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なぜ編集者からソフトウェアエンジニアに!? カミナシの開発はここが楽しい

はじめまして! カミナシに2024年5月に入社した、ソフトウェアエンジニアの吉野美那子です。認証・認可ユニットというチームで、カミナシのマルチプロダクトで横断して使われるID基盤を開発しています。社内では下の名前からとった人生初のニックネーム「mina」で通していますが、実は本人が一番慣れていないのはここだけの話です。

この入社エントリーでは、私が入社後3ヶ月間で行ったことを振り返りながら、新入社員から見たカミナシの仕事の楽しさをお伝えします!


老舗出版社の編集者からスタートアップのソフトウェアエンジニアへ

私のキャリアはかなり珍しいと思っていて、今はソフトウェアエンジニアをやっておりますが、その前は出版社で編集者として働いておりました。「先生、原稿ください!」と作家に張り付いているあの人ですね。私は出版社の中では比較的デジタル寄りの仕事をしていて、電子書籍で読める実用書を作ったり、女性誌のWeb版で読める旅やグルメの記事を作っていました。

当時の仕事関係のつながりを通じてハマった歌舞伎は一生の趣味になりました! 今は建て替え中の国立劇場のロビーより。

そんな私がソフトウェアエンジニアに転身しようと決めたのは、業務を効率化させるために勉強し始めたプログラミングが超絶楽しかったことと、「年功序列ではなく、頑張ったら頑張っただけ評価される環境で勝負したい」「転勤族の夫についていくために、リモートワーク中心で働きたい」と理想の働き方を叶えたい思いがあったからです。

そのようなわけで、プログラミングスクールでWebアプリケーションの開発手法について学び、自社サービスを開発するスタートアップで短時間の業務委託からエンジニアデビューしました。プログラミングは仕事にしても楽しめましたし、勉強会や技術コミュニティなど社内外でチャレンジの機会がたくさんあるエンジニアの働き方は私の理想通りで、思い切ってキャリアチェンジしてよかったです。

カミナシに入社を決めた理由

子どもが保育園に入るタイミングで改めて転職活動をしていて、その中で出会った会社のひとつがカミナシでした。選考前のカジュアル面談では、CTO の原 トリさん(面談内でトリというビジネスネームについて触れられなかったので、珍しい本名だと思っていた)と、認証・認可ユニットの manaty さん( RFC = インターネット技術の標準的な仕様を記した文書をすらすら暗唱する姿に“歩く事典”って本当にいたんだと感動)がカミナシでの仕事の魅力を説明してくれました。

そこで伺ったのが、「地球上で最もノンデスクワーカーのニーズにマッチした認証・認可体験とID管理体験を提供する」という、認証・認可ユニットの壮大なビジョンです。Microsoft 365 や Google Workspace のように、デスクワーカー向けのサービスとその利用権限などを管理するID管理システムはごまんとありますが、それらの認証機能やID管理機能は、ノンデスクワーカーやその企業にとって使いやすいものではありません。ノンデスクワーカーに特化したIDの開発は、技術的にもビジネス的にもチャレンジングな課題であり、それを達成できればこんな世界が広がるはず……(詳しく知りたい方はカジュアル面談へ!)。聞いているだけでワクワクしました。

カミナシではまるごと現場DX構想を掲げており、チェックシートを電子化する「カミナシ」のほかにもプロダクトを開発中。それらのプロダクトと連携して機能するのが、認証とID管理を担うID基盤です。

さらに情報収集を進めるうちに、「現場ドリブン」なカルチャーが私の価値観と合うことに気づきました。そして、子どもの出産・育児を通じてたくさんのノンデスクワーカーの方にお世話になり、ノンデスクワーカーの方が社会を支えていることを強く実感していた私にとって、業界は違えどノンデスクワーカーの方をサポートするカミナシのプロダクトには大きな社会的意義を感じました。

最終的に入社の決め手となったのはチームの雰囲気です。オファーをいただいた後に、同じチームで働く manaty さん(前述の“Mr.歩く事典”)と、tomoro さん(癒やし系の雰囲気に油断していると、めちゃくちゃ仕事が速くて吃驚する)と面談の時間をいただきました。

なにを話したかほとんど覚えていないのですが(笑)、「カミナシの認証・認可ユニットという物語が始まっていて、1人目、2人目のキャラクターがここにいる。ここに3人目を登場させるなら私のようなキャラクターがぴったりだろう!」という謎の直感で、入社を決めました。もちろん変化の激しいスタートアップなので人の入れ替わりはいつ起こるかわかりませんが、今はあのときの直感は間違っていなかったと確信するくらい、毎日楽しく仕事をしています。

ソフトウェアエンジニアも現場訪問

入社して一番驚いたのは、カミナシのオンボーディングが充実していること。充実していると言っても「手取り足取り教えられる」という性質のものではなく、「新入社員が自発的にやりづらいことを、必要なだけ」と計算されているように思います。

私の場合、まずやったことは社内のステークホルダーとの 1on1 です。認証・認可ユニットが開発するID基盤はマルチプロダクトに関わるので、実は社内のステークホルダーが多いチームです。ID基盤と連携する各サービスチームのプロダクトマネージャー、プロダクトデザイナーたちに 1on1 をリクエストして、自分の人となりを知ってもらいました。現在は、30名近くのエンジニア全員と 1on1 をしているのですが、私が 1on1 をこなすスピードより、新しくエンジニアが入社するスピードのほうが速くて、なかなか終わりません(笑)。

▲ プロダクトデザイナー motty さんの入社エントリでも、オンボーディングでの 1on1 について語られています!

事業ドメインとプロダクト理解のために、メインプロダクト「カミナシ」を現場のユースケースに即した形で使いこなすタスクも行いました。これは社内では「カミナシレポートブートキャンプ」と呼ばれています。

それだけではなく、一度、カスタマーサクセスのお客様訪問にも同行させてもらいました。編集者時代に色々な“現場”には行きましたが、食品工場に行くのは初めて。白衣、マスクにゴム手袋をつけた状態でテキパキと作業をこなさなければならない、このようなシチュエーションでどうやったらデジタルデバイスの中のソフトウェアを使ってもらえるのか? ノンデスクワーカー向けプロダクトならではの難しさを痛感しました。

▲ コーポレートムービーをご覧いただけたら、カミナシのプロダクトが使われている“現場”のイメージがわかりやすいかと思います。

また、当日はお客様とのミーティングも実施されたので、お客様がどのような課題を感じているのか、それをカスタマーサクセスがどのようにサポートしているのかを目の当たりにしました。売り上げとして見えるのはお客様一社でも、その中に異なる立場のユーザーがいて、異なる目線からプロダクトを触っていること。サービスに不具合があると、カスタマーサクセスやユーザーの工数が雪だるま式に膨らんでいくことが理解でき、よいプロダクトを作らねばと気が引き締まる思いでした。

▲ カスタマーサクセス&カスタマーサポートのnoteから、エンジニアの私もユーザー視点を学んでいます。

技術的な知識のインプットもオンボーディングの一環で行いました。一例を挙げると、認可のフレームワークである OAuth2.0 の入門書『雰囲気で使わずきちんと理解する! 整理して OAuth2.0 を使うためのチュートリアルガイド』の勉強会を週1回のペースで行いました。こちらの本は入社前にも読んでいましたが、再読しながら最新の仕様や、仕様を実装するときに直面する問題について教えてもらい、非常に勉強になりました。

日々の開発では、毎日の朝会で進捗を共有し、必要な時にドキュメントを書いてレビューを受けたり、ペアプロをしたりしながら、独り立ちを助けてもらっています。カミナシのエンジニアリングは、バックエンド・フロントエンド・インフラといった領域で区切らず、全てのエンジニアが運用までオーナーシップを持って担当していることが特徴です。私はインフラ未経験で入社したので、インフラに課題意識を感じており、認証・認可の領域とあわせてインプットに努めています。

6月にはAWS Summitに参加し、他企業様の事例を学びました。

”バリュー出せていない“を受け止めるマインドセット講座

HRからもレクチャーが適宜あり、中でもよかったのが、新入社員がパフォーマンスを早期に発揮するためのマインドセット講座です。この講座で紹介されたのが「リアリティショック」という概念で、これは「組織に新しく参画したメンバーに起きる、当初想定していた期待と現実のギャップ」のこと。

「同期と比べて立ち上がりが遅くてダメだ……」「過去の経験を活かしてすぐ活躍しようと思っていたのに、全然役に立っていない……」といった新入社員がよくぶつかる壁をパターン化し、それが誰にでも起きうること、勇気を持った自己開示によって解決していけることを教えてくれました。

カミナシにはメンター制度があるのですが、メンティー(新入社員側)だけでなくメンター(受け入れ側)にも同じ講座をしています。新入社員がぶつかる「当たり前」をメンターと共有しているため、無駄に気負わず、ポジティブな負荷を感じながらオンボーディング期間を過ごせました。

ハードシングスをユーモアで乗り切れ!

また、入社月の近い新入社員が CEO の諸岡裕人さんとオンラインランチをする会もありました(こうやって書き出していると、さまざまなオンボーディングコンテンツがあるのが伝わるでしょうか?)。そこで出た話で印象に残っているのが「カミナシでは執行役員以上の要件のひとつに『ユーモアを解する』という条件を定めている」ということ。その理由をたずねると、「スタートアップは数多のハードシングスに直面する。それを乗り切るためには、ユーモアがなければやってられないから」。

▲ カミナシのマネジャー支援活動にご協力くださった、株式会社Momentor代表の坂井風太さんいわく、「カミナシ社員は意図的に明るさを使い分けている」とのこと。ちなみに諸岡さんに「諸岡さんも意識してユーモアを使い分けてるんですか?」と聞くと、「僕のは天然」と言われました(笑)。

この話を聞いたときに、異業種・異職種から転職した私でも、カミナシですっと溶け込めて楽しく仕事ができているのか、理由が分かりました。「ユーモアを解する」というマインドは経営陣を超えて、メンバークラスにも浸透していると思っていて、要するに、カミナシには”明るくておもろい”人が多いため、新入社員でも溶け込みやすいのです。

私のチームでいえば、朝会の95パーセントは雑談で盛り上がっていますし(笑)、エンジニアリングマネージャーの Keeth さんが立ち上げたお昼のLT会では、発表も面白ければ、それに対して上手いこと言いたいという人がいっぱいで Slack の”わいがやスレ”の勢いもすごい。

▲ 他のエンジニアメンバーの入社エントリーからも、カミナシのエンジニアリング組織の雰囲気が伝わるかと思います!

毎週金曜日に開催される全社ミーティング「カミナシ Station(カミステ)」にもカミナシのカルチャーがよく現れているなと思います。「発表担当者は内容の伝達よりも、ひと笑い起こすのを重視してないか?」と疑ってしまうくらいの盛り上げようで、画面の前で声を出して笑うこともしばしば。このメンバーであればハードシングスを乗り越えられると信じているカミナシ社員も多いでしょう。

カミナシのエンジニアリング組織をもっとよくしたい

最後に、もっとこうなったらいいのにな、と思うところも正直に書きます!

ひとつは女性のソフトウェアエンジニアが少ないこと。というか私しかいません。女性がいないからといって働きにくいことは全くないですし、そもそもエンジニアに女性が少ないことは十分承知の上です。が、私が学生の頃の工学部でも学生が30人いれば、2、3人は女子だったので、もう少しいてもいいのでは……? と思わなくはないです。女性の方にもカミナシのソフトウェアエンジニアリングに興味を持って欲しいので、私から見た仕事の面白さをどんどん発信していきたいなと思っています。

▲ カスタマーサクセスのはぎーさんが、家庭を大事にした働き方を紹介しています。またこの記事の中に、他のママさん社員の入社エントリーへのリンクが揃っているので必見!

もうひとつ、技術ブログの発信が“控えめ”なこと。社内LT会では、エンジニアメンバーの技術力と、内容を面白く伝える能力には毎回圧倒されるので、この面白コンテンツを社内にとどめているのがもったいない〜! と思ってしまいます。

(今もですが)初学者の頃、特に認証・認可のわかりづらい仕様を解説してくれるブログにとても助けられてきたので、クオリティの高い発信ができる人にはどんどん発信してほしいというのもあります。逆に言えば、カミナシの技術力は外部に伝わりきっていないと考えられるので、技術に関してトークしたい方はカジュアル面談などで直接確かめてもらいたいです。

以上、異業種・異職種から転身したソフトウェアエンジニアのカミナシ入社3ヶ月を振り返ってみました。カミナシに少しでも興味を持っていただいた方は、以下の採用ページからご連絡ください。お付き合いありがとうございました!

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