見出し画像

経験を誠実に伝えよう

社会福祉士の実習も分野が広い中での共通するソーシャルワークを伝えることが、自分の経験になりがちなのに悩んでいます。

コメントより

シェアしていただいたe-shareの土志田さん
そちら経由で「精神保健福祉士の後進育成を振り返る」を読んでいただき
本当にありがとうございます♪( ´θ`)ノ
コメントもありがとうございます
それぞれのリンクもチェックしてみてください٩( ᐛ )و

1.役割は拡大している

コメントの方の経験年数や実践内容はわかりませんが
ソーシャルワークを実践する現場は広がっています
僕がソーシャルワーカー(以下SW)を始めた頃は
病院のMSWやPSW、役所の生活保護担当や福祉課
児童・障害者福祉施設など少なかった
病院に1名のSWなど珍しくなかった

個人的記憶の役割拡大のメモ

上記のメモは、個人的記憶のざっくりした内容なので
正確に整理されていない情報ですが
時代の変化とともに
役割や働ける場が拡大していった
児童、障害者、高齢者福祉、精神保健福祉がより専門的に
老人保健施設や生活支援センターなどの新しい社会資源
医療観察法などの新しい法律
民間企業や学校など元々あった環境で新しく求められる役割
職場、役割も拡がっていった
社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格があれば
という求人も増えた


2.実習期間は限られている

■社会福祉士の実習
ソーシャルワーク実習指導90時間
ソーシャルワーク実習240時間
2箇所の実習施設で合計32日間かつ240時間以上
↓社会福祉士養成課程のカリキュラム
https://www.mhlw.go.jp/content/000606419.pdf

■精神保健福祉士の実習
ソーシャルワーク実習指導90時間
ソーシャルワーク実習210時間
精神科病院等の医療機関で実習12日間(90時間以上)
障害福祉サービス事業を行う施設等で実習16日間(120時間以上)
↓精神保健福祉士養成課程のカリキュラム改正ガイドブックhttps://www.mhlw.go.jp/content/000719741.pdf

精神保健福祉士の場合は医療機関の実習が必須だけれど
メンタルクリニックで精神科デイケアを経験した実習生もいるだろう
精神科にしかない措置入院、医療保護入院、隔離や身体拘束の現状など
実習で経験しないままという人も多くいるのだろうか
と、こんなことを思ったことも多い
養成校の先生方から実習先確保の苦労もたくさん聴いてきた

テキストや書籍で学ぶことは、学びやすいように整理されている
いろんな現場の現実は整理されていないことの方が多い
是非、経験してほしい現場はたくさんあるのだけれど
1箇所の短い実習期間で指導者は何を伝えられるか
とても悩ましい


3.伝えられることの整理

このnoteは、僕の経験から伝えられることを言葉にできる
コメントの回答にはならないけれど
整理するきっかけになればいいと思います

■評価表の活用する

実習施設、提供できる実習内容、実習指導者の組み合わせで
無数にいく通りもあると思う
社会福祉士、精神保健福祉士の責務や役割がある
それらが実習評価とリンクしているはず

事前オリエンテーション
「どんな内容で評価されるのか」
「この現場で経験できることと評価表の関係」
実習の途中
「自己評価と指導者評価からできていること、課題を整理」
実習最終日
「自己評価と指導者評価からできていること、課題を整理」
実習後
「できた評価は伸ばし、課題はどう行動するか」
実習生と穏やかに話せる雰囲気をつくるように努めていた
他の実習生を交えたり、養成校の先生と共有したり

■実習生の個性を尊重する

実習生の個性、経験値、価値観、能力もさまざま
20代の同世代でも違うし、社会人経験の40〜50代もいたり
実際に指導にあたっていると
自己の経験から視点、捉え方に著しい偏りを感じる実習生も多い
そうして指導者や周囲が感じた偏りがあれば
「どんな状況を見て」「どんな発言で」そう感じたのかを伝え
実習生と一緒に振り返ってみると発見できる何かがあった

この時、注意や指摘になりすぎないことは気をつけていた
正解を探して答えようとしたり
感じたり思うことを言葉にしようとしなくなったり
そんな実習生が増えている印象はあったから

■必ず実習生に伝えていたこと

「上手くまとめて言葉にする必要はない」
「上手く言えなくても感じたままの自分の言葉で発言してほしい」
そこからがスタート

「何を感じ」
②「何を思う」もいい

共感できることも、共感できないことも様々みんなある
個人として「感じ、思う」ことはみんな違っても
「どう考え」
④「どう行動するか」

学んだ視点、技術、理論、倫理など照らし合わせること
それが整理されるように考え学んでいこう

③→④だけで指導しようとすると
言葉は伝わっても“意味”が伝わっているのかわからない( ・∇・)
そう感じる経験は多かった
①→②→③→④を大事に言葉や気持ちのキャッチボールすると
とても面白く、実習生も指導者も理解の深まりが違う( ✌︎'ω')✌︎
そう感じる経験が多かった

■複数施設の実習の意味

様々な現場があることは授業で学ぶ
そんな中で実習先はどんな実践を行なっているのか
体験しながら学ぶ大事なチャンスです
一現場でできる体験とこれまでの学びと照らし合わせながら
指導者は誠実にどんな実践をしている
しっかり伝えることが大事かなと思います

共通する部分はどんなことなのか
・当事者の現状や理解
・実習先の組織の機能や現状
・関係機関や社会資源など地域の現状
・関係職種や関係機関との連携協働のあり方
・知識や技術を身につけどう使えるか自分の力量
・倫理との照らし合わせ
現場が変わっても学んだことを活かし
インテーク、アセスメント、プランニング、インターベンション
モニタリング、エバリューション、ターミネーション

ソーシャルワーク過程を実践する
対象者にも組織にも地域にもチームにも自分にも
当てはめて実践できることだと思います


自分の経験を誠実に言葉にして伝えよう

指導者も経験5年〜40年と経験値も様々と思います
指導者だって成長の継続は大事です
以前書いたメモの図↓もそんな思いもあると思います

国家試験をこれから受ける実習生と指導者の間にも
刺激、影響し合ってお互いに成長する姿勢は大事だと思います
実習生も学んだことや経験から言葉にして指導を受け
指導者も自身の経験から得たものを誠実に言葉にして伝える

それでいいのではないかと思います

実習指導も試行錯誤しながらだと思います
今できること、伝えられることで指導者として経験すれば
こうすれば良かったかな・・と
反省することもたくさんあると思います
反省点は改善点です
改善を繰り返して良くなっていきます
毎年、その繰り返しです
やるなら精一杯頑張ってみて、遊び心も持って
決して楽ではない、悩むことも当然あるけれど
一歩一歩の成長を楽しみにやっていけたらいいと思います

コメントを読んで感じ、思い、考えたこと
書き出すと色々と出てきますが
できるだけ整理しながら書き出してみました
これを読んだ方の考えを整理するキッカケになれば幸いです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?