見出し画像

”思いつき”定義集㊹「れ・ろ」

【レジスタンス】抵抗のための思想と運動。21世紀の今日では哀愁をさえ感じさせる。レジスタンスの対象は、校則を理由なく押し付けるだけの学校など身近なところから、暴力で人びとを抑圧する国家まで数多ある。しかし使用頻度は極端に低く、また成功を導くような世情にはない。弱者が強者になびくのはごくありふれた光景だが、敗北を承知してさえ強者に噛みつく人たちもいる。直近で言えば、殺されたロシアのアレクセイ・ナワリヌイ。よって死語ではない。
 無力を承知でコメントすれば、せめてレジスタンスに賭けている人びとがいることだけは確認しておきたい。無力だが無意味ではない。その事実を知ることで自己の選択肢は広まるから。例えばレジスタンスの対象に加担しないこと。消極的であれ、それもまた行動の一つである。
◆注:抵抗とは言っても「A vs B」といった単純な構図で理解できるとは限らない。古典的な例だが、ジョージ・オーウェル『カタロニア賛歌』(岩波文庫、1992年)が描いたスペイン内戦はそれを如実に教えてくれる。

【論理(ロジック)】「A=B」と「B=C」が前提されるとき「A=C」が成立する。論理とは筋道であり、その力量を鍛えることはきわめて重要。数学における証明はそれを育む点でも必須である。ロジックを欠くと誤解を招いて議論に齟齬を来すこともある。法律や規則の意味をはき違えたりすることもあり得る。
 ただし、前提それ自体が間違っていれば、結論に至るまですべてが破綻する。つまり前提となる情報や事実を確定することが先決。そして最大の困難は、世の出来事について情報や事実を共有できるとは限らないこと、そして論理が優先する世界でもないということ。人は同じものを見ていても異なる結論を導くことが往々にしてある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?