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アクセス解析でどんな数値を計測するか考えるプロセスをご提案します(GA4でも使えるよ)

WEBやデータ分析に関する投稿をみんなでしてみよう Advent Calendar 2020の11日目の記事です。

(わーこれ言ってみたかったー!なんならこれ言ってみたかっただけでこの投稿書いてるー!)

この記事の注意点

なんかGA4ってタイトルに入れといたらキャッチーだろという頭悪い感じでタイトルつけてしまいましたが、内容自体は、ツール・バージョン関係なく「アクセス解析の基本」です。(GA4以前のGAではカスタムディメンション・カスタムイベントなどの設計で使ってた内容です。)

これまでGAが勝手に出してくれる数値を使っていたけど、そろそろちゃんと使おうかな…という人向けの内容です。

あと概念的な話なのでウェブでもアプリでも使えると思いますが、基本的にウェブを意識して書いてるのでアプリ特有のアレコレはあんまり考慮してません。
そして具体的な計測方法とかは書いてませんのであしからず。

ビビリなもんで前書きうるさくてすいません…。

何のデータを計測すべきか考えるときの3STEP

何のデータ取ろうかな~と思ったときに考えるのは、大きく以下の3点です。上から順番に考えると良き。

①ユーザーに何をしてもらったら売上が上がるか
②ユーザーに何をしてもらったら嬉しいか
③レポートにしてみたときに、足りないものは何か

①サイトと売上をつなげて考える

基本的に、ビジネスとして作っているサイトには目標数(売上とか採用とか問い合わせとか)があるわけです。

「今週はPV数が1.2倍になりました!」とドヤ顔で報告しても上司にイマイチ響かないのは、「で、売上にどう影響するの?」が見えないからです。
今までのGAが出してくれる数字を何となく見ていただけの人には、「アクセス解析の指標と、ビジネスの数字をちゃんと紐づけて考える」という癖をぜひつけてほしいです。

どうやって整理するか、手法的にはいくつもあると思うんですがKPIツリーってやつが入りやすいんじゃないでしょうか。ネットにはもう充分記事が溢れてるんで作り方については割愛します。

画像引用:KGI、KPIの違いとは?KPIツリーの設定方法を解説

施策を考えるためではなく、実装設計のためのツリーなので、なるべくMECEに指標を洗い出すことを意識してください。まずはアクセス解析で計測できない指標もすべて洗い出します。

その上で、アクセス解析で「計測できるもの」「ドンピシャは取れないけど参考値は計測できるもの」「どうにも計測できないもの」を考えて、できる範囲で計測します。

たとえば「実店舗への来店数」はウェブでは計測できませんが、代替として「実店舗へのアクセスマップを2分以上見ていた」「店舗で使えるクーポンをダウンロードした」とかは参考値として計測できます。ユーザーが実店舗に行こうとしたときにどんな行動をするか、を想像してその中で計測できるものを考えます。

②ユーザーにしてほしいことを考える

ユーザーにしてほしいことには、「売上に直接的・間接的に貢献すること」「売上とか関係ないけど担当者のモチベーションが上がること」の2種類があります。
前者は①で整理したので、ここでは後者をメインに整理します。

たとえばブログコンテンツがサイト内にあったとします。「売上貢献」という観点で計測すべきなのはブログコンテンツ全体の「コンバージョンへの貢献度("ページの価値"とか)」などです。
一方でブログを書いてる担当者は、売上への貢献だけでなく自分が書いた記事の評価がちゃんと分かった方がモチベーションになります。

・自分の記事がどれくらい読まれているか(著者別の"ユーザー数"や"PV数")
・どんな記事が人気か("ページの価値"や"ユーザー数"が多い記事はどれか)
・どんなニーズのある人が読んでるのか(検索ワード、ランディングページなどから推察)
→次はこんな記事を書こう!のヒントになる情報

そうすると、売上には関係ないけど、「ユーザーニーズがわかるレポート」「記事別や著者別でコンテンツ評価ができるレポート(数値)」が必要になります。

別にブログに限った話でなく、ECならどのキャンペーン・特集が良かったのか、採用サイトならどの職種が人気あるのかないのか、などなど…
この数字を見る人が次のアクションにつなげるために何が必要かを考えていきます。

この洗い出しには、普段GAを見る人がどんな役割の人か・どんな数値が見たいと思っているか、を社内練り歩いて聞いて回るのが手っ取り早いです。深堀の軸はだいたい担当者が持っています。

聞いて回る相手は、往々にしてアクセス解析の指標とかどんな数値が見れるのか見れないのかちゃんと理解していない人です。なので聞き取る時も「できるできない」の話はいったん置いといて要望をぜんぶ聞き出しましょう。その後で整理すればよいです。できないものは単純にごめんなさいするだけより、代替案を持っていくとガッカリされません。

ちなみに、これを①ではなく②にしたのは「してほしいことから考えだすと、ビジネスに直結する数字の意識がおろそかになる」という理由です。こっちを考えるのが楽しいし普段の自分の仕事に近いので、こっちだけがどんどん出てきてしまい、①の方が雑になってしまいがちです。私だけかも。

ちゃんとしたことは、こちらの記事に書いてあります。

コンテンツマーケと書いてますが、どんなサイトでも使えると思います。

③ダミーのレポートを作ってみる

はい、洗い出しが終わったところで、レポート(ダッシュボード)を作ってみます。
紙に手書きでいいです。

雑すぎて震える……しかも消えてる……

ここでの目的はあくまで「必要っぽい指標がちゃんと洗い出せたかの確認」なので、Excelでキレイにグラフを作る必要はありません。ちゃんとした数値ではなく適当に書いた数値でいいです。

で、作ったレポートを見て、エア報告会をしてみます。実際に見る人を巻き込めるなら、「こういうレポートになる予定です」という発表会をしても良いかも。

実際にストーリーをつけて話そうとすると、まず全体の数値を報告、その後にチャネル別の報告、施策ごとの効果の報告…とやっていくうち、数値が足りないと話しづらい箇所が出てくるはずです。あと、「こんなツッコミ来るかも」と思うと、その打ち返しに必要な数値が足りてるかもチェックポイントになります。

数値を取る前からアウトプットのこと考える人ってあんまりいないかもしれませんが、結構大事です。

おわり

GA4に限らないって頭に書いたんですが、今までのGAと比べるとGA4は
・実装設計や分析設計ができる人
・ビジネス的にほしい数字をウェブの指標に置き換えれる人

こそ価値発揮しやすいという傾向は出てくると個人的には感じています。
ひいては、これからアクセス解析をやろうとする人はこの辺のスキルと引き出しが重要になってくるんではないでしょうか。

知らんけど。