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オランダの人々は、社会が変化したという「歴史」を持っているからこそ、生きるうえで何が大切かを分かっているのではないか【Aflevering.61】

 今日はオランダに来てから仲良くしている友人のお家に遊びに行くため、ユトレヒトまで行きました。

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 友人のお家にお邪魔し、美味しい昼食をいただいた後、ユトレヒトにある大きな公園グリフトパークで遊びました。そこで、友人の学校友達の祖父母も子どもを連れてきていて、子どもたちはみんな仲良く遊んでいました。

 そのご夫婦は、どちらもオランダで生まれ育った70歳を超える方々でしたが、とても明るくニコニコと話してくださる気さくな方々でした。

 初めはオランダ語で挨拶をして、その後は英語に切り替えて子どもたちの話をしたり、世間話を楽しみました。

 ふとオランダのことについて聞いてみたいと思ったので、
「オランダの子どもたちは世界一幸せだと言われたりしますが、実際にオランダに暮らしておられてそう感じますか??」と聞くと、
「子どもたちは幸せだと思うよ。学校ではそんなに厳しいことは求められないし、そんなにここでこうしろああしろという風に決められすぎていない。勉強もほどほどで良いとされることで、子どもたちは幸せに育つことができるんだよ。」

 私の英語力では、その時の会話を100%再現できているかわかりませんが、このようなことをおっしゃっていました。

 確かに日本の教育の課題を考えてみると、金森俊朗氏の文献を読んだ時に、子どもたちに競争を求めすぎることによって子どもたちが疲れてしまうという指摘があったので、この辺りは大いに納得できました。

 ただ私が個人的に気になったのは、なぜそこまで幸せである理由を具体的に話せるのかということです。
 国民性や言語の違いなどもあるのかも知れませんが、そこまで結果に対して「自分はこう思う」ということがはっきりと話せるのはすごいと思いました。

 その後、私の妻が奥さんといろいろ話をしているのを聞いていると、その奥さんは初等教育に携わっておられた方で、厳しすぎることが子どもの幸せに大きく影響するということも話しておられました。

 日本では若者の死因の原因が自殺であることが他国に比べて圧倒的に多く、ストレスを抱えやすい社会だと言えます。この問題に対して、オランダの考え方がヒントになるのではないかと思います。

 また、1960〜70年代にかけてオランダ社会が大きく変わったということをいろんな文献で目にしていたので、オランダに長く住んでおられる方々に、実際に変化を感じたかどうかを聞いてみたいと思っていました。
 そこで実際に聞いてみたところ、その約10年は非常に重要な期間だったと教えてくれました。
 オランダもかつて保守的(例えば、女性は働けないなど)な社会だったけれど、この変化によって社会は大きく変化したと話してくださり、とても大切な時代だと思うと話しておられました。

 社会が変わったからこそ、その時代を生きた人たちは変化する前の社会を知っているので、何が大切なのかをしっかりと見極める力があるんだと私は感じました。
 そのため、働き方や教育の制度を見ても、どこか芯が通っているように感じるのかも知れません。

 子どもたちは楽しそうに何時間も遊んでいましたし、話すことが苦手だった私もほんの少しオランダについての話を聞くことができたので、とても充実した1日でした。


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