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努力やプロセスを褒めよう!〜ドゥエック博士の研究【247】

 褒め方で子どものやる気が変わるというのはご存知でしょうか。かつて2015年に娘が生まれる時、子育てに関する本を読んで私自身が学んだことです。このことについて、先日調べ直したのでここにまとめておきたいと思います。


褒め方で子どものやる気は大きく変わる

 スタンフォード大学キャロル•ドゥエック博士の研究によると、子どもの「能力や結果」を褒めるのと、「努力やプロセス」を褒めるのとでは、その後の子どもの考えや行動が大きく変わることが分かったそうです。

 結論としては、生まれもつ能力や資質、結果を褒めるよりも、そこに至ったプロセスや努力を褒める方が、子どものやる気を引き出せるということです。

停滞型マインドセットと成長型マインドセット

 「あなたは賢いね」「すごく良い点数だね」と言った褒め方をすると、結果を重視するようになります。これは「停滞型マインドセット」と呼ばれています。難しい問題や失敗に対してネガティブな反応を示し、失敗をすると「自分は頭が悪い」、「才能がない」という考えを持つようになり、自分よりもできない子を探したり、困難を回避しようとします。

 その一方で、プロセスや努力を褒められた場合、より難しい問題を選ぶ傾向が強かったそうです。こちらは「成長型マインドセット」と呼ばれ、難しい問題に直面した時は、それを楽しみながら挑戦する姿勢を持つことができるそうです。

 つまり、努力・やり方・集中・忍耐・進歩などを求めるような、強く「しなる」子どもになるためには、「成長型マインドセット」の褒め方が必要だということです。

今の姿を見るのか、成長した姿を見るのか

 今の「できない」という状態に注目するのか、「まだこれから成長できる」という未来に気持ちを向けられるかの違いによって、子どもたちのやる気にも大きく影響してきます。

 大切なのは、目の前の「短期的な承認」である通知表で5を並べるようなことではなく、「長期的報酬」である大きな夢を描くことです。
 そして、大きな夢を描くためには、様々な困難に立ち向かう勇気が必要です。その勇気は、子どもたちに「努力や困難こそ賢くなる時だ」と伝えることで身につけることができます。

子どもたちに脳に関する知識を与える

 子どもたちへの声のかけ方を変えるだけで、考え方も大きく異なってきます。

「新しい挑戦をすると脳はどんどん成長するよ」

と伝えると成績は向上するそうです。その一方で、それを教えられていない子は勉強が難しくなると成績が低下するということも分かっているそうです。

学力格差を是正する結果も

 アメリカでは学力格差が問題になっており、学力不足の子どもたちに「成長型マインドセット」の授業をすると貧困地域の子どもたちの成績は著しく向上したそうです。学力格差を解消し平等を実現するためにこのマインドセットが非常に重要だということを示しています。

以上が今回学んだことのまとめになります。
私がかつて父親になる時、子育てに関しては全くの無知だったので、いろんな本を読みました。その中で共通していたことがいろいろとあり、いろんな大切なことが分かったらうちの1つがこの「努力やプロセスを褒める」ということだったのです。完璧に求めるのは難しいかもしれませんが、これが重要だと知っているかそうでないかでは、大人の行動のスタンスも大きく変わってくるのではないかと思います。既に約10年前に出された研究結果ですが、これからの時代に必要な考え方だと思ったので記事にまとめてみました。この記事を読んで子どもたちとの関わりに変化が生まれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

○キャロル・ドゥエック博士「必ずできる!未来を信じる『脳の力』」(TED)

◯こたえのない学校「アメリカの心理学研究による、頑張る子になるための褒め方のコツは?」

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