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雑多な雑感――NPOの戯言④

《自己紹介④》生い立ち(超・簡略版―2)
 (前回つづき)
 大学では一人暮らし。概してカネのかからない親孝行者であった。貧乏神に付き纏われているので如何ともし難い。週1の贅沢は唐揚げ弁当(卓球のタマ3つ分ほど)。しかし物事は考えよう、毎日唐揚げ弁当でいいのか。5つ分あれば嬉しかったはずだが、後知恵ながら早死の準備運動になっていた可能性もある。もやしにもミネラルとビタミンが含まれている。大いなる慰みであった。
 ともかく学業よりバイト。選り好みなしの単発バイトから、居酒屋、ラーメン屋、うどん屋、レンタルビデオ屋、スナック、バーなど、優秀な店員として力量を発揮する日々(クビになったのは2回だけ)。わたしは(a)器用だが愚鈍である、(b)不器用だが俊敏である――いずれかである。愚鈍で不器用の二刀流であればクビの回数は10を越えていたにちがいない。
 なかでも後々まで役立ったのは塾講師。手に負えないガキどもから解放されたい先輩が押し付けてきた。しかし時給を聞いて即座に「やります!」と言った軽薄さに自己嫌悪を覚えたのは数秒。問題は担当科目が数学であったこと。
 今でいう大学入学共通テスト5教科10科目を受けたが数学では面積を求める場所を間違えるあり様。態度だけは生真面目に過ごしていた中学時代も授業はまったく聞いていなかった。わたしに図形の証明問題を解かせた教師が呆然と頭を抱えていた様は今も鮮明に(律儀にも教師の名前も顔もタメ息も)記憶している。
 ともあれ、ガキンチョの前で恥はかきたくない。数学の教科書と問題集に向き合いながら何事にもめげず卒業まで続け「惜しまれて」大学を去ることに。(つづく)


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