、僕がきた当時の壱岐の飼育も、実際虐待レベルでした。
お金のある大手の水族館ならまだしも、僻地の市営の飼育施設なんて、
お金もないし、日々回すので精一杯で、イルカにお金をかける余裕もないし、他の施設を見に行ったり、自分が勉強研鑽する余裕もないわけです。

ぶっちゃけ、イルカパークでも僕がきてからもイルカは死にまくりました。
僕はイルカを守りきれなかった。そして、死んだ子達の代わりを買いました。いま、僕が来る前からイルカパークにいるのは1頭だけでになりました。

この子もそれ以外の子も、和歌山県の太地町から売ってもらった個体です。
しかし、飼育業界の様々な現実を知った今、イルカパークにいるイルカが死んだら、野生で捕獲される新規の個体を買うことはできません。

トレーナーや壱岐市には申し訳ないけど、いまイルカパークにいる4頭全頭が死んだらイルカパークは閉業すべきです。これは僕たちに飼う準備が整っていなかった、という証明ができただけなんだと思うのです。

イルカは自然界では1日に100km近く泳ぐと言われ、大きな群れで生活し、
大海原を縦横無尽に泳ぎながら、餌を探し、餌を取り、子供を育てます。
それを理由はどうあれ、人間が飼うとなると、だいぶ小さなところに入れざるを得ない環境。こういう背景の中では、そこまでして飼う必要があるの!?と言われると、、、ないでしょうね(笑)

でも、いま現在、既に捕まってしまって、飼われているイルカたちを幸せに生かす、天寿を全うしてもらう、ということの責任は、絶対に絶対に僕ら人間にあります。

イルカの幸せを考えた時、最終的に、長生きすることが幸せかどうかもわかりません。どういう状態が幸せなのかもわかりません。でも、まずはどのイルカも、どこから見ても、「幸せそう」に見えることが大切だな、と思います。

イルカが日々元気に、楽しそうに、嬉しそうに、生きていること。その一点に向けて、僕らにできることを全能力をかけて、残さずやっていくしかありません。

これからも僕たちは、日本で一番幸せそうなイルカがいる施設を目指して、頑張っていきたいな、と思います。


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