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オランダ式体育の魅力〜Edubleにほんごスポーツくらぶ【Aflevering.246】

 先日、オランダ現地の小学校で体育の教員をされている安井隆さんをお招きして「にほんごスポーツくらぶ」を開催していただきました。今回は、オランダ式の体育の授業を日本語で実施するというテーマで行いました。

活動後のみんなの集合写真

 安井先生は、現在はオランダの小学校で体育の授業をされています。元々は日本の中高で教えられていたことから、日本の体育にオランダメソッドを取り入れるためのヒントを日々模索されています。

隆先生のはじめの挨拶
子どもたちもとても元気でした

オランダの体育はどんな授業なのか?

 私は体育の専門ではありませんが、みんなで何か一つのことをやるというよりかは、みんながそれぞれ自分で活動する内容や場所を選択して参加するというイメージです。もちろん何もかもが自由なわけではありませんが、子ども達に選択する余地が十分配慮された授業形態になっています。
 今回講師をお願いした隆先生の授業スタイルと、私の7歳の娘が通っている学校の体育も似ています。また、小学校であっても体育の先生は体育専門の先生が担当します。それぐらいプロフェッショナルが必要な大切な教科というわけです。

体育館全体の雰囲気。それぞれにいろんな器具があります。
ボール当てをします。
いろんなぶら下がりの器具
ボルダリング

 日本の体育館で見るような跳び箱やマットなどとは異なり、子どもの身体の動きにフォーカスし、なおかついろんな動きを可能にする器具が多いというのが印象的でした。

体育の在り方も子どもの幸福度に大きく関わるのではないだろうか?

 私は元高校教員で現在Edubleの日本語講師として働いているのですが、彼の授業を見させてもらい、改めて子どもたちの幸福度が高まるための要素がこの体育の授業にもあると感じます。
 学術的なことは話せませんが、子どもたちが自分で考えたり判断するような余白のある授業に魅力があります。すべて教員が決めるのではなく、教員側から身に付けてもらいたい能力と、子ども達からの学びの選択のバランスが取れていることで、主体性を維持しながら学びを進めていくことができるのではないでしょうか。

 素人から見た考えになりますが、体育とは何かの種目で技術が向上したり、良い記録を出すことを目的とするのではなく、朝のサークルや哲学的な授業で自分の心と向き合うように、自分の身体の動きを感じ取るとても大切な時間なのだと気付くことができました。

 まずは意識を自分の中に向けて、自分という人間について考えるきっかけになります。いろんな動きの中で、身体的な側面からも自分と向き合うことができると、子どもたちはあらゆる場面で自分をコントロールしやすくなるのかもしれません。

子どもたちからのフィードバックも忘れずに
途中で器具の配置を変えて子ども達が遊べるスペースを作っていました

「子ども達にどうなってほしいか」をもう一度考える

 今回、「にほんごスポーツくらぶ」の準備や授業のサポートをさせてもらいましたが、ひとつ一つのセクションで準備されたものを見て、先生が子ども達の動きをしっかりとイメージして、作りや配置などを考えているということがよく分かりました。
「奥が深いけれどシンプルに」
 授業の中で子どもたちにどうなっていって欲しいのか、日本で働いていた時に忘れかけていた本質的なことが改めて問われているように感じました。

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