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文脳関係

「漢字の日めくりカレンダーKoyomi」という製品のプロジェクトに関わっています。

このKoyomiは、カレンダーの毎日のページに、書家の方が書いた漢字がひと文字添えられており、これを眺めるだけでもアートとして楽しめるのですが、その漢字を書写するスペースも設けられています。
筆ペンなり、ボールペンなりを持って実際に書写をしてみると、漢字を書くことに集中することができ、雑念が心から消えます。
書き終えると、ほんの一瞬ですが、リフレッシュできたことを実感します。

これは、いわゆる「瞑想」の一種ではないかと思います。
(書写と脳との関連性については、現在、慶應大学で研究を進めていただいています)

情報が溢れかえる現代。
いまに生きる人たちは、「考えすぎている」と言われています。

実際に、瞑想をしてみるとわかります。
目を瞑り、自分の呼吸に集中しようとするのですが、すぐにあれやこれやが頭の中に浮かんできて、呼吸を集中して「見る」ことはなかなかに難しい作業です。

しかしながら、こうして考えすぎている状態が続くと、やがて脳はパンクします。
数字としてはわかりませんが、ひと昔前よりも、心を病む方が増えていると感じます。
その原因は、考えすぎにあるのではないでしょうか。

僕が経営している文章学校にも、心を病み、そこからの再起を図る受講者さんが少なくありません。

受講者さんには、「自分が心を病んでいる」ということは一切考えずに、書きたいと思うこと、心に浮かんだことを、存分に書いてもらいます。

文章学校はパソコンの持ち込みもOKですが、そうでない受講者さんには、手書きで、原稿用紙を用いて文章を書いていただきます。

二時間コースのクラスでは、一時間半程度を使って文章を書いてもらいます。
この時、講師である僕は教室を離れ、別室に移動します。
受講者さんは、一人で、原稿用紙に向かって文章を書くことになります。

書いている様子を見に行ったりはしません。
ですが、書き上げてくださった文章を読めば、いかに集中して執筆をしてくださったかがわかります。

そうして、原稿を書き上げた後の受講者さんのお顔を拝見すると、なんともスッキリした表情を見せてくださります。

手書きでなくても良いと思います。
パソコンやスマホでの執筆でも変わりないはずです。

執筆とは、孤独な作業です。
文章を複数人でワイワイ書く、ということは、あまり無いですよね。
基本的には、一人で書くのが文章です。

頭をからっぽにしては文章は書けないので、瞑想とは少々異なりますが、頭に浮かんだことを文章に落とし込むということは、結果的に頭の中の掃除や整理整頓につながるのではないでしょうか。

文章学校には、中学生の受講者さんもいます。
大人のみなさんはご経験がおありではないかと思いますが、思春期の頃って、頭=心の中がグチャグチャで、ゆえにイライラしたり、モヤモヤしたりしますよね。

文章学校では、そのイライラ、モヤモヤを文章にして吐き出してもらいます。
すると、どうやら気持ちがスーッと穏やかになるようです。

エビデンスがあるわけではないのですが、文章を書くことは、脳=心に間違いなく良い影響があります。

うまい文章じゃなくてもいいんです。
長い文章じゃなくてもいいんです。

ご自身のために、ぜひ文章を書いてみてください。

日記なんか、とても良いですよ。
そして、日記がわりにnoteなんか、より良いですよ。

と、運営さんに媚を売ってみたところで今回は完であります。






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