0から珈琲を淹れた話:準備編
ものづくりのルーツに迫る
便利な道具に囲まれ、3Dプリンタも簡単に帰る時代。
だからこそ、自分で作るという行為、ひいてはものづくりそのものと向き合うべく、0から珈琲を淹れました。
ルールは
「人工物を使わずに珈琲を淹れる。」
です。
素材を集める
人工物が使えない以上、自然物から道具を作っていく必要があります。
最初は道具を使わずに集められる道具を集めます。石や木の棒が主ですね。
石をつかって苧麻なども採集します。苧麻は川辺に生えている丈夫な繊維になる植物です。
松の木からは松脂が取れるので採取しておきます。松ぼっくりも火お越しの時に使います。
海に行って貝殻を拾ったり山に行って土を採取したりもしました。
素材を加工する
素材はそのままだと扱いにくいので道具として加工していきます。この段階で、繊維を加工して縄にしたり竹を切断したり、石を加工して石器にしたりしています。
叩いたり割ったり削ったり、後戻りが効かない作業が多いです。
苧麻は皮をはいで繊維質の部分を取り出し乾燥させておきます。縒り合わせれば糸や縄になりますし、火口やフィルターとしても使え非常に汎用性が高いです。
火を起こす
最終的には、火種は作れたものの、安定した火を起こすには至らず、以降、火起こしはライターを用いています。全般的に湿度の高い6月にトライしているのが難易度をあげてしまったように思います。
キリモミ式は貧弱な現代人には非常に辛いです。手が豆だらけになります。
マイギリ式は道具の精度、耐久性に難があり断念。
ユミギリ式は火種を作るところまでは行ったが、火口が悪く火を安定させられなかったという形になります。
松脂は火にかけて炭と混ぜて接着剤にできます。貝殻は火にかけられるので便利です。
土器を焼く
火は起こせたことにして土器を作ります。時代や地域ごとに焼き方が違うそうなのですが、弥生時代の焼き方に近い焼き方を採用しています。
採取した土からゴミや石を取り除きます。
水を加えて整形。現代の粘土と比べると粘りがなくこねにくいです。
藁の上でしっかり自然乾燥。ちゃんと乾燥させないと内部の水分が膨れて、焼成中にわれるそうです。
土器をセットして藁を上から盛ります。藁をかぶせることで熱が逃げにくくなりきちんと焼けるそうです。
焼きます。この後警備員が来て揉めた。
コーヒーカップ以外は割れてしまいました。ソーサーは松脂の接着剤で修復しました。ケトルは別の方法で作ることにします。
まとめ
竹は本当に便利で原始の人も竹でいろんな道具を作っていたのではないかと思います。植物性の道具の痕跡はほとんど現代まで残りません。どんな道具を使っていたのか、どんな工夫を凝らしていたのかは想像するしかないのかもしれません。
ドリップ編につづく。
作ったもののまとめ
斧
竹や木を切ったりするのに便利です。鋸みたいにも使えます。
ノミ
石を磨いて作った磨製石器です。木の皮をはいだりするのに使いました。
ナイフ
黒曜石で作ったナイフ。苧麻など丈夫な植物を切断する時に便利。
机
河原で作業する時に使う。
木槌
石を割ったりのみと合わせて木の皮をはいだりする。
錐
穴を開けるのに便利。穴を開ける機会はそんなにないけれど。
バケツ
水を組んだり土を入れたりした。竹の皮でできている。
ザル
粘土からゴミをとるのに使いました。竹や竹の皮を細く裂いて作っています。
青麻
苧麻の繊維を乾かして干したもの。これを細く裂いたり縒ったりして道具を作る。
紡錘
繊維をより合わせるのに使う。石に穴をあけ木の枝を通してある。
縄
糸をさらに縒って丈夫にしたもの。物を縛って固定したり弓に張れる。
スコップ
竹を加工して作った。土を掘り起こす際に使う。
粘土
すごくボソボソしている。
粘土板
粘土をこねるとき下に引く。
水筒
竹を加工して作った。水をためておける。上に穴があって栓ができる。
火起こしセット
棒の先端には紫陽花の茎が取り付けてあり取り外しができる。
火箸
竹の間に石を挟んで縄で縛って完成。火がついたものも掴める。
燃料
いい感じの太さの木を集めておき乾かしておいて使う。
藁
土器を焼く時に使う。土器を乾燥させる時も下に引いて緩衝材にもなる。
接着剤
容器は貝殻と竹で作成。接着剤は松明にもなる。
珈琲カップとソーサー
割れたソーサーは接着剤で補修。土器の質感が何ともかわいい。
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