見出し画像

いつか忘れ去る某日たち パート1

某日①

ちゃんと毎日の生活を大事にしないと心がめげちゃうから、と母に言われたしとりあえず朝ごはんをしっかり食べることにしようと思ったのに、トースターの中にトーストをわすれて出かけてしまい初日で出鼻くじかれる。
わたしの朝に朝ごはんの時間がそもそもタイムスケジュールとして組み込まれていないからわるいわけなので、そうするとあと10分とか15分早く起きなくてはならないので、そうなると。
三日坊主にすらなれない。

某日②

ふだんはドラマとかバラエティーが多いけど、はじめてMVのお仕事に関わらせてもらうことになって、それまで戦争モノや刑務所モノなど暗いやつが続いていたせいか「明るくカラフルにとにかくポップに」て言われてうれしくて舞い上がってハートのクッションを大量に出したりして「ちょっとかなりハート多いなあハートうるさいな」と結局弾かれるんだけど明るくカラフルにとにかくポップに、てとても楽しいことでした。わたしが社長だったら社訓にしたいです。

某日③

熱を出した。身体に染み込まれた社畜精神のためかちゃんと休みの日に熱を出したから仕事は休まずに済んだんだけど、治りたてホヤホヤで出勤したら上司が体調不良でHP14くらいの状態でせっせと仕事をしていた。
お前のせいだ、と地獄からの使者みたいな声で上司は言った。
いや、わたしは治った状態で行ったわけだからそれはわたしの菌ではないあとわたしは熱からくる風邪だったから青のベンザだったのでちがう菌のしわざだと弱々しく主張したけど
上司は銀のベンザと葛根湯とのどぬーるスプレーの三点セットを携えてとても弱っており、おまけに「こちらが内側です」の印刷面を外側に向けた状態でマスクをつけていたのでわたしは主張をやめた。
「こちらが内側です、が、外側に来てます…」
イライラしながら図面を見ている上司に伝えたが、
「あぁ?」
とやっぱりイライラしてたので、わたしはそれ以上言えなかった。

某日④

ORANGE RANGEとモーニング娘。を交互に聴いている。
テラスハウス軽井沢篇を見終わる。
俊亮、武士のような卒業の仕方だなって。
かっこよかったです。
編集は終わらない。

某日⑤

デザイナーの見習いをやってる友達から突然「愚痴を言ってもいいか」と連絡が来て、どうしたことかと思ったら
いやなカメラマンにあたってしまったらしく、話を聞いたら最悪でわたしも遠隔でむかむかしてきてその日は寝るまでむかむかしてた。
どの世界にも嫌な奴はいるし、頑張ってる人の邪魔を平気でするような奴は税金高くなれと呪いをかけるしかわたしたちみたいな下っ端にはできないけど。
今に見てろよ。というまだ負け犬の遠吠えっぽいことしか言えない情けない悔しい。がんばろうね。

某日⑥

モーニング娘。の座間でのコンサートに行った。座間といえばあの怖い事件のとこ。
鞘師推しだったわたしは鞘師がいなくなったモーニング娘。を見るのは2回目だった。
相変わらずとってもかっこよく、かわいくて、たくましくて、ドライアイ女だけど涙がうようよ出ました。
なにより10期、11期、12期が大人のお姉さんになってて、たった3年くらいのあいだに女の子はこんなに変わるのかと。
モーニング娘。ってすばらしいな。人生だな。
また何年後かに観に行けるといいな。

某日⑦

上司が風邪悪化のため休み。
「あとは頼む」とLINEが来てて、オロオロしながら働いた。
いつになったらデキル女になれるんだ。
オペラ帽とパナマ帽まちがえた。
デキル女遠。

某日⑧

おみやげにもみじまんじゅうをいただく。

某日⑨

終電。
ビートルズをずっと歌ってるおじいちゃんがいた。
酔っ払うと歌っちゃうんだよねえって言ってた。
わたしアリーナ席だった。
わたしも知ってる歌ばっかりだった。
仕事で疲れ果てた大人たちはみんな嫌な顔してた。
インド映画とかだったらここでみんなで歌に合わせてダンスしたりするのに。
わたしもダンスしてえ。みんないっしょに踊ろう。

某日⑩

月に1万でも2万でも貯めよう。
早く次の映画が撮りたい。
脚本の勉強をちゃんとしたい。
くやしい。
1こずつしかできないから、いま手元にあるものを1こずつ大事に順番に手放していこう。
美術で知り合った男子に、「おれたちが作るものなんて結局うんこみたいな映画なんだよ。でも作り上げて、誰かに見てもらわないとうんこにもなれないよ。そのあともずっとうんこ作り続けて、でもいつかちょっとくらいすばらしいうんこになったらいいじゃん」と言われた。
うんこうんこ言うなって思ったし悔しかったけど、たしかに、作り続けたいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?