見出し画像

雑多な雑感――NPOの戯言⑧

《たぶん普遍的なテーマ①》 モテる男とモテない男(2)
(つづき)
 わたしのもろもろの欠陥を除くと、美醜という問題を俎上に乗せておかなくてはならない。わたしはナルシストではない。二枚目と言われたことは一度もなく鏡を見るのも気が進まないのだ。しかし、教え子に「先生のランチは愛妻弁当ですか」と聞かれたことがある。つまり既婚者に見える程度には周囲に不快感をまき散らす人間ではないとの推論が成り立つ。また、冷静に考えてみると美男美女がモテるとは限らない。では何が問題か。たまにでしかないが冷静沈着に分析するわたしはある結論に至る(なお、わたしの結論は「思い込み」が8割を占めているので慎重を期してはいる)。
 授業ネタで少子化を取り上げる機会があり、いろいろ調べて納得できた理由がある。モテるためにはカネもいるということだ。若き頃のわたしが一度も考慮に入れてこなかった落とし穴。実際、女子学生に結婚相手の決め手として(A)「最愛の人だが貧乏」と(B)「最愛ではないがまぁまぁの人で金持ち」のいずれを選ぶかと尋ねたことがある(究極の選択としての思考ゲームとして)。つまり「愛かカネか」。回答は分かれたが想像以上に(B)が優勢であったことは間違いない(数を数えることはできるのだ)。
 結婚・出産・育児を射程に入れたライフワークを想定すれば首肯できなくもない。実際、配偶者(と子ども)がいる人と年収の相関関係を調査した中小企業庁の統計がある。結論だけ言えば(全年代を通じて)「年収の高い人ほど配偶者と子どものいる割合が高い」ということ。まぁ、端的に言い換えれば年収が低いと結婚は難しいということに。
 かくして、NPO(のん兵衛・ポンコツ・おっさん)に貧乏神がついてNPO with Bとなれば、わたしの「モテない男=未婚」は「科学的に」必然ということにならざるを得ない(POが付く前の N withe Bであれ)。人間は論理で生きているのではないと信じるわたしも、一縷の望みを捨てきれず日々過ごしていた過ちに気づいた次第である。いまや就活に励むほかない。
◆注:少子化の背景には未婚の男女が増えたこと、その要因として低所得者が増えたことが大きい。日本の場合(総じてアジア全般に言えるが)、未婚で子どもを育てるリスクは欧米の比ではない。結婚と子どもは分かちがたく結びついている。興味ある方は「婚外子率の国際比較」を検索されたい。
◆注:残念ながらモテる男について最終的な確証は何ら得られなかった(カネだけでモテると結論するほど理性の崩壊は進んでいない)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?