見出し画像

忘れねばこそ思い出さず候。

久しぶりに元カレの夢をみた。
知人が出てくる夢は、出てきた人に呼ばれているのだとネットの夢占いでみつけた。元カレから呼ばれてる?今更、なんの用だろう。
付き合っているときは、しょっちゅう夢にでてきて、そして夢の中の私は泣いていた。きまってそこで目が覚める。と、現実の私も泣いていた。夢と現実の境が分からず混乱しながら、涙を流しっぱなしでまた眠った。

夢には、『肉の夢』と『精神の夢』があって、大概が『肉の夢』で、A5ランクの牛の肉が階段状に並べられて…という食肉の話ではなく『身体』の意味の肉、その日にあった身体の記憶を整理のためにみる夢だとネットにあった。
現実でも夢でも苦しむなら、身体の記憶の整理をするより、せめて夢の中ではお花畑にいるくらい幸せでいて欲しかった。
かたや『精神の夢』は、出てきた知人に呼ばれているというもので、この二つの回釈を合わせてみたら、元カレの歪んだ愛が浮き彫りになってしまった。

別れて2年以上になる元カレの夢を、なぜ今更みたのかという謎は、『肉の夢』の解釈では説明がつかない。だから『精神の夢』の解釈になり、どうやら私は元カレに呼ばれているようなのだが、いったいなんの用なのだろう。自分から「もういい」と言ったのだから、用はないはずなのに。借りているものもない。連絡先も消したし、おはようからおやすみまでの会話の履歴も全削除した。写真も動画も消したしクラウドも削除した。貰った服も時計もピアスもピアスが入っていた箱も、全部、全部捨てた。
なのに、まだ私を呼ぶの?なのに、どうして記憶は捨てられないの?

もう、離したいはずなのに、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?