勤務初日

さて、ついにスパに行く時間となりました。

ユニフォームを着てスパに向かいます。ユニフォームに決まりはなく色の指定があるパンツと、革靴、白衣を着ろという指示でした。

私のキャビンは3階でスパはたしか20階くらいにあったと思います。私の乗った船は全部で5隻ですが、そのすべてでスパは最上階に近い階の船の最前部にありました。前にも書いたように船の中は迷路です。慣れてしまえばどうという事はないのですがこの日は2時間前に乗船したばかり、しかも豪華客船に乗るのは生れてはじめてです。スパに着くまでに5人くらいにどうやってスパに行くのか聞いたと思います。

How to get to the spa?

って聞いてたのですが、みんな親切にどうやって行くのか教えてくれます。でもここで一つ問題があります。聞き取れません(笑)だから行き方が一向にわからないのです。

 Thank you

 って言ってなんとなく進み次の人に同じ質問をするという事の繰り返しです。そもそも外国人しかいない環境にいきなり飛び込んでいますから何から何までカルチャーショックです。そしてこの船に日本人は私だけでした。この船には5か月くらい乗っていたのですが、その間にも日本人クルーは私だけでした。

なんとかかんとかスパに着くのですが、着いたらすぐに自分の治療室の準備やら、スパツアー(後述)の準備やらをさせられます。自己紹介もほかのスタッフに会ったらするくらいの感じです。そしてそのままミーティングになりました。そこではこのクルーズにおけるターゲット(売上目標)などの話があり、私の自己紹介をして、「はい、じゃあいつものように勤務開始」ってな具合で勤務がスタートしました。

9:00に船について12:00に勤務開始です。特に特別な説明とかはありません。

繰り返しますが、今日生れて初めて豪華客船に3時間前に乗った者です。右も左も前も後ろもわからない状態です。勤務開始です。

これが本当にびっくりしました。こんな感じでいきなり勤務が始まるの?鍼師はこの船に私一人なので誰かに聞くこともできないです。誰もどうやって準備して、どうやって働くのか知らないので。これにはまいりました。どこに何があるのかさえ分からないですし、ほかのスタッフもあまり知らないんです。

マネージャーに何をしたらいいの?って聞いたら、ロサンゼルスの研修で習ってこなかったの?って言われました。はい、何も教えてもらってないです。だって3日間の研修は2日間に短縮されてますし、そもそも英語がよくわかってませんから。

兎にも角にもこの日は今から新しいクルーズの乗客が乗ってくるからそのお客さんたちをスパで案内して、自分の提供しているサービスを売り込む日です。そのための鍼専用の宣伝ブースを設置するのですが、どこにどうやって設置するのかわかりません。そうしたら、ほかのスタッフが前の鍼師はエレベーターの前でやってたよって教えてくれ、ブースの設置も手伝ってくれました。超助かりましたが、設置が完了してもどうしていいのかわからないです。

あたふたしているうちに徐々にお客さんが乗船してきました。その人達に何とか鍼治療の魅力と効果を伝え、治療の予約をしてもらわないといけません。

この仕事は完全歩合制の仕事なので、売上がなければ収入もゼロです。とてもシビアな世界だと感じました。収入ゼロで海の上に浮かんでいるだけは勘弁です。どうやって宣伝すればいいのかのカンペは本社から送られていましたから、それを読み返して思い出しながらなんとか宣伝していきます。

この宣伝活動をスパツアーと呼びます。「スパで働いているスタッフがホステスとなりお客さんを少人数のグループで案内し、各サービスのブースを巡り説明を受ける」というものです。


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鍼灸マッサージ師日本スポーツ協会公認アスレチックトレーナー鍼師として海外勤務4年の後、プロゴルファー、バレエダンサー、力士などのアスリートの治療、トレーニング指導と治療院をやってます。日本語、英語で治療とトレーニング指導ができます。ホームページ acuancho.jp
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