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”思いつき”定義集㊺「わ・を・ん」

【わたし】エゴ(自我)。人間は自己を中心に「世界」を見渡す実存。その意味で「わたし」とはエゴイストである。「わたし」を土台として「世界」は成り立つ。ここでの「世界」は世界情勢といった意味で用いる世界(the world)のみではなく、「わたし」を「わたし」たらしめている「世界(the surroundings)」。なので実際の世界の見え方は微細であれすべて異なる。その違いこそが「わたし」の存在を証明している。
 また、政治であれ経済であれ大状況以前に「わたし」は存在する。「わたし」なくして、政治・経済・社会を動かす家族や組織も成り立たない(その逆もほぼ成立するが)。Aさんが亡くなっても家族や組織は存在し続けるではないか、と反応する人もいるだろう。間違いとは言い切れないが、少なくともAさんにとっての家族や組織は消え失せる。
 エゴが世界の土台であることの謂いは、エゴが代替可能でどこにでもある分子ではないということに尽きる。反論も予測できるが、個々の「わたし」の尊厳が蔑ろにされている限り、やはりその代替不可能性にアンダーラインを引かざるを得ない。
◆注:エゴイストについて誤解があると困るので補足しておくと「ただの我儘身勝手」「わたしファースト」式のエゴイストという意味ではない。プーチンやトランプ、ネタニヤフなどを想起すれば十分だろうが、他者としての「わたし」を破壊することで自己の強さを満喫し誇示したい人は身近にもいるかもしれない。

◆注:「を」「ん」は思いつかないので「“思いつき”定義集Ⅰ」は最終回となります。ありがとうございました。「“思いつき”定義集Ⅱ」は3月開始を予定しています。

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